Nスぺ「中国共産党 一党支配の宿命~李鋭日記」に潜むプロパガンダ

Nスぺ「中国共産党 一党支配の宿命~李鋭日記」に潜むプロパガンダ

10/3放送NHKスペシャル「中国共産党 一党支配の宿命~李鋭日記」を観ました。

建国前から毛沢東の側近として党を眺め続けてきた李鋭氏の、70年の日記をもとに振り返る中国共産党史です。

NHKの番組紹介ページより:

「中国共産党 一党支配の宿命」
創立から100年の節目を迎えた中国共産党。どのようにして一党支配を維持し続けてきたのか。それを知るための貴重な資料が眠っていた。おととし、101歳で亡くなった李鋭。毛沢東の秘書を務めるなど、共産党の中枢に身を置きながらも、一貫して政治改革を訴えてきた李鋭は、70年にわたって日記をつづっていた。文化大革命、改革開放、そして天安門事件…共産党内部から見つめた知られざる歴史をひも解き、中国の実像に迫る。

〔10/6 21:57 正確ではなかった引用文を修正、画像引用など追加〕

アジア近代史初心者にはお奨め。重要ポイントを抑えた中国共産党史

日ごろ、ほとんど中国国営放送局のように中共のプロパガンダを代行放送し続けているNHK。

あの放送局は中共にとって都合の悪い話には滅多に触れないのですが、今回の番組は意外にも「大躍進政策」「文化大革命」「天安門事件」など、重要な虐殺史に触れていました。

文革で人々が鬼のような目をして吊るし上げを行う狂気の映像も入れていたし、天安門広場で「学生たちが殺された」とナレーションも入れていました。さらに「(デモに参加していた仲間が)殺された。50人死ぬのを見た」と言う学生の映像まで入れていたのは感心。「天安門事件で死者はゼロだった」と堂々たる嘘を触れ回っている池上彰氏ら、他の左翼たちとは方針が違うようです。

(左翼たちが嘘をつくのが当たり前となっているため、このように簡単であっても史実を放送したというだけでまともに見えてしまうという異常な状況)

ごく簡単なまとめではありますが、近代アジア史の知識がない人が「中国共産党は過去にどのような残虐行為をしてきたか」という歴史を知るには良い番組と思いました。

中国近代史、番組より画像引用

大躍進政策で3000万人以上の国民が餓死した。

 

文化大革命の地獄、人食いの記録。狂気の眼で生贄を糾弾する紅衛兵たち、侮辱の看板を首にかけられ殺される幹部ら。温厚な性格で人気だった彭徳懐も投獄の果てに文革でなぶり殺しにされた。

 

天安門事件。殺戮の証言記録を報道。

NHKなのに中国批判するのは何故?

時々、NHKはこのように中国共産党による虐殺の過去や現状を記録した番組を流します。他の民放テレビ局では絶対にあり得ない、中共にってまずい映像も流す潔さには感動すら覚えます。

極左社員ばかりで中国政府とズブズブのNHKなのに何故? NHKはいったいどこへ向いているのか…? はかりかねるものがありますが、仲間同士でお互いを殺し合う本能を持つ左翼のこと、中国を内ゲバリンチしているのかもしれません。

どうも今は「中国をソーカツ」する方針で世界中の左翼が一致しているようです。下記参照。

 

この番組に潜むプロパガンダ

“近代史初心者が中国共産党史を学ぶには良い番組”と書きましたが、決してこの番組が公平で正確だというわけではありません。

注意深く見ていると、これはやはり共産社会主義者の観点で創られた番組であって、現代日本人をむしばんでいる洗脳プロパガンダが含まれていると分かります。

李鋭氏は「民主主義者」ではなく、最後までマルクス主義者だった

まず気付かなければならないことは、この番組の主役である李鋭氏は民主主義者ではないということです。

毛沢東の政策を批判したことで下放・投獄されたため、一見すると民主主義者に見えなくもないでしょう。

しかし李氏は101歳で死ぬ最後の瞬間までマルクス主義者であり、共産社会主義の敬虔なる信者でした。

何故そう言えるかというと、彼は中国共産党と中国人の民族性や伝統は批判していますが、一言たりともマルクス主義や共産主義への批判は発していないからです。

(彼の日記を全て読んだわけではないから本当はどうなのか知りませんが、あくまでもNHKの抜粋によればそういうことになります)

彼は“延安の理想”――つまり若い頃の毛沢東が掲げた「共産革命」の理想をいつまでも抱き続けていました。そして、その純粋なる“理想的な共産革命”から離れて変質した毛沢東や鄧小平、そのほか汚職にまみれた富裕な共産党員を憎みました。

彼のこの言葉に本心が現れています。

中国数千年の歴史で培われてきた封建制度や農民意識からは、秦の始皇帝、毛沢東や鄧小平のような人物(独裁者)しか出てこない。※

(中国共産党から共産イデオロギーは完全に消えた、皇帝の国に変わってしまったと嘆く)

 

その発想は伝統否定の文化大革命そのものではないか。と思って私は失笑しました。

上の言葉を分かりやすく翻訳すると、李氏は

「共産主義はなにも悪くない。正しく共産主義が行われていたら民衆は幸せになるはずだ。今の中国が悪くなったのは、古代から続いてきた中国伝統文化のせいだ! だから伝統破壊、文化破壊すべきだ!

と言っているのです。

つまり毛沢東や習近平、レーニンやスターリンと発想は1ミリの違いもありません。

たとえば李鋭氏が国家主席になっていたとしても、おそらく「中国伝統文化・皇帝主義の反革命思想を完全に抹殺する!」などと叫んで、毛沢東と同じかそれ以上の文化革命を起こして大虐殺していたことでしょう。

共産主義者は全員、本質が同じ。共産国は全て同じ末路を辿る。

100%近くの正確な再現率をもって、どの共産集団もリンチや大虐殺を起こしているというのになぜ「共産主義が原因だ」という分かりやすい答えに気付かないのか?

失礼ながら、馬鹿なのでしょうか??

カルト思想に洗脳されると脳が退化してしまうのか。目の前に見えている大きな答えが見えなくなってしまう、驚異的なご都合主義に死ぬまで侵されるようです。

【参考】共産主義者や共産国は、文化伝統や血統に関わりなく世界中で大虐殺を起こしてきました。こちらが主な大虐殺事件リストです:

共産主義者は世界中で何をしてきたのか?【共産主義虐殺リスト】

 

※「中国の~封建主義は秦の始皇帝や毛沢東しか生まない」って史実?

これは誤り。

秦の始皇帝は、古代中華の伝統に反して封建主義を排し“中央集権”の独裁体制を敷いた者です。(だから中共は始皇帝を称えているのです)

毛沢東も全く同じように、完全なる一党・一人独裁の“中央集権”を敷いた者。

どちらも民を奴隷としか見ない専制思想の持ち主であって、「民意を天意と崇める古代中華」、漢文化の伝統には反しています。

 

「共産主義は悪くない、中華思想が悪い」は現在主流の左翼プロパガンダ

李鋭氏の言う

「共産主義は悪くない、人々を救う完璧な思想だ! 中国が残虐なことをするのは古代からの中国伝統(中華思想または漢民族の血)のせい」

とは現代、世界中の左翼たちが唱えているお題目――プロパガンダです。

世界中で大虐殺を起こしてきた共産思想という元凶から目を逸らさせるため、全ての責任を「中華思想」「皇帝」または「漢民族」になすりつけて逃れ、生き残ってまた新たな場所で共産革命を起こすつもりでいるのです。

もしかしたら、今こうして大々的に叫ばれている詭弁の台本原作は『李鋭日記』だったのかもしれない、とこの番組を観て気付きました。

とにかく何でも詭弁に使える発想があれば利用するのが、共産主義者たち。史実・現実と激しく異なる理屈であっても大量の工作員を投入し、大声で嘘を叫ばせて「現実」に書き換えようとします。

 

「現代の中国は皇帝国家であって、もはや共産国家ではない」

「悪いのは共産主義ではなく、中国民族の血と中華思想」

…等々

このような左翼プロパガンダを鵜呑みにして漢民族ヘイトしている自称・保守の皆さん!

自分が左翼と一緒のグループに入り、毛沢東語録を振りかざして文化革命する紅衛兵となっていることに早く気付いてください。保守を名乗りながら左翼に加担し、左翼を延命させる兵隊として使われているとはお間抜けです。

 

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