もしも華人が新たな国旗を掲げるなら(華夏にふさわしいデザインとは)

もう一点、メールでいただいたご質問への回答です。

ざっくばらんな雑談として書きました。

〔本文の前にお知らせ。前記事は投稿後、夜に修正しています。社会民主主義という用語の歴史背景について、ちょっと適当過ぎる解説をしてしまったなと反省し追記しました。修正前に読まれた方はご確認ください〕

 

ご質問

メール主さんは「ポーランドボール」というネットミームにはまっているとのことで、国旗について考えることが増えたとか。

それで、中国の旗についてご質問です。

今の中国の「五星紅旗」って中華版ソビエト旗なんじゃないかって思うんですよね。その旗が「中華ソビエト国」を表すのはわかるんですが「華夏」を表すのはいただけないな、と思うんですよ。そこでkeiさんは文化圏としての中国の正しい国旗ってなんだと思いますか? また反共華人が掲げている旗のデザインがあったりしますか。また青天白日満地紅旗(現中華民国旗)についてkeiさんと大陸華人はそれぞれどのような印象を抱かれているでしょうか。分かっている範囲で答えて頂けると嬉しいです。

ポーランドボール」なるもの、筆者は存じ上げず調べてみました。

…なるほど。国の擬人化ならぬ“擬球化”ですか。欧州発祥だそうで、皮肉が効いて面白そうですね。ぬいぐるみまで売られている。ぬいぐるみは可愛いけど著作権クリアしているのかなと心配になったり。

ヤフーショッピングより

しかし良くも悪くも欧州センスという感じですね 😅

特に東アジアや中華圏については偏見あるのかなと思いました。またはあまり詳しくない人たちが語り合っているらしい。

 

中国の旗が華夏を象徴する!?

>今の中国の「五星紅旗」って中華版ソビエト旗なんじゃないか

全くその通りですよ! 中華人民共和国はソヴィエトのコピーにすぎませんから。

参考画像。

ソヴィエト国旗:

中国国旗:

 

>「中華ソビエト国」を表すのはわかるんですが「華夏」を表すのはいただけないな

え、、

華夏を表す??

欧州悪魔崇拝が生んだ盗賊である中国共産党の旗が、「華夏」を表すとは。被害者と加害者の反転、嘘にも程がある。古代漢人から見れば最大級の侮辱です。

おそらくそれは欧米発、台湾~香港の民族主義者による中華ヘイトで拡散されているイメージでしょう。

中華民族(漢民族)イコール中国共産党というイメージ。

「中共が残虐なのは古代からの中華民族のDNAのせいである。漢民族は大昔から中華思想によって他民族を蹂躙支配し、ジェノサイドしてきた」と言って被害者の中華民族に罪をなすりつける、あの反転捏造史です。

史実は正反対で、ジェノサイドされたのは漢民族であるのに。

 

「中華思想」の嘘を暴く。漢民族は恐怖の侵略民族だった!?

そう、この捏造史をばらまいているのも台湾・香港の共産主義者。台本を書いたのは欧米の社会民主主義者たちだと思われます。

中華圏で民族紛争の種をまくこの者たちの正体は未だ判然としませんが、被害者と加害者を反転させるこの手法は欧州悪魔主義(無神論者、唯物論者。共産社会主義の源流)に特有のものです。

 

――と、話が逸れました。失礼。国旗の話でしたね。

 

中華の文化を反映した正しい国旗

>keiさんは文化圏としての中国の正しい国旗ってなんだと思いますか?

うーん。難しいご質問。

既にある国旗のなかから「正しい中華」を表す旗を探すのは不可能です。台湾の国旗は違和感がありますし。

五色旗(旧中華民国の国旗。中華の五民族を表す)でも反発が多いでしょう。

新たに考えるとしても、各所に埋まっているイデオロギーの地雷を踏まないようにと注意すれば何も浮かばなくなりますね。

おそらく華人は“華”を描きたがると思いますが、それだと社会主義のシンボルみたいになってしまいますし中華思想の悪いイメージもあります。難しい。

 

細かいことを考えずに私が純粋に個人としての願望を書くなら、「漢」の字を掲げていただけると古代国家が蘇ったように感じて嬉しく思ってしまうかもしれません。

Wikipediaパブリックドメインより

これは劉邦が建てた漢をイメージできるという下心?から述べるのですが、現実に未だ華人たちは自らのことを漢民族と称していますし、近代人の孫文までも「漢王朝復興」などと唱えています。漢の物語や文化が受け継がれた長大な歴史を考えても、華人の心の祖国は今も“漢”ではないのかと想像しています。実際に古代の漢民族のDNAは滅んでいたとしても、文化が受け継がれたために漢が生きていると感じる。

こんな夢を政治家などが語れば、多様性が声高に叫ばれる現代では「漢民族だけの旗を掲げるなー! 他の民族を無視するなー!」などと言われ騒ぎとなるのでしょう。しかし単純に中華文化を表すという前提なら妥当ではないかと思います。

(あるいは近い将来、ソヴィエトのように中国が崩壊すれば今よりもっと小さな領土の国家となるはず。その際、周辺の少数民族の土地が切り離され、古代の漢と同じ程度の領土となり多民族国家のイメージが弱まる可能性がある。その後なら妥当)

 

文字を国旗にすることについて。

古来、中華では国を表す文字を旗に掲げてきました。現代で文字を国旗にするのは難しいのですが、もともと漢字は図形ですから外国人が見てもあまり違和感はないかと。

漢字そのもので記すのがまずいなら、代わりに河を描くのもいいでしょう。“漢”は特定の河川の名、しかし文明を生んだ黄河・長江などの大河もイメージされます。

また“漢”は天の川や銀河も意味していますから、天の川をモチーフにデザインすれば美しくなる。星読みで社会のあらゆる活動が成り立っていた古代中華もイメージできますね。

 

もし河が洪水などを表して不吉だと言われたならば、暗喩として“龍”を描き大河を表せばいいかもしれない。

ドラゴンの国旗は清王朝を思い出させてしまって反発があるかもしれませんが、龍は古来中華の神獣ですし、中華圏を表すには相応しいと思います。ブータンとかぶっていても、図柄を変えれば問題はないでしょう。

 

それと“漢”や“大河”の文字にあるサンズイ、水のシンボルである“龍”などは、赤を剋すという意味も含ませることができます。

赤、すなわち共産主義という悪魔が蘇ることのないよう五行で封じてしまう。

共産主義を倒すための「水革命」を意味することもできます。

【五行思想に基づく願掛け】

「蒼天すでに死す」の意味とは? 蒼を漢王朝と訳すのは間違い

(古代漢王朝が火徳で赤だったので矛盾しているようですが、現代は違う時代なので別の意味を持たせることは可能。サンズイで水徳の意味を強調すれば赤を剋することができる)

 

ただし現状で「漢」を掲げると中国共産党に侵略イデオロギーとして悪用されてしまうでしょう。

もっと悪い想定は、水徳で反共の意味を含ませていると共産主義者らに察知されてしまうこと。そうなれば「漢」という字を使うことそのものが禁止され、古代漢王朝の歴史も抹消されしまうかもしれない……。

幼子のような夢をもって「漢」の字を旗に掲げることができるとすれば、それは共産賊が征伐されて中華にまともな国家が生まれて以降になるでしょう。

 

あと、最後にちらっと浮かびましたが北極星と北斗七星など、古代の星座を描くのも中華らしくて良いかもしれません。

これは単にデザインの美しさだけで想像してみました。

濃紺に星座が描かれれば美しい国旗となるはず。

 

このようにイデオロギーの地雷など避ける必要もなく、無邪気に好きなシンボルを国旗に掲げることができるほど中華圏が自由になればいいのにと思います。

 

反共華人が掲げる旗

>反共華人が掲げている旗のデザインがあったりしますか。

汪兆銘の旗みたいな? あれが今も掲げられているかどうか知らないですし、似たような旗も知りません。

汪兆銘政権の旗

まず現代の大陸在住の反共者が何か旗などを掲げているか、私は存じ上げません。おそらく旗っぽいものを掲げることは不可能でしょう。見たのは昨年末の抗議デモで掲げられた“白紙”くらいでしょうか。

外国に住む華人については新たなデザインの国旗を掲げていると聴いたことがあります。確か以前、大陸からの亡命者が「民主主義の統一中華」(この名称は正確ではありません)を表す国旗を造り掲げていた……と思います。これが今検索すると見つかりません。検索システムからも削除されたのか。逆に何かご存知でしたら教えてください。

 

もっとも、「統一中華」は漢民族ヘイトで中華文化を憎悪している台湾・香港の人たちから拒絶されており、「あれは中共のスパイによる罠だ」などという噂も流されていたので根付くのは難しいと思いますね。

私が思うに東アジアの自由主義者が同じ志で信じ合い、一致団結しなければ共産主義という巨大な敵には勝てないのですが、嘘の歴史を妄信する諸夏主義者たちには無理らしい。

どうやら東アジア人をバラバラにして民族紛争に陥らせ、無力化する謀略がばらまかれているようです。“離間の計”の大規模バージョンですね。おそらく地上で最後に残った共産主義の大国を消滅させまいとする勢力による謀略でしょう。これにも欧米左翼の影が見えます。

 

青天白日満地紅旗の印象

>青天白日満地紅旗(現中華民国旗)についてkeiさんと大陸華人はそれぞれどのような印象を抱かれているでしょうか。

中華民国の国旗について大陸華人に尋ねたことはないので分かりませんが……推測するにあまり良い印象は持っていないでしょう。

かつて共産党と戦ったはずの国民党が、何故か近年ではものすごく親中派となっているので公然とは敵対しなくなった印象です。李登輝総統を日本に招いただけで反日暴動が起きた昔を知る世代としては、不自然と感じます。

青天白日満地紅旗を国旗にしようと推していた孫文について華人に尋ねても、微妙な反応ですね。

彼は思想的にどっちつかず――革命家でありながら民族主義的だったり、儒家の伝統主義者であったり、それでいて共産主義を容認したりで一貫性がなかった――だったため評価が難しいのではと思います。特に大陸人は孫文をどのように評価しても地雷を踏むことになりそうで、言葉を濁すしかないのでは。

 

私が青天白日(満地紅)旗についてどのような印象を抱いているか?

これは上でも書きましたが、違和感を抱いています。青天白日の文化的な問題です。中華圏で太陽をシンボルとするのはピンときません。

日本の国旗とかぶるのが引っかかるのです。いえ、別にかぶること自体に問題はないのですが、「中華で太陽を国旗に掲げるほどの歴史的エピソードが何かありましたっけ?」と思ってしまいます。「日出ずる国」に相当するような。

12の光線も「12宮を表して永遠を象徴した」とのことですが、それならば北極星などを描いたほうが中華らしいのではないでしょうか。動かない北極星は永遠の象徴です。

まあ、北極星は皇帝も意味していますので革命軍の国としては無理だったかな。

 

このように考えてくると中華民国の旗のもとで華人が集まるのも難しいでしょう。

“漢”でも龍でも北極星でもいいのですが、もしも華人が新しく自由な国を建てたいと望むなら、華夏文化を反映した新たなデザインが必要です。

 

夢想でした…

ここまで書いてきて何ですが最後に気付きました。

外国人である私には何の権利もないのに、中華の国旗デザインなどをあれこれ考えるのもおかしなことだったと。

“阿呆な日本人め、他人の国の国旗についてとやかく言うな”と怒られそう。あくまでも夢想の願望を書いているだけですからご容赦ください。

微かな希望を申し上げれば、自由の国を得た未来の華人たちが参考にしていただけると幸いです。