民意を得た者は最終勝利を得る! 劉邦に見る、真の民意が時代を征する法則

〔2024/3/2 再公開〕

世界人類の歴史を眺めれば、民意を得た者が最終的に勝利※を得る法則があります。
その場合の「民意」とは、システム的に欠陥のある民主主義を模した選挙で得られた「数」を指すのではありません。人々の本心からの意志に基づく“真の民意”のことです。

特に中華は古代から民意が強かったため、「民意は勝つ!」の法則が実現しやすい土地でありました。

そんな「民意は勝つ」の代表例を古代中華から取り上げ、現代現実と照らし合わせてみます。

温故知新で今起きていることの理解が深まるのではないでしょうか。

※勝利の定義は最後に示します

 

現代現状の「民意」

まずは現代の世界の話から。

2021年1月21日、テレビ朝日など日本のメディアはなんと一日中バイデン就任演説を流し続けていたようです。(筆者知人のテレビウォッチャーによれば。筆者は夜のニュースで一部だけ観ました)

「我が主席様」…もとい、「我がバイデン様」の演説を賛美し、レディー・ガガたち著名なアーティストの歌で華美に飾られた舞台を称賛し続ける。まるで中国共産党の党大会か北朝鮮マスゲームを放送する国営放送のようで、心底から気持ち悪く思いました。

曹操ファンも同じですが、偽装された個人崇拝を叫ぶ人たちは非常に気持ちが悪いものです。

だいたい日本のテレビ局で一日中長々とアメリカ大統領の就任式を放送し続けることなど、これまでに無かったことではないですか。不自然過ぎるでしょうに。いつからアメリカ大統領の就任式は、日本の国事となったのですか?

ここまで露骨に「バイデンマンセー」すれば、共産主義者たちがアメリカで共産革命が実現したことを称えているのだと丸分かりでしょう。情報弱者のテレビ好きにまで事実を悟られてしまいますが、いいのでしょうか。
もはや日本のテレビ局は自分たちの正体を隠す必要性すら感じていないようですね。

人気の無さを旗で補う…

本国アメリカ、新政権が用意した舞台も空虚なもので、綻びをごまかす“演出”が物議を醸していました。

観客が集まらずに閑散とした会場を撮影され、歴史に記録されることを恐れたのか? 大統領就任演説会場前の広場は、「コロナ対策」を理由に高い城壁を造って軍隊に封鎖させ、観客の立ち入りを制限。(あれだけトランプ大統領の「メキシコ国境の壁」を罵倒していた民主党が、自分たちに投票したはずのアメリカ国民を敵とみなして城壁を造った!)
代わりに膨大な数の旗を立てて、架空の人気を演出。


就任式会場前、旗20万本が埋める(日本経済新聞)

苦肉の策のつもりでしょうが、これでは「不正選挙で当選した大統領だから人気は無いんだ」と自ら告白するようなもの。

張りぼての雑な演出がいかにも共産政権らしい。
大衆を騙せなかったとしても力で言論を押さえつければいいと思っているので、彼らの嘘のつき方・演出はいつも雑です。表面さえ取り繕って撮影させればそれでいい、噴出する疑問はメディアを用いて大声でかき消せばいいと思っているわけです。

バイデン就任式は収録だった!?

バイデン就任式の不自然さはこれだけではなく、「ライブ映像ではない」「予め収録された演出だ」ということが丸分かりだったためネットはざわついていました。

〔例〕

・議事堂を撮影していたライブ中継の映像では曇天なのに、就任式の映像は晴天

https://twitter.com/2xdAxio/status/1352189158429638658より:

SC1083@SSTR2021【参戦準備中】@2xdAxio

D.CのLIVE映像とYouTube中継、NHKの実況を全て同時に視ていましたが、LIVE映像は式の終盤こそ晴れて来ましたが、開始時はNHK中継映像は雲一つない快晴。LIVE映像は曇りでした。また、YouTube中継とNHK中継に30秒以上の誤差がありました。そもそも2度のリハが中止になったと思えないスムーズさ。

・バイデンが二人いる

https://twitter.com/iyasaka1996/status/1352127076485136386より

笑……
お粗末!
ハリウッドの協力は得られずに、中共の企業へ映像制作を委託したのかもしれませんね。

2008年、北京オリンピックの開会式がCG映像だったことを思い出しました。
ありのままの現状を撮影すると惨めな状況がばれてしまうため収録で偽装し、取り繕う。
全てにおいて共産臭の漂う張りぼて就任式となりました。

YouTubeのBAD投票が「真の民意」を表してしまう

メディア買収でどれほどバイデン賛美を叫ばせても、収録で華美な演出を施しても、惨めな現実は隠せなかったようです。

YouTubeではバイデン大統領就任式の“ライブ”動画が配信されたのですが、世界一の超大国アメリカ大統領の就任式動画だというのに8時間経っても再生回数は30万台で足踏み

※あまりにも低い数字なのでその後、限定公開とされたらしい。「限定公開だから再生回数が低く留まっているのだ」と言い訳するためなのでしょうが、リアルタイムではもちろん全公開です

世界人類を対象としているはずが、日本のYouTuberよりも閲覧数が低いとはどういうことなのでしょうか?
その前に「8000万票」も獲得した、アメリカ史上最高の人気を得ている大統領だったはずなのですが……? その8000万人はいったいどこへ消えてしまったのでしょう?

higmon@higmon1

死者はネット使わないからでは?

きっとそうでしょう。笑
ついでに言えば、ドミニオンもネットには影響を及ぼせないからではないでしょうか。

さらに笑えるのが、この動画に付けられた評価です。
Goodに比較してBadの数が異常に多い!のです。

下のスクリーンショットは私が見た時(17時間後)、Good/4054に対してBad/2.4万。6倍もの差があります。
ここまで大差のBadは、なかなか見たことがありません。

これぞ「真の民意」と言えます。

※そのうちYouTubeが何らか数字を操作すると思いますので、皆さんも今のうちご自身で撮ったスクショ画像を保存しておきましょう

21/01/26追加 ホワイトハウスチャンネルも同様

その後、バイデン政権?のホワイトハウスチャンネルが開設されましたが、この動画も全てBadがGoodを5~7倍上回っています。再生回数も30万台を超えるものはありません…。天下のアメリカ、ホワイトハウスの動画再生回数がたったこれだけ、Badのみカウントが上がっていくとは異常事態でしょう。

トラさん動画で露骨に判明する、「真の民意」

いっぽうトランプ第45代大統領の演説ライブ中継の視聴者数は、驚きの人気を表していました。
なんと、バイデン氏に比べて100倍もの大差をつけていたらしい。

『史上空前の得票、でも国民は満足していない模様』より引用

2021年 1月21日
トランプ離任式の視聴者数 vs バイデン新大統領就任式の視聴者数

100倍差が付いていたらしいですね。これが、史上空前の8100万票を集めた新大統領の人気のようです。いやー、すごいですねー。

トランプを支持した7500万人は決して、バイデンとその仲間達のバイデンジャンプを忘れることはないでしょうね。

また、メディアはトランプ氏が演説していた会場を絶対に放送しませんでしたが、歓声は大波のごとく響いていて会場に殺到した人の多さと高い人気ぶりを感じさせました。

死者や機械投票による「数」の得票などは民意ではない、ということがこれではっきりとお分かりなのではないでしょうか?

言わなくても通常の知能を持つ人間には分かることなのですが、共産主義者の方々には理解できないようなのであえて書いておきました。

2020年のアメリカ大統領選挙、真の勝者はドナルド・トランプなり

今回のアメリカ大統領選挙は、そもそも不正がなければトランプ氏が勝利していたと言えます。

このことは客観的な証拠から、(左翼を除く)一般の人々が事実として認識していること。

アメリカでは実に80%もの人が今回の大統領選挙でバイデン氏は正当に勝利したとは言えない、と考えているそうです(NHKの報道番組によれば)。パックンの記事では6000万人が「バイデンは不正選挙で当選した」と考えているとのこと。実際より遥かに少ない数ですが、バイデン狂信者でさえ「我がバイデン様を疑っているのは一部のカルトではない」と認めるしかなかったということです。自分たちの嘘が誰にも信じてもらえないのでガクブル状態、必死で反論を叫び続けていますね。

選挙不正の客観証拠、参照:

風よ吹け! 不正選挙の証拠、最終弾で風向き変わる(ナバロレポ他)

 

さらに、私はトランプ第45代大統領が今回の選挙における現実の得票数だけでなく、選挙を上回る「真の民意」「真の人気」を獲得したと感じています。

バイデン氏が選挙で大規模な不正をし、大手メディアが言論弾圧をした――この極悪な犯罪行為が目の前で展開されたことによって、バイデンは「悪の魔王」としてのイメージを獲得。そして魔王バイデンが追いやったトラさんは傷付いた正義のヒーロー、と人々が思うに至ったのです。

もしバイデン氏がトランプ氏を潰そうと考えたのなら、まったく愚かなことです。見事に真逆の結果を招いてしまいました。
むしろトランプ氏をヒーローとするために悪役を演じたのではないか、そう思わせるほど稚拙な行いでした。

現代で「正義」を実感する機会はほとんどありません。
今回のことでも実際トランプ氏の熱狂的なファン以外が、どれほど彼を「正義」と信じているかどうか不明です。
たとえば私などは元々のファンではありませんしトランプ氏を100%の正義と信じる者ではありません。個人崇拝など嫌いで絶対にしない人間ですので。以前は彼の押しの強いキャラクターが苦手でした。今は「長編版ジャイアン」くらいの義がある立派なおじさんだと思って好感を抱いています、その程度です。

ただ、あまりにも罪深い悪事を行う者がいるなら、対立する側は必然的に正義の側に立つしかなくなることがあります。
それが、今のトランプ元大統領の状況です。

世界の人々は悪に対抗する者としてトランプ元大統領を眺め、元々のファンではなかった人でも彼を「ヒーロー」と呼ぶようになりました。
正義などこの世に無い、ヒーローなど現実に存在しないと諦めていた現代人がついにヒーローを見い出したので、トランプ氏の人気は沸騰したわけです。

しかも汚い手を用いた魔王に選挙で大敗北を喫している。

実はこの「戦場における敗軍の将」となったこともトランプ氏の人気が膨れ上がった理由だと思います。
敗軍の将を応援するのは東アジアの人だけ、独特な文化かな?と思っていましたが、アメリカ人も同じだったので少々驚いています。どうやら「悪と戦い傷付いたヒーロー」を愛して声援を送りたくなる感覚は、世界人類に共通のものらしい。

結果、トランプ氏は時代の主役と言えるほどの人気を獲得することになりました。

もちろん計略でこのような人気を得ることは不可能です。
人気を得るために敗軍の将を請け負うことはリスクが高過ぎるからです。

時代が変わるときの匂いがする

実はこのような展開は、人類史で度々起きています。
歴史に名を残すヒーローたちが登場したときは、常にこのような雰囲気だったのではないでしょうか。

メディアのアンケートなどの数字には決して反映されないだろう、この人気がうなぎ昇りとなり膨れ上がっていく感じ、世論のうねりが高まっていく肌感覚は筆者にも覚えがある……ような気がします。何故か。

トランプ元大統領が置かれた状況とキャラは、まるで劉邦のよう

現在のトランプ氏の状況とキャラクターは、西洋の歴史人物では少し喩えづらい。冒頭で書いたように民意が強い土壌だった古代中華のほうがトランプ氏らしい人物を見つけやすい気がします。

特に私が「この人っぽい!」と思ったのは、劉邦(りゅう・ほう)です。

『三国志』人物の劉備(りゅう・び)ではありませんよ。似ているので混同しやすいのですが。
漢という国の建国者、劉邦です。
(劉備のご先祖様ですけどね。状況もキャラクターも違うので、混同しないようにしてください)

以下、簡単にご紹介。劉邦については後で単独の紹介記事を書くかもしれませんので解説は控えめにしておきます。

劉邦ってどんな人物?(一言で)

劉邦とは一言で言うと、「秦という独裁国家を倒して漢の国を建てた英雄」です。

「秦(しん)」とは始皇帝の国。史上初めて大陸を統一して中央集権国家を造りましたが、民衆虐殺や焚書、厳しい刑罰で人々を死刑にするなどの残虐なことをし続けたために人々から憎まれていました。

始皇帝と秦国の暴政:

始皇帝は実際どんな人だった?『キングダム』で作り変えられた嬴政の実像

そんな「秦」は今、中国共産党が目標とする憧れの恐怖国家なのだそうです。だから「秦=中国共産党」とたとえて読むと分かりやすいでしょう。

劉邦の生い立ち(簡単に)

劉邦が生まれたのは紀元前200年代、ちょうど秦の始皇帝による暴政に人々が苦しんでいた時代です。

劉邦は庶民の出で、勉強は苦手。あまり学のあるほうではありませんでした。
ただし下級ながら役人を勤めたのですから、読み書きができないほど無学ではなかったと思います。

若い頃は街の遊び人。
親分、兄貴などと呼ばれて大勢の人から慕われていました。

さすがご先祖様、劉備と同じで人を惹きつける魅力があったようです。
特に女性にモテたことでは有名です。また本人も無類の女好きで、毎日別の女性と過ごしていたとか。

「英雄、色を好む」のことわざは、この劉邦が語源なのです。
後に100人の子を持ったとされる彼は確かに、伝説の女好きでした。

打倒・秦で立ち上がる

しかし劉邦も遊んでばかりいられませんでした。時は秦の独裁時代です。

幾度も繰り返された理不尽な民衆虐殺。

焚書と生き埋めがセットになった言論弾圧。

厳し過ぎる法律で何かと言えば死刑、死刑、死刑の嵐……。

そんな地獄の暴政を憎む声は大陸に溢れ始めていました。
あるとき小さなミスをして死刑が確定した陳勝(ちん・しょう)という農民が、「死刑になるくらいなら反乱を起こして死ぬ気で抵抗しよう!」と言って、史上初めての農民反乱を起こします。これを「陳勝の乱」と呼びます。

陳勝の乱をきっかけとし、大陸全土で「打倒・秦」を掲げ挙兵する勢力が現れました。
劉邦もこのとき秦を倒す戦いに参戦しています。

同じ頃、楚という国を復興させて打倒秦の戦いをしていた将軍がいました。項梁(こう・りょう)という歴戦の武将です。この甥が、項羽(こう・う)です。
項羽は後に劉邦と天下を争うことになる人です。

項羽と劉邦の天下争い

途中の経緯は大幅に省きますが、素早く攻め上った劉邦軍によって秦の都は占拠されます。

後に都入りした項羽によって秦は滅亡させられます。

その後、さまざまな経緯があり項羽と劉邦が覇権を争うことになりました。
項羽は非常に強かったため劉邦は何度も惨めな大敗北を喫します。
しかし、百戦百勝の天才将軍、韓信(かん・しん)の活躍によって逆転の大勝利を得、ついに劉邦は「漢」という国の皇帝となったのです。

ポイント:劉邦が勝利した鍵は「民意」を得たこと

劉邦が最終勝利者となった理由の細かいことを言えば、戦場における韓信の見事な策略、張良の賢い判断などなど、周りの人々のサポートがあったからです。
これは各戦闘・場面での戦術的勝利に着目した話です。

しかしもっと根本の長期戦略的な話をすれば、劉邦の最大の勝因は、大陸全土の人気すなわち「民意」を獲得したことにあると言えます。

当時は人々が秦の暴政に苦しんでいた時代でした。
そんなとき、劉邦が秦を倒すきっかけを作り、さらに人々を苦しめた法律を全廃しました。そうして大らかな政策を施して民を癒したのです。

人々の目に劉邦は、まさに本物の「解放軍」に見えたことでしょう。
命を救われ、家族を殺された恨みを晴らしてもらった民衆たちは劉邦を「正義のヒーロー」と見て大声援を送りました。
こうして劉邦の人気は全土に広まります。

人気を獲得した将軍が戦闘において戦いやすくなることは言うまでもありません。
どこへ行っても協力してもらえる。食料も分けてもらいやすくなる。
城を攻めても、相手が積極的に降伏してくる。
兵士も自ら集まってくる。

このようなことは目に見えない要素ではありますが、現代の軍学ならば計算上の軍事力としてカウントされるはずでしょう。民間人の人気と支援は、見えている物資以上に大きな力をもたらす要素です。

さらに劉邦は褒賞も厚くしたうえ、家臣の話に耳を傾けることで有名でした。このため優秀な人材が集まりました。
劉邦勝利のキーマンとなる韓信などは項羽の軍を抜け出し、劉邦のもとへ駆け込んだ人材です。

民意を獲得できなかった者が敗走するのは必然

いっぽう劉邦のライバルである項羽は、対照的に民衆からの人気がほとんどありませんでした。
何故なら項羽は、秦の始皇帝のやり方を踏襲して残虐な行いをしたからです。

たとえば降伏してきた敵方の兵士も生き埋めにして皆殺しにしました。全面降伏したために劉邦が殺さず赦した秦王さえも一族を含めて死刑とし、さらに役人も一斉に皆殺し。さらには貴重な文化遺産となり得た秦の宮殿も焼き払ってしまいました。

このように残虐な行いの数々が広く知れ渡ってしまったため、項羽と争うことになった敵は最後の一兵まで必死で戦いました。降伏しても殺されるのだから全力で戦うのは当然です。

現代でたとえるなら、「ソ連のやり方を受け継いでいる中国共産党」のようなもの。

民衆も、
「項羽は我々を秦の地獄から救い出してくれると思っていた。しかし、やることは秦の皇帝と同じ。恐怖の独裁者だ」
と思いました。

ただトップの名前が変わっただけで地獄は変わらない。それでは項羽が民から支持されるはずがありません。

また、項羽は身内の者に対しても冷たい態度をとることがあったようです。
優秀な家臣たちの進言もほとんど取り上げることがなかったとか。一級の人材であった韓信でさえ、項羽のもとでは下級兵士のままで出世の見込みがありませんでした。
このため韓信は項羽のもとを抜け出して劉邦の陣営へ走ったわけです。その他にも数多くの優秀な人材が劉邦のもとへ逃げていき、項羽の軍は言わば空洞化を起こすのです。
(なんだか、亡命者を多数出している共産国に似ていますね)

このように不人気な人は、いくら軍隊を用いることが上手でも最終勝利を得ることは難しい。
最後の最後に項羽が敗北してしまったのは自ら招いた必然の運命だったと言えます。

トラさんと劉邦との相似

いかがでしょう。
キャラクターとしてトランプ氏は劉邦に似たところがあるな!と思うのは私だけでしょうか。

まず「親分」「兄貴」と呼ばれて親しまれている。

そして女性が好きです(笑)。実際モテますし。

欲もそこそこ深いように思いますが、人道に反するほどではない。

猜疑心があり癇癪持ちなこともトランプ氏と劉邦の共通項です。
臣下を疑って癇癪を起こし、失敗したことがあるのは劉邦もトラさんと同じ。

両者とも決して品行方正ではなく、人格が高いわけでもないと言えるでしょう。
しかしそれでも人に愛される行いをしていれば、優秀な人材に恵まれ支えられていきます。

何より今、圧倒の「民意」を獲得したトラさんの状況は劉邦が勝ち上がっていった時と似ています。

このように言ってはトラさんファンの方に対して申し訳ないですが、いつかトラさんの命が消えても、彼は死後末永く今世紀のシンボルとして語られることになる人物なのではないかと思います。それこそ最終勝利と言えるかもしれません。

真の民意を得られない者は最終的に敗北する、という合理的説明

「真の民意を獲得した者が最終勝利を得る」とは、おそらく最も高度な戦略論の核心だと私は思います。
現代では最新のゲーム理論によってそのことが証明されています。

ただし「真の民意」を得るためには必ず義・道理(Justice)にかなった行いをしなければなりません。
人道に反する行いをしては絶対ならないし、可能な限り嘘をつくことも控えなければならない。
だから『超限戦』の奇策謀略を多用してはダメ。もちろん戦争の場合なら多少の作戦は必要ですが、人道から大きく逸脱した謀略を用いてはいけないのです。

実はそのような「真の民意」を得るための振る舞いは計算では絶対不可能です。
(ある程度まで計算で行うことができても矛盾なく嘘を隠し通すことは不可能)
悪事を考えている者は、その思惑が露呈した時点で「嘘つき」ということになり民意を失うでしょう。

だから謀略によって「真の民意」を獲得することは不可能と言えるのです。
謀略ではせいぜい死人やドミニオンに投票させたり、メディアを買収するなどして「張りぼての民意」を獲得することくらいしかできませんね。

そのように汚い謀略を使えば、嘘に嘘を塗り続けるために大量の資金を投入し続けなければなりません。お金がいくらあっても足りませんし、防衛を強化するどころではなくなるので攻撃に弱くなります。それなのに言論弾圧や不当な扱いを受けた人々は深い恨みを抱き八方から攻撃し続けますから、いずれ資金は底をつき最後には全敗します。

これは「道理に反してはいけない」という人道上の話でもあるのですが、計算上でも嘘つきが勝利し続けることは不可能だという合理戦略の話です。

「道理≒合理」が、実は高等戦略の核心なのです。

最終勝利の定義

最後になりましたが「勝利」の定義を書いておきます。

当記事で何度も繰り返している「最終勝利」とは、一時期の戦術的な勝利にとどまらない、俯瞰で見たときの総合的勝利のことです。

「敗者の言い訳」ではなく、現実に身の勝利を棄てて永く語り継がれるシンボルとなり、人々の心を支える形での勝利もあるのだということ。

しかし生きた人間がシンボルとなるためには、命も魂も棄てるほどの強い覚悟が必要です。
心のなかに正真正銘の義がなければできるものではありません。私利私欲を考える者には絶対不可能です。

(私心を棄てた行いに対して「歴史に名を残すために北伐を進めたフシがある」などと言うのは理屈が通らない。あれこそ人間ではなく、地獄の虫にしかできない悪魔の解釈でしょう)

今はまだトラさんがこの時代のシンボルとなるかどうか、歴史を動かすことになるのかどうかといった結果は分かりません。
ただ今回の大統領選で彼は滅ぼされる覚悟を持って義を通そうと挑みました。この点において、私は彼を「偉大なヒーロー」と称えます。