『三国志TK』陸毅さんは諸葛亮のイメージに合わない…ですか??(追記あり)

ちょっと息抜きで雑談。

当ブログのプロフィールを少し書き換えました。

記事で年寄りぶっているわりに年齢を書いていなかったことに気付き、このブログに来られる方なら分かりやすいだろう例にて、ぼんやりと世代を示してみたもの。

ほぼ年齢そのものを書いているようなものですが(笑)、数字を書かない事情は察してください。

※数字を書くとネット上で色々不都合があるゆえ

 

上のプロフィールでリンクするために、かつて華流ドラマで孔明を演じた俳優・陸毅(ルー・イー)さんについて説明されたページを探していたのですが、あいにく中国の放送局のものしか見つかりませんでした。直接リンクも嫌だからIAへリンクしています。(その後、やはり危険と考えリンクはカット)

でもその紹介ページでは『三国志Three Kingdoms』出演の経歴がカットされているのが引っかかりました。また何か、政府の不穏な意図があるのでしょうか? 孔明を演じたことで彼の身に危険がなければいいのですが…。

 

ネットで見つけた『三国志TK』陸毅の評価が意外だった

本題。

今回の検索で見つけた記事のご意見、興味深く拝読しました。

 

諸葛亮 Three Kingdoms

歴史上の「諸葛亮」は好きだけれども「Three Kingdoms」での諸葛亮は微妙・・・

もちろん陸毅氏が悪いわけではなく他の俳優が凄すぎること、脚本や演出が自分のイメージする諸葛亮とかけ離れていたことが原因です。

やはり関羽、張飛との衝突や統治者としての苦悩、李厳を罷免したときに「穏やかな生活に戻れてうらやましい」と発言したりする描写はちょっと残念でした。それから登場してすぐの頃は自信に満ちた表情をしていましたが、次第に泣き顔や眉間にシワを寄せる顔ばかりになっていき、三国志演義※1や横山光輝の漫画三国志での心強い諸葛亮とは全然違ったものになっていました。常に周瑜や司馬懿といった名将たちの上を行き、天下一の軍師であるという描写は充分になされていたのに(陸遜に石兵八陣を破られたことになっており、その点では陸遜をはっきり上回っているという描写はされなかっと思います)・・・正史の諸葛亮を意識したとも思えないんですが。

 

>自分のイメージする諸葛亮とかけ離れていた

ええっ! そうなんですか?

陸毅さんの演技は史上初めて、史実に最も近い孔明だったと私は思いますが。

だって史実が「自信に満ちた天下一の軍師」というイメージでは全く無いしね……。苦笑

(などということは、一般マニアの方には『正史』からも伝わらないかもしれない。いっぽう横山・吉川イメージをいまだに把握しきっていない私はマニアさんのお気持ちが理解できていない)

 

蜀貶め工作が奇跡的に史実を再現させた

『TK』は中共監視のもと、曹操崇拝の蜀貶め目的で作られていますから、孔明をわざと情けない雰囲気で描いたのかもしれません。
しかしそれが奇跡的に史上初めての史実寄りの描き方をすることになりました。

 

特に顔をくしゃくしゃにして泣く陸毅さんの演技は、『三国志TK』にはまっていた私の上司曰く、「史実っぽい。孔明って現実ああいう人っぽい」と思ったそう。その通りと思います。

陸毅さんには連日泣きの演技をせねばならなかったことに「ご苦労様です……」と頭を下げたい。

あと、眉間にしわを寄せて目を細める表情に関しては、おそらく若さを隠すためではないかな?と思いました。
年齢は目の光に表れますからね。
当時まだ三十代半ば、目力の強い陸毅さんが五十代の演技をするために仕方なく目を細めていた感じ。その点、ご苦労あったのだろうなと想像します。

 

ま。正直言って私はあのドラマを3話までしかきちんと見ていないので(あとはMADで眺めたことがあるくらい。苦笑)、話はあまり分からないのですが。

脚本がくだらないだろうことは、想像に難くないです。なにしろ中共政権下で創られたドラマですからね。

 

この設定は確かにどうかと思う

>関羽、張飛との衝突(は残念)

うん、確かに関羽や張飛と対等にバトルするということは現実無かったでしょう。

遥か年上の尊敬すべき将軍たちと喧嘩し合うというのは、諸葛亮と関羽たちの関係性を考えれば有り得ません。関羽将軍らは亮にとって伯父のような敬愛する人たち。

しかし華流ファンである私の上司曰く、

「関羽・張飛と孔明の喧嘩が面白い。小学校の昼休みみたい」

とのこと。コミカルなフィクション設定が、華流ファンにはツボだったようです。

 

>李厳を罷免したときに「穏やかな生活に戻れてうらやましい」と発言したりする描写はちょっと残念

確かに、罷免したという状況でその台詞を言わせる設定は無いな……状況を考えれば最低だ。酷過ぎる嫌味に響く。

でも本人の内心としては「穏やかな生活が羨ましい」という気持ちは本音だったでしょう。読書生活が幸福というタイプ。口にはできなくても、当たらずも遠からずだったと思います。監督さんの想像力の高さに、むしろ人間味を感じます。

 

渡邉義浩の行いをご存知ないのは残念

以前「100分de名著」という番組に日本の三国志研究の第一人者と言っても過言ではない渡邉義浩氏が出演しておられたのですが、番組内で渡邉氏が「三国志で一番好きな人物は諸葛孔明」と断言していたのが印象的でした。おそらく諸葛亮(孔明)は昔ならぶっちぎり、曹操の評価と人気が急上昇した今でも「好きな三国志の登場人物」ランキング不動の第1位なんでしょうが、専門家がマイナーな武将や意外な人物でもなく諸葛亮をテレビで「一番好き」と言ったのは興味深いことでした。

…ここはこのブログ主さん、残念ですね。おそらく渡邉義浩が何をしているか、ご存知ないのでしょう。彼の書籍を読んだことは一度もない?
渡邉はマキャベリ的に中共が作り替えた嘘キャラクター、「捏造の諸葛亮が好き」と言っているのですよ。そして中共による残虐行為を肯定、正当化しようとしている。

歴史マニアさんにありがちなことですが、歴史が好きなあまり現代の話を嫌う。現代の危機を叫ぶ声を「くだらない」と言って無視をする。
まるでバーチャル・リアリティのゴーグルを被っているために、現実で泥棒が自分の周囲を歩いているのに気付かない人のよう。

どうかもう少し現代現実を眺めてみて欲しいです。今、『三国志』を舞台にどのような犯罪が行われているか。フィクションを土台として、この日本に対して何が行われようとしているのか。
あなた方は現代に生きているのだから。
温故知新ができなくて、何のために歴史を学ぶのか? バーチャルリアリティばかりに引き篭もって、殺されるまで夢を見続けるつもりですか?

マニアさんたちを渡邉と同列に並べないで欲しい

また以前某匿名掲示板で見かけたレスですが、

三国志初心者:諸葛亮すげー!

三国志中級者:諸葛亮全然大したことないやん

三国志上級者:諸葛亮すげー!

的な書き込みがありました。

これは三国志演義を代表とする各種小説で諸葛亮が神様のように書かれ、その天才的な描写やエピソードが数え切れないくらいあってそれを初めて読んだ人は「諸葛亮凄い!」となるのが、正史などを知っていくと演義で書かれた諸葛亮(及び蜀)の活躍の多くが創作であることを知って落胆することを表現しているのでしょう。一部では「三国志演義被害者の会」なんて言い方をされる周瑜、司馬懿、魏延、王朗、(龐統もその気あり)などの諸葛亮のために割を食った人物の本当の姿なども関係しています。実際僕も「諸葛亮ってそんなに凄くないんじゃ?」って思った時がありました。曹真にも勝てず、司馬懿にも小説では手玉にとっておきながら史実では全然勝てていないこと、自ら兵を率いて成果を挙げたことがほとんどないこと、手堅い戦略で奇策などを用いたり考えたりしていないことから「政治家としては大変優秀だが、軍師や指揮官としては1流ではない」との評価が一部では結構確定している気がします。

その掲示板書き込みは渡邉義浩とは全く違う、純粋マニアさんたちによる意見

ゴッドハンド(歴史捏造)犯罪者と一緒にしないで欲しかった。並べるのは正真正銘のマニアさんたちに本当に失礼。

 

もっとひどいのは正史を書いた陳寿が諸葛亮を嫌いだったため、実際よりも悪い評価を歴史書に残したというもの。

そうですね。陳寿評はどこまでも客観的で正当。

ただ、陳寿が魏を持ち上げて蜀を貶めて書かねばならない義務を負っていたのは確かのようです。

証拠;当時、壮絶に憎悪されていた曹操の悪い行いを正史本文に書かなかった。まるで中国共産党のお抱えライターのごとく虐殺事件に言及しなかったという。それから曹操を「正義の人」であるかのように見せかける演出をしています。にも関わらず曹操の史実が残ったのですから、曹操はよほど人々に憎悪されていたのでしょう。

 

陳寿はもちろん個人的な恨みからそうしたのではなく、魏を始祖とする晋の御用歴史家だったから、真実を書けなかったわけです。

本当ならもっと蜀を貶めなければならなかったでしょう。彼にはそういう命令が降っていたはず。

ただ彼は当然ながらリアルタイムで魏・蜀の人々の評判(曹操への憎悪、蜀人物への敬慕)を目の当たりにしているし、陳寿自身の「歴史学に誠実でいたい」という気持ちもあって、酷い捏造話をついに書けなかったのではないかと思います。

心からの悪意をもって劉備と諸葛亮を貶めている渡邉義浩や、ネット書き込み工作員などとは大違い。良心の欠片もない、非人間の地獄の虫たちとは違って陳寿は人としての誠実を残していたのです。

 

その点、『三国志Three Kingdoms』の脚本家さん・監督さんは陳寿に近いものがありました。表面上は曹操持ち上げ、蜀の貶めで取り繕いながらも、人々の台詞で真実を言わせている。

例。第3話、陳宮の台詞

「曹操の話は剣よりも恐ろしいかもしれん。剣は呂家を殺したのみ。だが曹操の話は、天下の心を誅殺できる

に私は涙しました。

こんな台詞をドラマに入れて意図がばれたら処刑されるだろうに、大陸の華人は命懸けでこういうことをする。だから見捨てられないし、心から尊敬します。いずれ人類の模範となる人々でしょう。

 

ともあれ、この方も正当なマニアさんだった

確かに諸葛亮は司馬懿を打ち破ることは出来ませんでしたが、司馬懿に敗れて退却したわけでも大損害を出したわけでもありません(街亭の戦い除く)。充分互角に戦っています。諸葛亮は局地的には司馬懿に勝ったが、晋の実質的建国者である司馬懿を憚って直接的に書いていないという研究者もいます(実際に司馬懿には局地戦で勝利している記述も正史にあった気がします)。一度目の北伐では馬謖の命令違反(これは擁護できません)で撤退するまでに涼州を平定し長安に迫る勢いであったこと、その後の北伐の撤退時に王双や魏の名将張郃を討ち取りつつも自軍に大きな被害を出していないことなどから指揮官でも有能であったと主張する人もいます。司馬懿も相当な名将ですので、互角に戦うだけでもかなりの実力です。

また劉備に天下三分の計を進言し、実際に荊州と益州を領有させ漢中から曹操軍を駆逐して最終的に皇帝に即位させたことはとてつもない偉業でしょう。もちろん劉備本人の将としての実力や龐統、法正の策略面での貢献、張飛、黄忠、魏延の活躍に馬超の帰順などの要因があったにせよです。

以上の点から、三国志演義での活躍の多くが創作でも正史の諸葛孔明も大変優秀であったと思います。軍事面ではあまり成果を挙げられなかったことから将軍としては曹操、周瑜、司馬懿、陸遜あたりより下となるのは仕方ないですが、それでも当時では充分1流の範囲でしょう。政治面では「管仲、蕭何に匹敵する」と正史で評されたために、将軍としては白起や韓信、謀略面では張良や陳平並の実績、実力がないと小説の活躍に比べて物足りないといった感覚なのかもしれませんがいくらなんでもそれはハードルが高すぎます。同時代で言えば将軍としての張遼や関羽(これに関しては一方的に劣っているとは言い難い)、軍師としての郭嘉や賈詡 (さすがにここら辺には負けますね)に近い知能を持っていて、管仲や蕭何に並び称されるだけの内政力があったんですから本当に天才です。

そこで最初の

三国志上級者:諸葛亮すげー!

に戻るわけです。

まあ謀略に関しては蜀内でも龐統と法正の方が上だとは思いますが。

そして劉備との関係に名文として名高い「出師の表」、最後に蜀が辿る悲劇的な運命。

正史三国志が魏を正当として書かれていながらも、蜀人気が出るわけだなあと思いました。実際正史を読んでいるときも僕には蜀書が一番面白かったですから。

 

ということで、最後は嬉しくなりました。

 

>いくらなんでもそれはハードルが高すぎます。

 

同意です(笑)。

有り得ない設定を押し付けられた諸葛亮の身にもなって欲しいものですね。

※あまり知られていませんが、諸葛亮は生前に中華全土の人々から神がかりの天才扱いを受けています。『演義』ファンタジーは『演義』後に創られたわけではなく、全て彼らの生きていた頃から既に存在していた伝説。

 

私も少し辛口な感想を書いてしまいましたが、歴史マニアさんとして正当なご意見を書いてくださったブログ主さんには感謝です。

今、とにかくまともな歴史マニアの書き込みがネット検索に引っかかることが減っているため、自ら考えた意見を書いてくださっているというだけでありがたいのです。多めに引用して申し訳ありませんでした。

 

個人的な呟き

それにしても。

こちらの記事を読んでいて改めて迷いが生じたのは、私は「陸毅さん的な孔明が史実だ!!」とさんざん宣伝しているけど、それでいいのか? ということです。

いつも思いますが、私が一番、アンチ孔明のよう

諸葛亮貶めに誰よりも貢献しているのが私だったら申し訳ないことです。

 

日本と東アジアの地獄化を防ぐためには方針変更して、諸葛亮を自信ありげなキャラとして宣伝しなければ駄目でしょうか?

でもなあ。わたくし、嘘がつけない性分でして……。

孔明と同じく※、謀略の才能ゼロですよ。笑

 

※引用文最後のほう「まあ謀略に関しては蜀内でも龐統と法正の方が上だとは思いますが。」に賛同して

 

関連記事。嘘のない史実の諸葛亮:

孔明ってどんな人だったの?に回答。諸葛亮の性格、実像エピソード紹介

 

10/22追記 華人の評価

陸毅さんの演技について、華人の評価を見つけたので引用しておきます。

大陸人か台湾人かは不明。繁体字だから台湾の方かな?と思ったのですが、台湾でこのドラマを見ることはできるのか(台湾人が観ようと思うのか?)少々疑問。ただ、MADで使われている曲は台湾のアーティストです。

 

說句心裡話,即便看了不下數十次,總是為此淚流滿面呀,只能說編者太有才了,僅僅5分多鐘的視頻,卻能夠完整的刻劃出劇中三國諸葛亮為蜀漢付出貢獻的一生,搭配其歌詞,更是震撼人心,說實話,我早已爛熟於心,手抄於己收藏,好細讀歌詞其寓意~稱孔明為千古蜀相甚是當之無愧呀 !!!
而此片由陸毅所飾演得諸葛亮其演技更是令人撼動,把諸葛亮的睿智、品德、擔憂、委屈、心酸、心痛等等……、尤其是後期為蜀漢付出的鞠躬盡瘁,更是表露的一覽無遺,每每看到孔明言”祁山整整九個月不曾下雨,今日為何暴雨傾盆吶,天不助我,助爾曹,我北伐十年,六出祁山,今天好不容易把司馬懿逼入絕境吶…可這場大雨救了他,害了我啊…!!!!!”之後便瞬間口吐鮮血,跌坐於地不起,這哀莫大於心死的心境,令人鼻酸不已,也為孔明的豐功偉業,就此畫下句點,而留下千古的飲恨啊…每當看到此片段,心就有如刀割般痛著啊……怪不得杜甫詩言”出師未捷身先死,常使英雄淚滿襟”道盡了孔明的一生壯志未酬,也著實令人不勝唏噓…….
或許有些許人會認為舊版三國更勝於新三國,諸葛亮的鞠躬盡瘁之美德是為後世所留傳的,就我個人而言是完全被新三國版陸毅所飾演的諸葛亮所折服也為之傾心,透過他的演繹,這才讓我領悟到,原來這位千古偉人諸葛亮,其實與我們之間的距離並非太遠,從前藉由不論讀史書也好,讀小說也罷了解諸葛亮,深覺諸葛亮是神,而非人也,但透過陸毅演繹出孔明的喜怒哀樂,這才驚覺其實這千古偉人也與我們無異也是有血有肉有淚有感情的…也會哭、會笑、會痛,整個很貼近人性的演繹…
話以至此,畢竟新舊版三國各有其所愛,所以也不便多言,唯一不變的是,諸葛亮為國奉獻”鞠躬盡瘁,死而後已”為蜀漢奉獻的一生……!!!!!
(PS…說太多,扯遠了些,不好意思,最後就是要和編者說聲謝謝,感謝製作如此感動人心的視頻,不論看幾次仍然令我為之動容……!!!)

新三國陸毅諸葛亮 出師表 (私心版)よりHuang Angela  さんコメント

日本語訳

長文であるため意訳。

「このMADはいつ見ても涙が出て、編集者の才能が高過ぎるとしか言えない。

(略)

そして陸毅が演じる諸葛亮のスキルは衝撃的。諸葛亮の智恵、道徳、心配、不満、悲しみ、心痛……(などが遮るものなく伝わってくる)。

陸毅の解釈によって、かつて神として遠い人だった諸葛亮が我々とそう遠くない人間であったことを知ることができて驚いた。
彼は肉と血、涙と感情を持っている。泣き、笑い、痛みを感じることができる。人間らしい解釈です。…」

と、陸毅さんの演技を絶賛してらっしゃいます。

 

このコメントを眺めて私も涙してしまいました。

なにより孔明を「天才軍師然とした神がかり人物」として描かなったこのドラマに怒ることなく、情けなくても人間らしい演義をした陸毅孔明を称えたことに感動しました。

それと華人は才能だけを称賛するわけではないことに驚きました。人格面、心のほうを重視している。

やはり近年の華人は、心と感性が飛びぬけているなと感じて嬉しく思います。

 

こんな素晴らしいコメントを書き込んでくださってありがとうございます、Huang Angelaさん。
人に、華人に絶望せずに済む。多謝…!