洗脳とは何か? 価値観を破壊する洗脳から身を守る方法

先日の記事で「日本では今、外国の教育機関による洗脳が密かに行われている」と書きました。

先日の記事:

孔子学院とは何か? 古典書き替えでベースから洗脳教育、スパイ養成機関

その学校で行われている教育とは、古典改ざんによって文化を破壊し、人の価値観を根底から書き換えてしまうというもの。道徳の否定、善悪の逆転、「虐殺は正義」と信じさせる刷り込み教育が行われています。

これは言わばOSの書き替え、本格的な思想刷り込みを行うために行うプレ洗脳です。

今のところ暴力や脅迫をともなわない緩やかな方法で行われているため分かりづらく、かえってやっかいな洗脳と言えます。

 

当記事ではこのように危険な洗脳からあなたやお子さんを守るため、「洗脳とは何か?」という基礎から解説していきます。

最後に、洗脳から身を守るために皆で行うべき“免疫”の高め方をご提言します。

 

Contents

洗脳って何? 英語“brainwashing”の由来は共産主義!

「洗脳」という言葉を聞くと、カルト宗教やスピリチュアルだけに限定されたものだとイメージする人が多いでしょう。

自分は宗教やスピリチュアルなんか信じるようなバカではないから洗脳されることはない、と安心している方は多いはず。

しかしそのイメージは、メディアが長年にわたり人々の脳に植え付けてきたものです。「宗教・スピリチュアルだけが悪である」というプロパガンダに騙されていたと言えますね。これも一種の洗脳。

事実を言えば、「洗脳」とは本来、共産主義への思想改造を意味する言葉でした。そもそも共産主義者の行いから生まれた言葉なのです。

まずこの言葉が生まれた歴史背景から見ていきましょう。

「洗脳」は中国共産党員が使っていた用語だった

1950年に勃発した朝鮮戦争は、民主主義(アメリカ)と共産主義(中国・ソ連)の代理戦争でした。

共産主義を掲げる北朝鮮を支援するために中国共産党の人民軍が参戦。朝鮮半島で中国軍VSアメリカ軍の激しい戦いが繰り広げられました。日本人もアメリカ軍を援護するため半島へ駆り出されています。

このとき中国軍に捕らえられたアメリカ人や日本人が、解放されたあとに全員「自分は共産主義者だ」と名乗ったことで凄惨な思想改造が行われた事実が発覚しました。

中国共産党は、収容所で肉体的暴力や精神的暴力を加え続けることによって、捕虜たちを強制的に共産主義者へ改造してしまったのです。

この思想改造のことを中国共産党員たちが「洗脳」と呼んでいました。それをアメリカ人ジャーナリストが著書のなかで“brainwashing”と直訳して書いたのが始まりです。

日本ではその英語からの直訳で「洗脳」と訳されました。結果、原語に戻る…という奇妙な経緯ですが。

ともかく、かつて「洗脳」とは共産主義への思想改造を指す言葉だった、というのが歴史事実です。

だからイメージとして「洗脳=カルト宗教・スピリチュアル」と思い浮かべるよりも、「洗脳=共産主義」と思ったほうが歴史事実としては正しくなります。もちろん共産主義もカルト宗教の一種ですし、カルト宗教のほうも共産主義から洗脳手法を学んで実行していますので、前者を思い浮かべても間違いではないのですが。ただ「宗教だけ、スピリチュアルだけがヤバい(それらさえ避ければ安心)」というイメージを持つのは非常に危険な誤りだということは言えます。

共産主義者が行う洗脳技術

では、中国共産党はアメリカ兵たちへどのような洗脳を行ったのか? 具体的に見ていきましょう。

〔注!〕ショッキングな内容となります。今、精神が弱っている方は健康になってから読んでください。また、ここに書かれた手法を加害者として悪用するのは絶対にやめてください。あくまでも被害者が「これは洗脳手法なのだ」と気付くために書きます。

1.隔離と拷問、精神攻撃

まずは拘束して隔離し、情報を遮断した状態で長期の拷問や集団レイプなどを実行します。または睡眠を与えず、言葉の暴力を浴びせ続けます。

これは自尊心を破壊し、精神を衰弱させて思考を鈍らせるためです。コントロールしやすくして思想を刷り込むための準備です。

脳を物理的に改造する目的でもあります。現実に拷問を受けて亡くなった人を解剖すると、恐怖によって脳が委縮し思考が困難となっていたことが分かるそうです。

脳にダメージを与えるためには身体的な拷問だけではなく、薬物が用いられることもあります。

2.自己批判、罪の告白の「勉強会」

拷問で心身ともに衰弱しコントロールしやすくなった被害者を「生徒」と呼び、「勉強会」と呼ばれる集団での洗脳部屋に集めます。

ここで「生徒」たちはお互いの罪を告白するよう強要されます。この勉強会での“罪”とは民主主義者であること・個人の考えを持っていること、すなわち共産主義者ではないことを指します。

また、それまでの価値観について全員から「あなたは間違っている」と全面否定されます。

一個人として培ってきた人格個性、経験、文化、道徳観念――すべてを徹底的に破壊されゼロにされるわけです。

国家社会でも転覆させるときに共産主義者たちは文化破壊から始めます。それと同じで、価値観の破壊によって“対人間暴力革命”である洗脳を行おうとするのです。

人格を否定され価値観を破壊され、ゼロとなった脳へ新たな思想(ここでは共産主義)を刷り込みます。明らかに理屈の通らない歪んだ結論であっても、受け入れて賛同するまでこの「討論」という名の拷問は終わりません。

 

3.批判と称賛を繰りかえす

そんな「勉強会」の際、生徒たちは批判と称賛をシーソーのように浴び続けることになります。

党が間違っていると決めた発言をした場合は吊るしあげられて批判され、逆に正しいとされる答えを選んだ場合には熱狂的に称賛されます。

激しい恐怖と安心の心理状態を行き来する人の精神は壊れていき、指示されることへ完全に依存するようになります。

これはDV被害の人も依存すると言われている「アメと鞭」による奴隷化手法です。

そのようにして人格・思想は完全に書き換えられます。

「生徒」たちはただ一つの善=共産思想を信じるよう強要され、それ以外のすべての思想や個人の考えは「悪」と刷り込まれ、信じるようになっていきます。

 

4.解放。ロボットとして生きる屍へ

この段階ではすでに元々持っていた価値観も、人格さえも失っています。

最終的に「生徒」たちは意志を失ったコピーロボットとなり、全員が共産主義者へ“転向”します。

と言うより転向しなければ殺処分(死刑)されることになりますので、学校の卒業生たちは100%高品質な共産主義ロボットとして出荷されるのだと言えるでしょう。

転向すると激しく称賛され、また拘束からも解放されますので被害者は共産主義者へ転向したことを喜びと感じ、誇りにさえ思うようになります。

以降は脱洗脳の治療を受けて成功しない限り、人間としての思考を持たないロボットとしての生を送ることになります。共産党の命令によってどのような残虐な殺戮でも平然と行うようになります。

 

これが共産主義集団による、人間をロボット化する洗脳技術です。

事実として脳から改変してしまうために「外科手術を用いないロボトミー※手術」と呼ばれることがあります。

※ロボトミーとは

人間の脳から前頭葉という人格や知性に関わる箇所を切り取る手術。かつて精神疾患の治療として行われていたが、人格を奪うという非人道的な手法に批判が噴出し、現在ではほとんどの国で禁止されている。

 

この洗脳技術はどこから来たのか?

ネットの反中界隈でよく宣伝されている、

「洗脳の技術は古代中国人が発明した。残虐な発想を持っているのは世界中で中国人だけ。だから中国民族だけが世界で唯一、残虐な民族なのだ!!」

という話は完全なる嘘です。

古代中国でも、西洋と同じく拷問や強要などが行われていたことは事実でしょう。しかし古代中国に現代共産主義のようなシステム的に確立された洗脳技法があったなどと私は聞いたことがありません。そもそも、「罪の告白を強要」して洗脳するという発想が東洋文化にはありませんね。

事実を言えば、中国共産党の洗脳技術はソヴィエト共産党※からそのまま輸入しただけのものです。

※ソヴィエト共産党:現在のロシアはかつて「ソヴィエト(ソビエト)連邦」という社会主義国だった。1950年代頃までは世界の共産主義者の中枢組織として、中国共産党もコントロールしていた

 

ではソヴィエトがどのようにして洗脳技術を開発したのかと言うと、キリスト教の伝道活動(異教徒へ拷問して強制的に改宗させた)が大元です。これに19世紀頃に欧州で流行した心理学を組み合わせているものと考えられています。

前項の具体的手法を見れば分かる通り、「罪の告白を強要」するのはキリスト教の「懺悔(ざんげ)」に同じ。自分が罪を持つ卑しい者だという自己否定から始め、人格を否定することで信者=民を“羊”と呼ぶ奴隷に生まれ変わらせる手法です。

これこそ共産主義がキリスト教の転化で生まれたものであり、共産主義の正体は一神教(キリスト教≒ユダヤ教)であることの明白な痕跡でしょう。

詳細解説:

共産主義が生まれた歴史と、カルト思想との戦い方【共産社会主義の分析2構造】

現代でもウイグル人・香港人・自国民に対して洗脳が行われている

非常に恐ろしい悪魔のような洗脳手法。SFのようで信じられないかもしれませんが、現代でも中国共産党は人民の統治のためにこの手法を堂々と用いています。

ウイグルでは収容所が造られ、公然と監禁・拷問・集団レイプ、洗脳教育が行われていることは有名です。

香港でも、2019年以降のデモで逮捕された人々はウイグル人と同じように拷問やレイプ、精神的暴力による思想改造を強要されたと報じられています。

参考リンク

別サイトです。

「袋被せられ殴られた」中国当局の拷問や脅迫、香港民主活動家が証言

中国政府、ウイグル人を収容所で「洗脳」 公文書が流出

オウム真理教などは共産主義者を模倣しただけ

かつて日本には、電車内でサリンをばらまき大量の死傷者を出すというテロ事件を起こした「オウム真理教」というカルト宗教がありました。(今も名を変えて存在していますので注意)

その宗教施設内で、リンチによる殺人や監禁・拷問を使った洗脳が行われていたことが報道されて世間に衝撃を与えました。

このイメージが強いので、「リンチ=カルト宗教が行うもの」「洗脳=カルト宗教・スピリチュアルの専売特許」と多くの日本人が信じています。

しかしこのイメージは冒頭で書いた通り、マスメディアが宣伝して人々の脳へ植え付けたもの。そのマスメディアは、日本の場合ほとんど全て左翼(共産主義者)が運営しています。

「諸悪の根源は宗教」「危険なのはカルト宗教だけ」で、「我々共産主義は安心安全」とイメージ付けするためのプロパガンダを行っているのです。

たとえばジャーナリストの江川紹子氏はオウム真理教を批判したことで有名になり、今も宗教批判の筆頭となっていますが、実は共産主義者です。

彼女は「カルト宗教の洗脳に気を付けて!」と正議の味方のような顔をして叫びながら、その「洗脳」の大元となった共産主義者による膨大な犯罪に言及することは一切ありません。また、ご自身が熱烈に支持している日本共産党によるリンチ事件、洗脳事件に関しては「無かったこと」として正当化しています。参照(別サイト)

これが共産主義者のダブル・シンク(二重思考)の典型です。

他者の犯罪は批判するが、それと同じかそれ以上に悪質な自分たちの犯罪は「正義だ」と主張して正当化する。信じがたいご都合主義で正反対の主張を平気で行う、これがダブル・シンク。まさに悪魔のカルト思想と言えるでしょう。

カルト宗教などが悪質であることは確かで、絶対に近寄ってはならないと私も言っていますが、世界一悪質なカルト集団である共産主義に比べたらまだ可愛いものだとすら言えます。彼らは共産主義者の洗脳手法を真似しているだけだからです。たとえばオウム信者は北朝鮮やロシアと深い関係にありました。信者を獲得するための洗脳手法で共産主義から学んだところは多分にあると思います。

だからカルト宗教やスピリチュアルセミナー、自己啓発セミナーに気を付けるだけではなく、共産主義・左翼団体には最大に注意してください。決して自ら左翼活動※に近付いてはなりません。

※左翼活動

名前を変えたオウム真理教同様、現代の共産主義団体も名前を変えて分かりづらくして若者を誘っています。

現代における左翼活動には、たとえば次のようなものがあります。魅力的なテーマばかりですが団体には近付かないように。平和や人権を訴えたいなら、自ら単独で行いましょう。

・原発反対運動

・BLM(ブラックライブズマター)運動

・ジェンダー、フェミニズム運動

・平和護憲運動

洗脳手法を描いた名著

このような共産主義による洗脳手法をリアルに描いた世界的名著が、当ブログでも何度か紹介してきたオーウェル『1984年』です。

現代の基本書ですので未読の方はぜひ。

全体主義に支配されたディストピアと、えぐい洗脳体験を小説というバーチャルで経験でき、共産思想がどれほど恐ろしいか感じられるのではと思います。

(お手数ですがご自身で検索お願いします)

 

マインドコントロールは洗脳と同じ力を持つ

洗脳と似た言葉に「マインドコントロール」があります。

その語感からどこかマイルドで弱いものというイメージを感じますね。

確かに、洗脳が「肉体的・精神的暴力による脅迫を経た思想改造」と定義されるのと違い、マインドコントロールには脅迫がありません。

しかし、脅迫が無いからといって“安心安全”というわけではないのでどうか気を付けてください。

マインドコントロールを受けた人は脅迫がないぶん、自分の意志で学び受け入れたと勘違いしてしまうので信じる力も強固となります。

脅迫が無くても根底から価値観を変えられ、思想改造されるということでは洗脳と同じ。

どちらも人間の意志を奪う暴力です。

 

短期で行われる専門的マインドコントロール

マインドコントロールには状況に応じて様々な手法があります。

共産主義を含むカルト系の組織団体では、冒頭で解説した「洗脳」と同じように隔離して情報遮断→自己批判させて自信喪失させる、精神衰弱させる→集団による同調圧力で捻じ曲げた結論へ誘導する、という思想改造がシステム的に行われます。

洗脳と違うのは必ずしも絶対に逃げられない監禁状態に置くわけではないこと(軟禁によって自ら修行のために篭もっているのだと錯覚させる)、肉体的暴力が無いという点くらいでしょうか。

 

長期で行われる「教育的」マインドコントロール

カルチャースクールのような一見安全に見える教室で、長期にわたる教育を行うことで少しずつ価値観を変化させていく手法です。

自ら進んでその場所へ通い続けることで結論を自分の意志で選択したと錯覚する、長期間にゆっくりと価値観をすり替えられるので本来の意志に反することでも容易に信じ込みやすい、教室を出てからもマインドコントロールが半永久的に続く……等々の恐ろしい効果があります。

多くのカルト系自己啓発セミナーや、“ヨガ教室”などでカモフラージュされたカルト宗教はこの手法を使って信者を獲得しています。なお、信者として入会した後に監禁・リンチをともなう強固な洗脳を行ったのが前出オウム真理教です。

最近では、オンラインサロンを使ってカルトへの誘導が行われているようなので気を付けましょう。少しでも違和感を覚えるものには近付かないことです。

孔子学院の「教育」が意味するもの

先日書いた孔子学院で行われている「教育」はこの長期マインドコントロールに該当するものだと思います。

ただし、孔子学院では古典を改ざんし、根底の「道徳」という集団的な価値観から書き換えようとしている点、アメリカ兵へ行った肉体的暴力による第一段階の洗脳に限りなく近いものと言えます。

長期に緩やかに行う価値観の書き替えは、脅迫をともなう洗脳と同等かそれ以上の効果を持ち、成功すればどのような人類の本能に反する思想でも一瞬で刷り込みロボット化することができます。

露見する可能性が低いので、孔子学院のように敵国での洗脳活動で使うには便利な手法だろうと思います。

侵略する側から見ればおそらく、時間は必要ですがリスクが低くて確実性の高い優れた手法であるのです。中国共産党の洗脳技術は朝鮮戦争時代から飛躍的に進歩し、巧妙かつ悪質化したのだと言えるでしょう。

(もっとも、外国権力が届かない場では未だに昔ながらのリンチ洗脳を行っているようですが。ウイグルや香港など)

 

メディアのプロパガンダ、私的なマインドコントロール等々

他に。

メディアによる宣伝も「プロパガンダ」と言ってマインドコントロールの一種です。これには単なる商品広告などと、政治目的を持った悪質なプロパガンダとがあります。現在日本で行われているようなメディア報道は「政治目的を持った悪質なプロパガンダ」のほうでしょう。

また、個人でも無意識にマインドコントロールの技術を用いて他者を支配して利用する者がいるようです。あるいは、中小ブラック企業などが行っている社員の支配もマインドコントロールに当たると言えます。

 

洗脳・マインドコントロールから抜け出すにはどうすれば?

洗脳・マインドコントロールから抜け出して元の人格を取り戻すにはどうすれば良いのでしょうか?

残念ながらこの答えは心理学のプロでも難しいと仰います。ヒントだけメモしてみましょう。

洗脳で脳が委縮した場合は治療するのが難しい

恐怖による洗脳を受けた人は、元の人格を完全に取り戻すことはもしかしたら不可能なのかもしれません。何故なら脳が委縮するなどして物理的に変わっているからです。

ただ交通事故で脳の一部を失った人でさえ、リハビリで元に近い状態にまで治ることがあります。精神医学、脳医学の専門家に直接ご相談ください。

脱マインドコントロールには手法がある

いっぽう、脳が委縮するまでには重症化していないマインドコントロールの場合は脱け出す手法が提唱されています。

決して簡単ではありませんが、専門家の指導のもとで行えば元の生活を取り戻すことができる可能性があるでしょう。

当方は脱マインドコントロールの専門家ではありませんので、ここからは専門的な話をされているサイト様へのリンクで学ばれてください。

※検索で見つけたサイト様への勝手なリンクです。当方のアフィリエイトではありません

マインドコントロールの解き方

実体験からわかったマインドコントロールの解き方!

 

自ら洗脳されないこと! 洗脳から身を守る免疫を持とう

〔以下、便宜上「洗脳」と「マインドコントロール」を同じ意味とし、「洗脳」とまとめて書きます〕

脱洗脳の技術もあるとはいえ、当然ながら100%可能というわけではありません。

世の中にはカルトに洗脳されたまま目覚めることができず、二度と昔の生活を取り戻せなくなってしまった人がたくさんいます。

さらに、生まれた瞬間からずっと全体主義支配のディストピアのなかで生きている人たちもいます。自分で考えることが許されず、自由な言論も一切できずに一生を強固な洗脳のなかで過ごす。それは当初、自らカルト思想に洗脳された人々が国家を破壊して造り上げた地獄世界です。

自分の国をそんな地獄へ導かないように。その前に、自分自身が地獄へ堕ちないように。

大切なのは、自分から洗脳の罠に近付かない人間になることです。

つまり一人一人が洗脳に対する免疫を高める必要があります

では、“洗脳に対する免疫を高める”にはどうすれば良いか?

洗脳状態にある人々や国を分析すると、次のような点が欠如していることが分かります。逆に言えば、これらの力を伸ばせば付け入る隙がなくなり、洗脳から身を守ることができるということです。

(ただし運悪くカルト集団に捕まり暴力を受けてしまえば、個人の免疫だけではさすがに抵抗できません。だからそのようなカルト集団が歩き回ることができないように、社会全体で集団免疫を付けるよう教育の質を高めていくことが必要だという話です。現実の暴力による侵略を防ぐための警察力・軍事力を高めることも必要でしょう)

基礎的な読解力の訓練をする

まず、幼い頃からしっかりと基礎の学習を行うことが重要。基礎的な学習は、自分で考えるための力として最低限必要なものだからです。

特に読み書きの訓練、そのなかでも読解力の訓練が重要と言えるでしょう。

「国語力が低い子供はいじめっ子になりやすい」との報告もあります。(尾木氏の経験則ですが当たっていると思います)

尾木氏は「国語が苦手な人は、実践的なデータを見ても、圧倒的にいじめっ子になりやすいんです。こちらがどれだけ説明しても、被害者の気持ちになることができない。こういう子は国語の作文能力とか作者の気持ちを読み取る読解能力とか、そういう能力がものすごく下手なんです。100%じゃないですけど、非常にその可能性が高い」と国語力は他者への共感力と捉えることができ、その能力が低い人はいじめを起こす傾向が高いと説明した。

https://www.npn.co.jp/article/detail/29715151/

“共感力”とは相手の心を読み取る能力です。

なんとなく相手の話に違和感があると感じる、矛盾に気付くという能力も、やはり幼い頃から積み重ねた読解力で磨かれると言えます。

できれば本(思想書などではなくて小説)を読むのが良いですが、読書が苦手だとしても大丈夫。映画などの物語を愉しんだり、「友達の話をよく聞く」という訓練を重ねれば同じ能力が磨かれると思います。

偏差値の高い人がカルト思想にはまって犯罪に手を染めることよくがあります。これは幼い頃から一方的に与えられる教育を鵜呑みにしてきただけだからでしょう。テキストを読んで覚える・期待された回答をテスト用紙に書く教育を繰り返すだけでは、読解力は全く身に付かないどころか洗脳される癖がつくだけです。

記憶よりも“理解”に焦点を当てた教育が必要です。

(要注意:“議論”ではありません。“理解”です。今、日本でも小学校のときから議論の手法を教える教育改革が行われています。これは実はとても危険なこと。理解なき議論というものは容易にコントロールできます。昔から教師など指導者が予め用意した答えへ全員を導く、「議論」に見せかけた洗脳が用いられてきました。たとえば冒頭の中国共産党は「議論」と呼ぶ詭弁の吊るし上げで人民を洗脳しています。「総括!総括!」と叫んでリンチ処刑した人たちも同様に詭弁での議論が得意でした。要するに子供へ“議論”の手法だけ教え込むのは共産教育です。子供たちには詭弁の手法を教えてはならず、先に独自で考えることができる理解力を訓練しなければいけません)

 

俯瞰思考を鍛える

ここで言う俯瞰思考とは、俗で使われている「目的のためなら手段を択ばず」「一部を犠牲にして大きな利益を得る」という意味ではありません。

最近よく聴く「抽象化思考」に近いのかなと思います。(下動画参照)

身に付ける方法としては、前項の「読解力を磨く」からさらにステップアップした状態で、思考を言語化し客観的に眺める力を高めます。

そうなると情報の全体を眺め、“ポイント”をつかむことができるようになります。情報を3Dで眺める……すなわち正しい意味での俯瞰思考ができるようになる。実は俯瞰思考とは「目的のためなら手段を~」などというボンヤリしたことわざ的なものではなく、けっこう具体的で技術的な思考法なのです。

たとえるならグーグルマップを引きで観たり、地上に降りるように細部を観たり。どの情報とどの情報が繋がっているかという構成が分かっているので、全体でも細部でも自在に眺めることができます。

なんだか難しいことを言っているようですが、基礎は簡単。あとは訓練だけです。

この俯瞰思考ができるようになると、思考停止を防ぐことができて洗脳されなくなるそうです。情報を客観的に眺めることができて、視野も広くなるので当然ですかね。

参考:

 

情操教育に力を入れる

人民を奴隷化したい共産国が真っ先に行うのは、音楽・芸術・感動を呼ぶ物語などを教える「情操教育の禁止」です。

何故そのようなことをするかと言うと、感情や創造性がある限り人を思い通りにコントロールすることが不可能になるからです。

脳科学的に言ってもこのことは理にかなっていて、人の脳で感情に関わる扁桃体を弱らせることによって、平気で嘘をつきどのような残酷な拷問でも行えるサイコパスを後天的に作り出すことができます。

サイコパスの脳科学的分析:

曹操はサイコパスだった! 現代の脳科学・精神医学で裏付けられる人格障がい

だから、人間を人間たらしめている感情は決して失ってはなりません。怒りなどを“自制”してコントロールすることは構いませんが、人を傷つけることで痛みを覚える本能を決して棄ててはならないのです。

これは正義感(義)の発信元となる本能でもあります。

もし義という感情を棄ててしまえば獣化※へまっしぐらです。人間であることをやめた共産主義者と同じように、親でも子でもお互いの内臓をおいしそうに貪り喰う鬼になるでしょう。

※カルト思想に染まって倫理観を失い残虐化する状態を「獣化」と呼びますが、正確に言えば“獣”と呼ばれる人間以外の動物のほうが痛みを感じ、赤ん坊など弱い者を思いやる心を持ちます。これは感情をつかさどる扁桃体や辺縁系が動物のほうが優位だからでしょうか。より本能に近い部分ではありますが、この古い本能を失ってしまえばロボットと同じ。ただの殺戮マシーンとして動物以下の“物”へ成り下がることになります。

 

自己肯定感を高める

〔10/17追記〕

一般的には「自己肯定感が低い人」がカルトに洗脳されやすいと言われています。

自分に自信がない、生きる意味を見い出せないなど、心にぽっかり穴が開いた状態の人にカルトは狙いを定めて近付き「自己肯定感」「生きる意味」の代わりとなる歪んだ理想を与えます。

孤独のなかで認められることや理想的な目標に飢えていた人々は、差し出される手を救いだと勘違いして縋りついてしまうでしょう。実際、カルトの指導者たちはそのような人々へ「私だけがあなたを救うことができます」「この理想だけが世界を救うことができます」…等々と選択肢のない“救済”を強調して心に入り込み、穴を埋めて支配していきます。

冒頭で解説した通り、洗脳とは暴力などで自尊心を破壊して心を空洞にすることから始めるもの。ですが、この自尊心が最初から無い人はステップを省けますので獲物として理想的なのです。鍵のかけられていない豪邸も同然、泥棒に狙われて当然です。

このような狙われやすい人に育つことを防ぐには、子育ての段階で親が子へ手放しの愛情を与え、揺るぎない「自己肯定感」を養う必要があります。

しかし、全ての親がそんな生物として当たり前の子育てができるとは限りません。不幸にも幼少期に親から虐待を受けたり承認されることなく育つ人もいます。

そのような人は大人になってからでも遅くないので、自己肯定感を高める訓練をしましょう。

自己肯定感を高めるには様々な方法があります。カルトにつかまらないように注意しながら、日常生活で少しずつ高めていきましょう。「評価など気にせず自分でありのままの自分を認める」という自分軸を持つことが最も大事ですが、他人の評価をうまく活用するというのも良いと思います。

参考リンク(別サイト):

自己肯定感を高める方法とは?今すぐできる習慣やおすすめの本も紹介!

大人の自己肯定感を高めるには 〜ネガティブな自分をうけいれる〜

 

歪んだ向上心、安易な欲を持たない(自分軸で生きる)

〔10/17追記〕

向上心や欲望は、目標に向かうためのエネルギーとなるものです。

だから「向上心が高い」ことは素晴らしい長所となり得るのですが、その向上心を利用されてカルトに囚われ洗脳被害者となってしまう人たちが後を絶ちません。

さらに、向上心の高い人々がカルトに洗脳されると最も強固な信者となり、幹部として新たな被害者を洗脳する指導者となったり、自ら進んで殺人などの犯罪も犯すようになるためやっかいです。

本来の頑張り屋さんなところや、「上位の人に気に入られて出世したい」という欲を悪用されてカルトの優秀なロボットになってしまうのですね。

そのような人々は、始めから向上心の対象が他人軸となって歪んでいたからカモとして狙われたのかもしれません。

「他人を出し抜きたい」「勝ち組となって他人を見下したい」という他者を基準とした競争心が強い人は、手段を選ばずの人になりやすいと言えます。だから、カルトに染まると犯罪でも積極的に行うようになります。

そもそも真の目的が「自分を高める」ところにはなく、「他人に勝ちたい」ということにあるので手段など何でも良いと考えてしまいがち。そのような人々へカルトは的確に「あなただけが優位に立てる魔法」という夢のツール(もちろん偽造)を差し出すのですから、飛びついてしまうのは当然でしょう。

これはよくマンガや小説などで描かれる“悪魔の囁き”というものです。自分の魂を売っても世の中の勝者となりたいか?と囁かれて、容易に魂を売ってしまうタイプです。

悪魔の囁きに導かれず、良いほうへ向上心を使うには自分軸で生きることが必要です。

他人との比較で生きるのではなく、出世や金や名誉を基準とせず、自分自身と向き合って心を磨く。何か自分だけの小さな目標を持ち、一歩でも先へ進むことに喜びを覚える。これが自分軸の生き方。

「無為に生きろ」と言っているようで拝金主義の現代では総攻撃を浴びそうですが、これは金を稼ぐな出世するなという意味ではありません。おそらく金メダルを取るような一流スポーツ選手は自分軸でトレーニングしています。はじめは周りの子と競争していても、最終的には自分に克(か)つためにトレーニングしなければ決して本当の高みへはいけないものです。

嫉妬ばかりしている人は、自分が「向上心」と思い込んでいるものが他人軸の歪んだ欲であると気付くべきです。

そして何よりも、他人が差し出してくれる「裏技」「魔法」に飛びつく安易さも自覚して修正すべきでしょう。他人が用意してくれたファストフードで高みに行けると考える浅はかさが命取りなのです。

出世だけを求める他人軸を「卑しい」と恥じ、自分軸の「克己心」を重視して生きる考え方は、実はかつて東洋で当たり前だった思想。社会全体にそのような東洋思想が浸透すれば、悪魔の囁きで魂を売るようなカルト信者も減るかもしれません。

人間としての道徳心が失われた現代では、悪魔の囁きに乗ることすら「恥」と呼ばれず称賛されています。これも世界を地獄化するためのプレ洗脳。人としての基本を取り戻しましょう。

お奨め:『菜根譚』

※リンクしましたがアフィリエイトではありません。中国古典の「超訳」「ビギナーズ」とタイトルされた本は共産主義者による改変が施されていることがよくあるため、避けてください。古い訳、全訳がお奨めです。

 

価値観を支える文化を保ち続ける

個人の洗脳と、国家の乗っ取りとには共通点があります。

それはどちらも「それまでの根本的な価値観を破壊し」「価値観ゼロとなった隙を狙って洗脳思想で乗っ取り、奴隷化する」ということです。

 

これが“思想(人格)改造”と“国家破壊クーデター”、共通の手法です。

逆の視点から見れば、洗脳したい相手から見て邪魔なのはその人や国を支えている「根本的な価値観」ということになります。既存の価値観が守っている限り、新たな思想には付け入る隙がなく、人格や国家を乗っ取ることができないということです。

人の価値観は概ね、古くから続く文化に含まれる道徳観で養われます。

言わば、文化は城壁のようなもの。なるべく分厚くて高いほうが強い城壁となります。

この“文化道徳”教育を、かんたんに削除されたり改ざんされたりしないように強固に深く浸透させることが必要です。できれば幼い頃から文化教育を行い、文化を身に付けることが必要でしょう。

共産主義者たちは世界中どこでも「伝統的な文化は有害」と叫んで破壊します。

確かに理不尽で有害さをまき散らしている伝統文化もあります。たとえば儒教も完璧に善い思想ではなく、不当な権力にも従うように悪用されることでは欠陥があると言えるでしょう。それでもそのような欠陥を補って余りあるほどの善い面があったからこそ、東洋文化の根幹となったのです。

儒教についてはこちら:

儒教とは何か【中国思想をわかりやすくガイド!1】

このように永く残る文化は自然に育まれた野菜と同じと考えれば正しいでしょう。長期にわたって保たれてきた文化は、我々現代人が想像もしないような栄養素が含まれるようです。その人類にはまだ分析できない栄養素がおそらく人間の精神を養っています。

現代人の浅知恵によって数千年の文化を棄ててしまえば、生きるために重要な心の栄養素も失うことになります。

浅知恵によって文化を破壊することは、共産主義者のように心を退廃させ地獄へ下降することを意味します。

恐ろしいカルトから身を守るため、国家を守るために文化を死守せねばなりません。

特に日本は東アジアで最も古い伝統文化が残された貴重な地。この人類の古典のような伝統文化を決して失ってはなりませんよ。

おそらく、東アジアの多神教は世界をディストピアから救う力を持っています。東アジア文化や日本文化を大切に思う方には、道徳の核心を保ち続けて世界の光明となることを願います。