三国志展のガイダンス映写から読む、中国共産党の思惑

三国志展のガイダンス映写から読む、中国共産党の思惑

東京国立博物館で開催されている※『特別展 三国志』も残すところ本日のみとなった。
祝日でもあり相当に混雑することが予想される。
本日行かれる方は押し合って怪我などされないよう、気を付けてください。

 

※2019/9/16筆です。前記事の関連としてこれも新着に上げておきます。〔常体記事〕

『三国志展』ネットの反応

『三国志展』について私は良い印象を持てなかったが、 ネットの反応を見るとやはりフィクションやゲームファンの方々は楽しめているらしい。
まあ、楽しめたならいいことだと思う。

 

ツイッターの #三国志展 で検索すると中共工作員(在日)らしき人がちらほら居て、たとえば下画像の方など典型。

どう見ても関羽にしか見えない像まで何故か「事実上の曹操」と呼ぶ謎の思考を持つ、曹操崇拝者。アカウント名「五四運動(=反日運動のこと)」とはあまりにも分かりやすい自己紹介。むしろ自分から共産アピールしている。だから曹操崇拝が目印になっている、と言っただろう? 『蒼天航路』の著者たちと同じように、彼らは隠すこともせず共産を漂わせながら発信しているのだから気付くべき。

テキスト展開:
事実上の曹操なので、関羽像撮る時ローアングラーになっちゃったぁ…♡(曹操に対する甚大な風評被害やめてください!!) 曹操高陵の再現とか赤壁前夜みたいに会場中に矢が張り巡らされてるのとか、会場自体もすげー工夫されていて、研究・教育・娯楽の究極の三位一体を見た気がしましたね

 

これぞ工作員の模範たる偏りのある賛美。

ここまで『三国志展』を手放しに誉めている日本人は見かけない。皆さん、横山・川本グッズへ愛を叫んでいるだけだ。微笑ましい。

おそらく、特別展入口横/はにわ常設会場の入り口前にひっそりとあった
「三国志展 ガイダンス」
という映写スペースに目を留めた人は少ないだろう。

覗いてみたところ椅子に座りガイダンスを眺めているのは団塊世代ばかりで、若い人は誰もいなかった。
私は「敵を知る」ために我慢して椅子に座り観てみたのだが、強い中共プロパガンダ臭の漂う映像で辟易した。
若いファンの皆様がスルーしてくださって本当に良かったと思う。あれを観たら心が汚れる。

三国志展 ガイダンスの内容

ガイダンスの映像は冒頭から「曹操マンセー」のプロパガンダで満ちていた。
あまりにも単純、予想通りだったので笑う。子供が作ったのかと思うほど。

 

まずは三国時代が黄巾賊によって起こった動乱の世であったことの説明。
その恐ろしい混乱状態を治めるため現れたスーパーヒーローが、「我らが素晴らしき正義の人・曹操様」なのだそう。
ひたすら「三国時代最高の英雄は曹操様」であること、「我らが偉大なる曹操様」がどれだけ偉業を成したかが延々と語られる。

 

驚いたのは、「曹操様が民想いの正義の人だった」とストレート過ぎる嘘を流していたこと。
民衆虐殺した人が、民想いとはいったいどういう思考転換だろうか?

まさに共産党。
黒を白と、白を黒と呼ぶシステム通り。

※共産主義は概念を反転させる。権力者による一般民の大虐殺を正義と、民の抵抗を悪と呼ぶ。見本:

朝日新聞が中国政府の飛ばす「デマ」を拡散し始めた。
「デモの背後に米国の関与を疑う中国」とし、民主派が訪米したことを挙げて「香港の暴力は米国の作品」という中国の主張を正当化している。
民主活動を米国の陰謀と主張するのは中国の常套的デマ。
200万人のデモが外国の工作で起きるわけがない https://t.co/3xngPs4cp6
— 青木 俊 (@AokiTonko) September 13, 2019

続き:この新聞の伝統的中国寄りの姿勢は時に過剰になりがちな中国批判にストップをかける機能を果たしてきた。 だが、香港の混乱は中国の一方的な自由への侵略で弁護の余地はない。米国議会が座視できないとするのはまっとうな正義だ。中国のデマの拡散に手を貸すのは、必死に抵抗する香港市民への冒涜だ。

 

【図解香港時事】#香港 のデモに #中国共産党#香港政府 はどう対応しているのか?

— 香港反政府デモ情報館 (@HKnewsJP) September 15, 2019

我々は国民を5000万人以上虐殺してきましたが、民想いの正義の党です
との意味不明過ぎる説明には開いた口がふさがらない。

 

なお、当然ながら曹操の行った民衆虐殺や拷問処刑についてはガイダンスで一切触れられなかった。
中共が文化大革命や天安門について隠蔽しているのと同じである。彼らは、触れることをしなければ過去は消え去り、嘘で書き換えられるものだと本気で信じているらしい。これぞオーウェル『1984年』手法。
そのようなおかしな手法でも「反論したら殺す」と脅迫されている国内人民は受け入れた振りをするしかないが、外国人にも通用すると思っているから痛々しい。
(意外と日本では鵜呑みにしてしまう無知な人が多いのが現実だが…。そんな日本人のほうが痛いかもしれない)

 

ちなみにガイダンスは現実の曹操について
「都の道路を広げて、民の往来を便利にした。この通り曹操様は民想いな素晴らしい英雄だったのです」
と説明していたのだが、曹操が道を広げたのは馬や車が通りやすいように、つまり自分が戦場へ派手に出撃しやすくするためだろう。
北朝鮮と同じ、軍事パレードのパフォーマンスをしやすくするためでもある。
それは権力者のためであり民のためではない。どこをどう捻じ曲げれば「民想い」ということになるのか理解に苦しむ。

(共産党の主張はいつもこのように筋が通っていないのだが、彼らは異を唱える者を殺してしまえばいいと思っているので気にしないのだ。殺しは一秒で済む、簡単だから理論を詰める必要もない。こういう思考パターンは、確かに彼らが崇める曹操とよく似ている。)

 

諸葛亮評で悟る、想像外だった中共思考

ところで「曹操マンセー プロパガンダ」については想定通りだったのだが、意外だったのが映像後半に諸葛亮への賛辞が入っていたこと。
当然ながら劉備を褒める言葉は僅かもない(どころか名前もほぼ出て来ない)のに、「我らが曹操様」と対峙した諸葛亮について褒める言葉を挿入していたのだった。

 

もちろん渡邉義浩氏、柿沼陽平氏の説に反映されている通り、中共はあくまでも
我らが偉大なる曹操様を目指していた二番手、独裁者・諸葛亮(才能は低かったけど曹操様を目指していた独裁者だったから認めてやる)」
という捏造設定で賛美することにしているだけなのだが。

具体的にガイダンスでは以下のように説明され、諸葛亮が褒められていた。
「南方民族に対する施策には諸葛亮の人柄が現れていました。彼は反乱した異民族を捕らえては解放した。この通り、諸葛亮は異民族の心を攻めることに長けていたのです」

ん?
この「曹操賛美」からの→「諸葛亮の異民族政策だけ褒めてやる」という展開はどこかで見たな?

考えて思い出したのが、NHK『孔明と曹操』という中共プロパガンダ番組。

 

葬礼が華美ではないだけで曹操「名君」扱いの謎と、七縦七擒

あの番組を観たとき、私は番組後半の諸葛亮「孟獲を七度捕らえ 七度放した」というエピソードを選んだのは、NHKの中の反骨分子による中共批判ではないかと考えた。
諸葛亮が孟獲へ自由を与え南方民族の暮らしを保障した政策は、明白に、今の中共によるウイグル・チベット弾圧への批判となるからだ。
その考えをもとに「NHKは一枚岩ではない」と思ったのだった。

しかし完全なる誤解だった。
私もお人好し過ぎた。
中共の思考は、ごく普通の人間の想像を遥かに超えた異次元へ飛んでいる。

なんと、
「我々中国共産党は、ウイグル・チベットの民を優遇して自由な暮らしを保障している」
「我々は諸葛亮と同じことをしている。偉いでしょ?」
との大嘘
を主張していたのだ。
しかもその嘘を、外国人が信じてくれると思っている。

 

信じがたい。
中共は、世界へウイグル・チベット人に対する自分たちの蛮行が知れ渡っていることの自覚がないのか?
それともやはり『1984年』のように、嘘を言い続ければ現実の行いを消せると本気で信じているのだろうか。狂気としか言いようがない。
(念のため。筆者もプライベートではかなり「頭がおかしい」と思われるようなことを述べているが、全ての人に信じてもらえるとは思っていない。まして嘘をつき続ければ現実になるという信心から嘘をついているわけでもない)

 

諸葛亮が、チベット・ウイグル弾圧の隠れ蓑として利用される。
あの虐殺が諸葛亮の名のもとに行われる!
そのようなことは悪夢でしかない。

中共のために捻じ曲げられたプロパガンダは決して許されることではない。
たとえ声は小さくても、私はこれからも世界の片隅で声を上げていく。
あの悪魔たちに天罰が降るように祈り続ける。
霊というものがもし存在するなら、中華の歴史全ての霊にどうか応えて欲しい。正しい義が通りますように。虐殺されている人々が救われますように!

 

三国志展へ行った人・これから行く人へ注意して欲しいこと

まともな日本人の大人なら、あのような分かりやすいプロパガンダ映写を鵜呑みにする馬鹿はいないだろう。

ただ三国志マニアは上級者でも近現代に疎い人が多いらしい。彼らは中国共産党の蛮行など知らないだろうから心配だ。
特に若い人は日本の左翼が起こした比較的に新しい事件さえ知らないので、あっさり洗脳されてしまうのではと恐れる。

 

若い人に知って欲しい、日本等における共産主義の本当の歴史

頼むからあのような汚れたプロパガンダを観ることなどないよう。
検索でここへ辿り着いて、予め「脳の防御」を固めてくれることを願う。

すでに東京展であのプロパガンダ映像を観て鵜呑みにしてしまった人も、現実の中共の行いと諸葛亮の施策が違うことをよく考え、洗脳を拭い去って欲しい。
実際たいした効果がある洗脳工作でもないのだが、わずかな汚れもいずれ致命傷の毒となる。
早い段階で気付くに越したことはない。

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