孔子学院とは何か? 古典書き替えでベースから洗脳教育、スパイ養成機関

孔子学院とは何か? 古典書き替えでベースから洗脳教育、スパイ養成機関

孔子学院を閉鎖したアメリカやカナダ、オーストラリアに続き、最近ようやくフランスでも

孔子学院は中国共産党のスパイ機関。学問の自由を脅かす

という危機意識が高まってきたようです。

孔子学院は「偽りの中国を広めている」=仏報告書

フランス国防省傘下の軍事学校戦略研究所(IRSEM)はこのほど、「中国(共産党)の影響力」と題する報告書を公表した。その一部は、中国政府が孔子学院を通じて海外でプロパガンダを展開し、中国共産党のイデオロギーを広めていると詳述している。

日本の大手メディアはあまり報道することのない孔子学院に関するネガティブ・ニュース。

世界中で閉鎖されている孔子学院について未だ本当のことを知らず、吉沢亮が演じる渋沢栄一に憧れ「論語を学ぶため孔子学院へ入りたい!」などと言っている若い人たちへ。

当記事ではごく簡単に、「孔子学院とは何か」の基礎からご説明していきたいと思います。

 

孔子学院とは何か

孔子学院は、表向き「中国語を学ぶための学校」ということで世界各国に設立されました。

しかし実態は中国共産党の教育を施すプロパガンダ機関です。

このように言うと左翼系のアカウントから「そんなのデマデマ!妄想妄想!」という意見が殺到するのですが、じつは孔子学院が戦略的なプロパガンダ機関であることは、中国共産党も公に宣言していることです。日ごろ中国共産党を「我が中共様」と絶大に崇拝している左派の皆さんが、中共の発言を否定するとは不可解なことですねえ。それこそ妄言と言えるのでは?

参照:

中国共産党は、孔子学院が国の宣伝機関であることを公式に認めている。李長春(リー・チャンチュン)元政治局常務委員によれば、孔子学院は「中国の外国におけるプロパガンダ組織の重要な一部」だ。

News Week

孔子学院を運営するのは、中国共産党の教育部下、国家漢語国際推広領導小組弁公室(漢弁)。

教育方針はもちろんこの漢弁が決めます。テキストも全て漢弁から送られたものが使われます。中国共産党の思惑がダイレクトに反映された教育が行われることになります。

今は洗脳教育であることが分かりにくいように、表向きには語学教育や歴史教育をしているかのように見せていますが、いずれもっと露骨な「愛国教育」つまり中国共産党と習近平の崇拝を推し進める洗脳機関となるでしょう。そもそも既に歴史教育は激しく歪んでおり悪質な捏造史がばらまかれています。【次項参照

一見してプロパガンダであることが分かりづらいからといって、「安心安全。良質な教育内容」ということは全くありません。

仮に本当に今、「安心安全で良質」な教育が行われていたとしても(そんなことはないのですが)、問題は当事国のコントロールが効かない外国による教育機関である、という点にあります。

学問の自由が脅かされるって、どういうこと?

通常、自由主義国家の大学には「自治権」があります。教育方針はその大学の裁量で自由に決められるという権利です。

民主主義を掲げるほとんどの国でこの「学問の自由」が憲法で定められ、大学の自治権も認められています。学問の自由は民主主義の大切な理念と言えます。

ところが、孔子学院は各国大学内に併設された場合であっても大学側が教育方針を決めることはできません。全て一方的に中国共産党機関である漢弁の方針に従わなければなりません。

その国の国家権力どころか、外国の政府が学問を支配して教育をコントロールするということは、民主主義の根幹を脅かす異常事態。

そのためフランスでは、「孔子学院は学問の自由を脅かす」と言われ危機感が高まっているのです。

トロイの木馬って?

アメリカは孔子学院を「トロイの木馬」と定義しました。これはとても現実に即した正しい定義です。

「トロイ(トロイア)の木馬」とは古代ギリシャの戦争で使われた兵器のこと。ギリシャ人が残した木馬が宝物だと思い込んだトロイアは喜んで城内に運び入れましたが、中に兵士たちが隠れていて軍を手引きしたため、トロイアは討たれ滅亡したという話。

映画『トロイ』で使用されたトロイの木馬。Ross Burgess – Self-published work by Ross Burgessによる

つまり、見た目には安全に見える物でも、中には自分を危機に陥れるスパイが隠されているのが「トロイの木馬」。コンピュータに忍び込むスパイウィルスの呼び名としても使われていますね。

アメリカが孔子学院を「トロイの木馬」と呼んだのは、現在の教育内容のいかんに関わらず、外国政府のコントロール下で教育を行っていること自体がスパイ機関であるのだという定義です。実際、その通りなのです。

孔子学院は始め普通の安全な学校のように見せかけても、中国はその気になればいつでも兵隊を送り込み洗脳教育やスパイ活動を実施できます。

このような外国の軍事機関を自国内に造らせるとは、狂気の沙汰としか言えません。

「孔子学院はスパイ教育なんかしてない。良い学校」と言ってる人がいるけど…?

世界中で孔子学院の危険性が明らかとなっているというのに、日本では世界に逆行して孔子学院を受け入れる大学が増え続け、大手メディアも諸手を上げて「孔子学院は素晴らしい!!」と大宣伝しています。

たとえば安田峰俊氏という日本のジャーナリストが、文春で『孔子学院の真実』というタイトルの記事を書いています。

これはタイトルであたかも「危険な場所に潜入取材して真実を暴いた」突入取材のように見せかけていますが、実際はなんとなく孔子学院に入って、なんとなく講義を受けたところ

「孔子学院は中国共産党の洗脳教育なんか一切してなかった。それどころか高等で良質な教育が行われていて大変素晴らしい! 民主教育もされているから完全フリーダム!! 中国国民の税金でこんな高等教育を受けられるなんて、ものすごくお得だから皆も入ったほうがいいよ~。超絶おススメ!!」

という結論に達したという呆れたプロパガンダ記事。

つまり安田氏の言う真実とは、「孔子学院がスパイ機関という話はデマデマ! 孔子学院は安心安全」ということらしいです。

いったい誰のために書いた記事なのでしょうか…。「孔子学院に足を向けて寝られない」、それはそうだろう(嘲笑)と思いますが。

そのプロパガンダ記事から引用:

習近平の著作なんか読まないぞ

講義で逆に驚いたのは、現代の中国国内では街のあらゆる場所で目にする社会主義核心価値観(富強、民主、文明、和諧、自由、平等、公正、法治、愛国、敬業、誠信、友善の24字からなる習政権のスローガン)や、『習近平談治国理政』など習近平の関連文献をまったく読まされなかったことだ。

すくなくともM大学孔子学院の通訳実践講座は、L老師の人徳と講師技術ゆえか「プロパガンダ機関」でも「スパイ養成機関」でもなかった。その実態は、極めてハイレベルな中国語教育をニンテンドーSwitch1台分くらいの価格で半年間も提供してくれる、ストイックな孔子ブートキャンプだったのである。

もしかすると日本のどこかには、朝から晩まで受講生に習近平の著作を学習させ、紅歌(中国共産党のプロパガンダ歌謡)を歌わせ続ける「虎の穴」さながらのスパイ養成講座を開講する孔子学院もあるかもしれない。見つけた方は、面白そうなのでぜひ私にご一報をいただきたい。

さておき、中国政府の対外政策のおかげで学費は激安。なのにレベルは非常に高い。中国人民の血税を使って自分のスキルアップができて、おまけに取材の結果をこうして記事にできるのだから、私はもはや孔子学院に足を向けて寝られない

中国共産党の“スパイ養成機関”に潜入…「孔子学院」を6ヶ月どっぷり受講して見えた真実より

>習近平の著作なんか読まないぞ

だから孔子学院はスパイ機関ではない、と主張。

阿呆ですか? 外国でそんな分かりやすい洗脳教育を施すわけがないでしょうに。

上でも書いた通り、孔子学院は教育内容そのものよりまず、「学問の自由」を脅かしているうえ外国のコントロール下にある要塞機関であるという根本が問題とされています。

儒家を演じている老師たちは“その時”が来たらすぐさま姿を消し、孔子学院の教師総入れ替えで共産主義洗脳ブートキャンプへ変わるでしょう。その軍事機関への変更のためには、24時間すら必要ありません。

安田峰俊とは何者か

参考までに人物紹介を追記しておきます。

安田峰俊氏は、日本で最も早く孔子学院を誘致した親中トップの大学、立命館大学・東洋史学出身者です。

かつて中国サイトウォッチブログの運営者として話題となり、今はジャーナリスト?ルポライター?の肩書で頻繁に中華人民共和国へ出入りしています。

ご本人は「自分は中共のスパイではない」と言っていますが、それは確かに本当でしょう。ご自身のイデオロギーにて活動されている方だと思います。このため無意識にスパイ活動をさせられている面もあると思います。

現在、中国の宣伝マンとして大陸にて知名度を得ており、ご自身曰く「大陸でボクは超有名人、超人気者。中国人でボクを知らない人はいない」だそうです。ちなみにこの知名度や人気を裏で支えているのは中国共産党ですので、中共を裏切ることは決してできない立場でしょう。

当初はただのオモシロ中国ウォッチャーだったらしいですが、ここ数年は中国や孔子学院にて教育を受け、無自覚かもしれませんが「中国の特色ある社会主義」イデオロギーをスポンジのごとく吸収している様子が窺えます。

最近では次第に馬脚を現し始めています。たとえば香港デモの際は、デモ隊の学生を「暴徒」「黒ゲロ」と汚い言葉で激しく罵倒している様子が目撃されました。

「安田氏のレポートは中国共産党の意向を完全に代弁したもの」とまでは言わないまでも、少なくとも中共のことが大好きで中共寄りの考えをする人だ、という事実を念頭に彼の書いたものを読みましょう。

安田峰俊氏、近影。中国共産党の人民服にて:

 

教育内容も安心安全ではない。巧妙な歴史捏造プロパガンダ

さて、安田峰俊氏は

「孔子学院の教育にはどこにも洗脳が含まれていなくて安心安全!」

と大声で叫んでいますが本当にそうなのでしょうか?

儒教の教書や、『資治通鑑』などの古典も教えていると言いますが、古典学習に見せかけて「新解釈」という中共が書き換えたテキストを押し付けているだけです。

私は三国志ジャンルしか眺めていませんが、このほんの一部分ですら非常に悪質な捏造史プロパガンダの温床となっていることが分かります。

共産主義者によるプロパガンダは長年にわたる犯罪の積み重ねで狡猾さを増し、非常に巧妙で醜悪ですから、きっと初学者やお馬鹿な人には「おかしい」と感じることすらできないのだろうなと想像します。

歴史捏造プロパガンダの例

中華史ジャンルに蔓延している歴史捏造プロパガンダについては、このブログでたびたび指摘してきました。

そのほとんどが孔子学院の講師や、孔子学院が設置された大学の関係者たちによって書かれた書籍を台本としたプロパガンダです。

なおそれら書籍を執筆しているのは全て日本名を名乗る学者たちです。彼ら彼女らは「千人計画」といって一時期話題になった、中国共産党の戦略工作に協力している日本人学者・著述家と思われます。あるいは自らのイデオロギーによって中国共産党へ積極的に従い、歴史捏造工作しているのかもしれませんが。

たとえば、孔子学院関係者によるプロパガンダには下記のようなものがあります(未読の方向けにリンクしておきます)。

渡邉義浩は、早稲田大学孔子学院長ですから工作活動をしていることが分かりやすいかと思います。おそらくこの学者が日本における中華史の捏造工作を担う代表者です。

渡邉義浩による曹操崇拝、蜀貶めのための歴史捏造工作:

三国志 – 研究家の知られざる狂熱 -渡邉義浩〔本の紹介と感想〕

根本から人間の絆や心を否定して価値観を破壊する工作:

劉備と諸葛亮は、いがみ合っていた!? 「君可自取(お前が政権を取れ)」遺言の真相

始皇帝を「善良な正義の為政者」として歴史を書き換える工作(マンガ出版社も協力):

『キングダム』は中共プロパガンダ! 始皇帝いい人キャンペーンの裏事情

 

諸葛亮を「共産主義者」ふうのキャラクターに作り変える工作:

柿沼陽平『劉備と諸葛亮 カネ勘定の三国志』感想。諸葛亮は偉大な共産リーダー? 

日本共産党流「マキャベリストふう共産主義者」にアレンジされた孔明:

諏訪緑『時の地平線』は日共が掲げる孔明像だった

 

始皇帝崇拝、孔明貶め工作に励む孔子学院関係者(孔子学院を真っ先に日本へ迎え入れた立命館大学~学長):

孔明リコール!? 始皇帝こそ、リコール制度があれば半日もたなかった虐殺王

この通り、孔子学院が教えるのは現実に昔から伝えられた「古典」などではなく、中国共産党が書き換えた捏造史なのです。それは虐殺を称えるために書き替えられた、腐臭を放つおぞましい汚物です。

「古典改ざん」指示したのは毛沢東

ちなみに中国共産党が「曹操は善人。劉備と蜀の人物は悪人」などの歴史書き替えを始めたのは1960年代。中共の英雄である毛沢東が、古典の価値観を逆転させるように指示したのが始まりです。下記事参照。

歴史修正プロパガンダは現実に行われています。「歴史ジャンルで修正・捏造プロパガンダなんか行われたことないない! デマデマデマデマーー!」と叫ぶ工作員の嘘に騙されず、現実を見てください。

たとえば、2019年~の中共主催『三国志展』だけを見ても曹操崇拝プロパガンダが現行で続いていることが分かるでしょう。ここまではっきりとした現実を見ても否定するのは、馬鹿または「曹操崇拝教」のカルト信者だけと言えます。

参考記事:

〔まとめ〕妄信的な曹操崇拝と孔明(蜀)貶め、歴史改ざんの裏事情

三国志展のガイダンス映写から読む、中国共産党の思惑

分かりづらいけどこれらが共産党の洗脳教育

一見分かりづらいですが、これこそ中国共産党の洗脳プロパガンダの手法です。

毛沢東の思想やマルクス・レーニン思想、習近平思想を教え込むことなど最終課程。そんな分かりやすい洗脳は敵国で行いません。

まず最初にベースとして、

「虐殺素晴らしい。独裁スバらしい。虐殺王こそ正義。支配に抵抗した者(たとえば蜀など)は悪の権化!!」

という思想を脳に刷り込むことから始めます。

具体例。これだけの虐殺をした殺戮狂を正義の人として美化し、崇拝者を獲得している:

曹操ってどんな人?〔後編〕 曹操による虐殺・拷問処刑リスト。全て史実です

虐殺王の崇拝は導入水、OSの書き替えから獣化を始める

化粧水だって導入の液体がなければお肌に沁み込みませんよね? それと同じで、ベースの価値観から遠い教育を施されてもほとんどの人間の脳は拒絶してしまうため効果は薄いのです。

いきなり「民衆虐殺って素晴らしい正義だよね!」「人間の内臓って美味だよね!」などという共産的な価値観を言ったところで、普通の人間なら受け入れることができないでしょう。

だからベースの書き替え、パソコンで言えばOSの入れ替えから先にやります。人間としての道徳観を根本から破壊し、書き換えてしまうわけです。

そのための具体的手法が虐殺王を美化して崇拝させることです。性的興奮を掻き立てるようなキャラクターとして虐殺王を描き、熱狂的に中毒させる。そうなると自分が崇拝する王の支持者を増やしたくなるので、実際あったジェノサイドの史実を無かったと主張したり、蛮行を正当化するようになる。こうして「独裁者が奴隷である民を虐殺することは正しい」と反射的に考えるように脳の構造を変えてしまうのです。

このようにOSの書き替えが完了すればもう、人間としての価値観は失っていますので「一般市民の虐殺って素晴らしい正義!」「人間は食べるもの、臓器おいしいー!」と熱狂的に叫ぶようになります。

これが俗に言う、共産思想の「獣化教育」というものです。

文化大革命のときは幼い子供に無理やり人殺しさせたり、親の内臓を食べさせるなどして獣化教育したそうです。それが現代、外国ではもう少し巧妙にオブラートに包んだ形となりましたが、洗脳の手順と目的は同じなのです)

この獣化教育を施されたうえで「毛沢東思想」などの紅い教育を導入されたなら、全く抵抗なくすんなり脳に入っていくでしょう。そして100%教えられた思想を真実として受け入れ、どのような命令にも従う奴隷となります。

思考を失った紅衛兵、殺戮マシーンの製造完了です。

始皇帝信者、曹操信者は既に獣化課程を終えている

たとえば現代日本人でも始皇帝や曹操の崇拝者が多くいますが、史実さえ無視して二重思考で蛮行を正当化するようになったこの者たちは、すでに価値観のOS書き替えを施され獣化教育を修了していると言えます。

あとは紅い教育でも黒い教育でも、どのような思想でも植え込めば自動的に殺戮マシーンとして動くでしょう。お気の毒ですが、彼らが人間へ戻るのは難しいと思います。

共産主義の洗脳手法は昔からこのように行われてきました。ソヴィエトでも同じ。マルクス・レーニンの頃からまず「価値観の破壊」を最初に行います。この目的のために必ず、善悪逆転、文化破壊を行うわけです。

私がここで訴えている「三国志の文化破壊が行われている!」という話を小さな問題だと嘲笑している人は多いでしょう。しかしこれは地上を地獄に変える第一歩が実行されているだけに過ぎません。

つまり私は本格的に思想洗脳が行われる前に、「獣化への道を踏みとどまれ」と叫んでいるだけです。

人肉食が当たり前になった後に気付いて泣いても遅い。その時に戻ろうとしてももう、人間世界に帰る道は残されていません。

今、文化破壊を嘲笑していては手遅れになります。

まだ人間の心を持つ人たちへ。悪意をもって歴史が歪められているこの事実を拡散し、獣化を食い止めてください。

 

洗脳から身を守る方法

今は歴史ジャンルだけではなくあらゆるジャンルに洗脳が浸透しています。自らカルトを求めて洗脳被害者となったり、加害者となってしまわないよう、洗脳から防御する免疫を高めて身を守りましょう。

「洗脳」の歴史から免疫を高める方法まで、次記事で書いてみました。ご一読ください。(特に後半が大事):

洗脳とは何か? 価値観を破壊する洗脳から身を守る方法

 

日本における孔子学院の現状

最後に、2021年10月現在の日本における孔子学院の状況をWikipediaより引用しておきます。

岸田内閣は、果たしてこの害毒をまき散らしている伏魔殿にメスを入れられるでしょうか?

早急にスパイ防止法を作り、孔子学院を閉鎖することを願います。また、犯罪行為を明らかにしてスパイ学者たちを逮捕してください。その前に孔子学院と協力して外国プロパガンダを垂れ流している左翼メディア、放送局の免許を取り上げるべきでしょう。

日本ではマスメディアで親中世論を喚起する世論工作が、米中国交正常化以前の古くから行われてきた[1]。2010年4月、大阪産業大学孔子学院を開設した大阪産業大学では、大学の資産運用の失敗がもとで理事長が孔子学院の廃校を通知し、組合との団体交渉の中で事務局長が自らの孔子学院に対して「文化スパイ機関」「孔子学院は中国政府のハードな侵略ではないが、ソフト的な拡張主義」「漢弁は文化スパイ機関と認識しており、提携することは適当ではない」などと批判した[55]。大学側は6月1日、重里事務局長に辞任を求めた[56]。

東京大学大学院総合文化研究科教授の阿古智子は孔子学院について、「中国共産党政府が推進する孔子学院などの教育や文化事業は、国家主義的で、排他的であるように、筆者は感じてしまう」と述べている[57]。

『週刊文春』2014年10月2日号は、「中国共産党の宣伝機関『孔子学院』院長は朝日OB」という記事で、朝日新聞東京本社総合研究センター主任研究員だった西園寺一晃が工学院大学孔子学院院長を務めているとして西園寺と孔子学院を批判する報道をおこなった[58]。

東京工業大学環境・社会理工学院教授の池上雅子は、特定の社会的価値観やイデオロギーの浸透が覇権安定に必要であり、国内的には情報操作・世論工作、対外的にはソフト・パワーが重要であり、孔子学院は「海外における中国研究教育を北京政府がコントロールできる体制」として、「中国共産党政府による孔子学院海外展開の手法は、1930年代ファシストイタリア政府が自国の宣伝と外国人教化を目的を狙って米国の学校に『イタリア語プログラム』を国費で大量に設けた『ムッソリーニ・モデル』に酷似している、という指摘がある」「『世界革命』普及を図った旧ソ連のモスクワ・コミンテルンを彷彿とさせる一方、マス・メディアの取り込みや教育文化事業の活用など米国の洗練されたソフト・パワーの手法も取り入れている」と評している[59]。

防衛省のシンクタンクである防衛研究所は、2021年3月に公表した「東アジア戦略概観2021」で、アメリカが孔子学院を「安全保障上の脅威」とみているという分析結果を出している[28]。

日本もアメリカ合衆国政府の一連の行動を踏まえ、国会においても中国政府の介入を疑う声があり[30]、2021年5月13日、自民党の有村治子は、参議院文教科学委員会において、「日本の大学内で外国政府が事実上支配する文化発信拠点は他に例があるのか」とただした[30]。これに対して文科省は「孔子学院の他に、指摘のような文化拠点が大学に設置されている例は承知していない」と答弁し、有村治子は「日本の大学に唯一、組織的、戦略的に設置されてきた文化センターが共産党一党支配の国の拠点であることが健全なことなのか」と訴えた[30]。また、有村治子は「『国際交流』という美名の下、自国の将来を担う世代の学び舎が、外国政府に事実上、直結する機関の工作に浸透されることへの危機感を日本は持つべきだ」「キャンパスでの『言論、思想、学問領域の自由』を堅持するためにも、孔子学院の透明性を図り、日本の大学が主体的に管理を行えるよう、文科省は当事者意識を持ち、現状を把握すべきだ」「日本は、自由・民主主義陣営の一員として、ホームランド(自国の本土)での『内なる守り』を固めることが極めて重要な国政課題である」「巧妙に日本に浸透してくる中国共産党の実態を把握する仕組みが整えば、対中交渉力も強まる」と述べている[28][60]。

これまで日本政府は孔子学院の運営実態を把握していなかったといい、今後は関係省庁が連携し情報収集を行い、孔子学院の透明性確保に乗り出す方針を示しており[29]、菅義偉政権は、孔子学院の透明性確保に乗り出しており、孔子学院を設置している各大学に情報公開を促し、動向を注視する方針であり、文科省をはじめ関係省庁が連携し、運営の透明性を確保していく考えである[29][30]。2021年5月13日、萩生田光一文部科学大臣は参議院文教科学委員会において、孔子学院がある大学に対して「大学の主体的な研究活動が妨げられることがないよう組織運営や教育研究内容などの透明性を高めるべく情報公開を促していきたい」「同盟国である米国、自由や民主主義、法の支配といった共通の価値観を持つ欧州の国々からも廃止や情報公開を求める懸念の声が高まっている」「運営の透明性が求められている」「孔子学院には運営の透明性が求められる。関係省庁と連携して動向を注視し、設置する大学には、組織運営や教育研究内容の透明性を高めるべく、情報公開を促したい」と答弁した[30][60]。

文科省によると、日本の大学が海外の教育機関と連携する場合、学位の取得に関係しなければ、国に許認可を求めたり、届け出たりする必要はないため、文科省は孔子学院の運営実態を把握してこなかったが、今後、孔子学院を設置している各大学に対して、教育活動の自主性に配慮しつつ、孔子学院の教育内容や組織運営の状況について、情報公開を徹底するよう求め、文科省や外務省など関係省庁が連携し、情報収集を進める方針である[29]。2021年5月13日、文科省は「少なくとも大学側には(組織や活動について)透明性を求める必要がある」と述べた[30]。

2021年7月14日の「深層NEWS」において、中国政府が出資し、日本など世界各国の大学に設置されている孔子学院について議論したが、田所昌幸は「孔子学院が大学にあることが学問の自由の観点で望ましいかどうか、欧米では強い懸念がある」と指摘し、有村治子参議院議員は「文部科学省が孔子学院の動きを把握できる仕組みがないのが問題だ」と指摘した[61]。

日本の孔子学院リスト(これらの大学には要注意):

中外語言交流合作中心(中国語)

立命館孔子学院

桜美林大学孔子学院

北陸大学孔子学院

愛知大学孔子学院

立命館アジア太平洋大学孔子学院

札幌大学孔子学院

大阪産業大学孔子学院

岡山商科大学孔子学院

早稲田大学孔子学院

工学院大学孔子学院

福山大学孔子学院

関西外国語大学孔子学院

武蔵野大学孔子学院

神戸東洋医療学院孔子課堂

長野ラジオ孔子学堂

兵庫医科大学中医薬孔子学院

山梨学院大学孔子学院

*アイキャッチ画像もWikipediaより引用。

〔言及〕Florian B35 – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=48307737による

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