「三国志、中国での一番人気は曹操」!? 周来友氏の話は虚偽か誤解か
昔『ここがヘンだよ日本人』というテレビ番組に出演していた有名中国人、周来友さん。
彼が書いたNewsweekの三国志コラムのなかで、私が大陸在住者から聞いた話や、中華圏SNSで眺めている事実とは異なる話がありました。
Twitterでもご本人に指摘させていただいたのですが、返信を読み、意図的な虚偽ではなく誤解の可能性もあるなと感じました。
(ところで周さんの完璧で美しい日本語には感動しました。在日暦が長くても、ここまで完璧な日本語の文を書ける外国の方は少ないように思います。いっぽう私のほうは攻撃キャラを演じるため失礼な返信をしてしまい、申し訳ないです)
一連の話をメモしておきます。
※前半は現代中国一般人についての分析。三国志の話はここからです
Contents
中国では曹操が一番人気で劉備は嫌われている… 30年前の常識
まず、問題の記事はこちら。
『「三国志」は日本人も中国人も大好き(でも決定的な相違点がある)』
引用:
日本人が最も好きな人物は、物語の主人公として聖人君子のように描かれる劉備だろう。一方、中国での一番人気は「悪役」曹操だ。
奸雄だが、武芸に秀で、詩人でもあった曹操は、才能ある部下を見いだすことにたけ、かつて敵陣にいた人材でも構わず重用した。それに比べ、文才はおろか武術もパッとしない劉備は、涙を利用し人を動かすような情けない主君。それがこの2人に対する中国での一般的な評価だ(私の個人的見解じゃないですからね……)。
確かにこれは文化大革命の時代に近い30年前の大陸なら、正しい状況報告と言えます。
私も当時のイメージ(来日した中国人たちから聞いた情報)のまま、
「中国では曹操が人気。劉備や諸葛亮は貶められて嫌われている」
と思っていました。数年前まで。
しかし下の記事で書いた通り、現代の大陸をよく知る方から「そうではない」とご指摘をいただいき、自分でも色々調べたところ今は評価が逆転していると知りました。逆転、と言うか昔のオーソドックスな『三國演義』イメージに戻ったのですね。
現実を言えば文革時代でも中国庶民の『三国志』人物に対する人気順位は昔と変わらなかったが、本音を言うと殺されてしまうので「曹操様が好きです! 劉備や関羽、諸葛亮は大嫌いです!!」と叫ぶしかなかったのだと思います。
さらに現代中国の若者は史実をよく学び、『演義』一辺倒だった大昔よりも正しく人物像を把握しているようで、素晴らしく教養が上がったなという印象です。※ただしこれは文学好きな胡錦涛政権時代に育った若者たち。毛沢東を崇拝する習近平政権となってから、また状況は変わっているはず
中国の30年と現在
何故に30年前の中国大陸人が「曹操様好き、劉備嫌い」と言わされていたのかというと、下の記事に書いた通り毛沢東の政策によります。
毛沢東は自分を曹操になぞらえて激賞したので、曹操を批判することは毛沢東を批判することに等しくなりました。つまり曹操を悪く言えば殺される状況だった。殺されたくないから、当時の中国人は必死で曹操を称え、学者も曹操を褒める論文を大量に書き続け、逆に曹操へ対立した蜀人物たち(特に人気の高い劉備・諸葛亮)を貶める悪口を叫び続けたのです。
【参考】
意外にも、周さんもこのような歴史事実をご存知で言及しています。
周さんの記事より再び引用:
ちなみに、中国で劉備のマイナスイメージが広がったのは、毛沢東が曹操推しだったためだという。
堂々とこの事実を公開しているところを見ると、プロパガンダの意図を隠して日本人を洗脳するための記事を書いたわけではないのでしょう。周さん自身も自分がプロパガンダで教育されたとは思っていないのかもしれない。
なお、この毛沢東による「曹操推し」を受け継いで高めているのが日本人左翼と在日朝鮮人です。この者たちの声があまりにも大きいために、今は中国人よりも日本人のほうに曹操ファンが多いと思われています。
日本の状況については以下の記事で説明しています:
周さんの置かれた環境から、誤解である可能性も
周来友さんは1963年生まれ、まさに文化大革命時に幼少期を過ごした人です。
毛沢東の教育を浴びて育った世代なのですから、もしかしたら今も本気で「曹操は文才あって仁義ある素晴らしい人格者」と信じているかもしれません。
少なくとも、周さんと同世代の大陸人がまだ文革時代の歴史観を信じているということは事実だろうと思います。
また、若い世代でも共産党員や、共産党に近い考え方の人たちは毛沢東の思想通りに考えます。毛沢東崇拝の習近平政権となってからは、なおさら文革時代に近い考えをする若者が増えたでしょう。
このような共産党寄りのコミュニティで会話している限りは、「曹操は素晴らしい人格者で、劉備は最低最悪の劣等人間」という話になるはずです。そして、それが「中国人の一般的な評価だ」との認識になる。
実はそれは中国大陸人の1割に満たない人たちの考え方であるはずですが、周さんの環境からはそのことを把握するのはなかなか難しいかもしれません。
我々だって他のコミュニティや若い世代の考えを把握するのは難しいもの。それ以上に大陸人コミュニティは強固な“クラスター”で分かれているので、仕方ないと言えるでしょうか。
周来友さんという人についての印象
なお、私は周来友さんを「共産党の犬」とは思っていません。
『ここがヘンだよ日本人』に出演していた当時は典型的な中国人キャラで、共産党の擁護と反日発言を繰り返していたこともあって、「反日中国人。大嫌い」と思っている人も多いでしょう。
しかし彼の発言をよく聴いていると冷静な意見もあり、骨の髄から共産党に洗脳されている人ではないと分かります。
いつだったか中国政府が最低な行いをしているというニュース報道に接して、周さんが思わず「ボク中国人じゃない!」と叫んだことは忘れられません。人としての道理に照らし恥を覚えて叫んでしまったという感じで、内には真っ当な人間性がある人なのだなと思いました。
さらに近年では中国政府に対する客観的な記事も書いています。ご本人の身辺に危険が及んだらまずいので、引用は控えますが。
だからと言って、私は「周来友さんは日本人にとって安全。在日中国人は全員がトモダチ!」などと言うつもりはありません。たとえ個人としては善人でも、中国本土に家族や親族を残してきている在日中国人が自由意志で生きることは難しい。ですから警戒するに越したことはないでしょう。(個々人で判断しましょう)
ただ言えることは「中国人は全員、性根から悪い奴」という考えは誤りである、ということです。
仮に中国共産党が倒れたら、大陸中国人たちは一斉に本音を話し始めるでしょう。そうなれば、「なかには極悪人もいるが、とんでもない善人もいる」という本性が現れてくるはずです。つまり、中国人も他の国々の人と同じということ。
おとなしい日本人と比べると少々過激で熱い人が多い大陸人。そのような民族性の違いは確かにありますが、人間ですから本質は大差ない。中国共産党が世界に見せている姿は、彼らの民族性ではないのです。
警戒すべきは日本人や在日朝鮮人の左翼
私は周さんのように共産国で育った人たちにはまだ見込みがあると思っています。
彼らは不可抗力で幼少期から共産教育を受けてきただけのことで、自らの意志で共産思想を求め溺れたわけではないからです。
もちろん幼少期からの教育は強烈なので嘘から目覚めることは簡単ではないでしょう。それでも外国に長年住むうち、心の内に「もしかしたら自分が教わってきたことは違うかも」という疑問を抱きながら生きるようになるらしい。そのことは彼らの言動を見ていれば分かります。
それより日本の一般人にとって圧倒で危険なのは、日本人(と在日朝鮮人)の左翼です。
※ここで“左翼”と呼ぶのは真性の共産社会主義者のこと。当ブログ用語定義
日本で左翼と呼ばれるのは、誰に強制されることもなく自ら積極的に共産思想を求め、中毒して溺れてしまった者たちです。正真正銘、骨の髄からの共産主義者ですから、主義のためなら嘘をついたり殺人を犯したりすることを厭いません。カルト宗教信者もそうですが、強制された教育よりも自ら求めた主義のほうが誤りを認めることは遥かに難しいのです。
現に日本人左翼たちは平気で嘘をつき、リンチなどの暴行を日常的に行っています。中国大陸人のように悲惨な殺戮の被害者となったことがないからむしろ質が悪く、まだ「共産主義だけが人類を救う」と本気で信じているので、迷いなく犯罪できるのです。
だから
「日本民族は善良。日本人だったら安心安全。中国人だけ警戒しとけ。中国共産党があんなに残虐なのは、古代からの中国人の民族性のせい」
という話は嘘です。
【関連記事】
この嘘をばらまいているのも日本~東アジアに棲む共産主義者たち(似非保守含む)であることは、当ブログで何度も説明してきました。
彼らの目的は、共産主義者による蛮行の断罪を逃れて生き延びること。そして世界を共産主義で統一する理想を果たすことです。
「民族や血統で差別してはならない!」
と私が叫ぶのはそれが人間として当然の道理だからでもありますが、その前に喫緊で日本人に危険が生じているからです。
民族ヘイトを信じて敵を見誤れば、自由意志を失って共産主義の奴隷として生きる明日が待っています。現実の危険を見てください。
「曹操を好きだと言う日本人は道徳崩壊している!」これが中華圏の一般意見
“曹操は中国人に嫌われている”という裏付けとして、中国~台湾のメディアが書いた記事を引用しておきます。
これが現状の真実を著した「中華の一般意見」だと言えます。
中国メディア「曹操を好む日本人、強者崇拝の愚か者」
こちらは意外にも大陸のメディアによる意見です。
『日本人はなぜ曹操を好むの? 中国ではあまり良いイメージじゃないのに=中国メディア』より引用
中国4大名著の1つである三国志。日本でも三国志に関する小説やゲームなどが多く存在し、なかでも劉備玄徳や諸葛孔明などと並んで、曹操の人気が日本では非常に高い。
中国メディアの今日頭条は、「なぜ日本人は熱狂的なまで曹操を尊敬するのか」と題して、日本人から見た曹操について紹介する記事を掲載した。日本人の曹操好きは、一見すると日本人の国民性とは符合しないように見えるが、実際にはそうでもないという。
「日本で曹操人気が高い」という状況を知って中国人たちは驚いています。このような驚きは中国大陸人が利用するSNSなどでもよく書き込まれています。
オタ系SNSではもっと過激な感じで、「虐殺魔曹操を崇拝する日本の三国迷※、マジキチww(意訳)」と嘲笑されていますが。
※「三国迷」とは、史実を一切学ばずコーエーゲームや『蒼天航路』のフィクションを本気で信じ、おかしな説を吹聴して回る日本の三国志ファンを嘲笑した呼び方です
日本における曹操の評価は、……曹操がいなければ魏書はなく、魏書がなければ倭人伝もなかったため、邪馬台国時代の日本の歴史を知ることはできなかっただろうとしている。
これは笑える勘違いですね。日本の三国迷は、『魏志倭人伝』が三国時代の記録書だということさえ知りませんよ(笑)。無知ゆえに『蒼天航路』を史実と思い込んでいるのですから。
下記引用のような上級マニアはもちろん、「三国迷」の嘲笑から除かれます。
【参考。蒼天航路という漫画について、マニアの意見1】
BA回答:
史実に忠実か、と問われたら「そんな事はない」としか答えようがないんですよね、アレ。正史準拠だとか言われてますし実際に連載開始当初からそう触れ込んでいたのでかなりの人が誤解してますが、実のところ「演義準拠ではない」というだけの話で結局フィクション作品であることに変わりはありません。
まあ、演義で出てこない人物を多数紹介した事は評価出来ますし、曹操を主人公に据えたのも斬新さがありましたが、そもそも初っ端から曹操と面識もなければ正史で何の絡みもない張奐を重要な役回りで登場させています。あれで「史実に忠実」とか言われたら鼻で笑ってしまうレベルですね。
【蒼天航路という漫画について、マニアの意見2】
質問:『蒼天航路という漫画、あまりにも曹操無双じゃないですか? …何かすべて曹操の言う通り、負けたのは曹操の言う通りにしないから、的な感じでちょっと辟易してます。』より
BA回答:
感想を述べれる場なので回答させていただきますね。この作品の絶妙な気持ち悪さをどう表現すれば良いのか難しかったのですが、一言で言えば意識高い系レスバ自慰漫画だと思います。
この作品の定番演出として
登場人物がキメ顔で格言めいた台詞を吐いて
悦に浸ったり相手にマウント取るのが随所に見られます。この作品内では言葉で相手を制圧する奴が偉いという序列になってます。基本的に曹操の言論は絶対でレスバ最強で精神的に常に優位に立ってます。
史実では失敗したり苦境に陥ってる箇所で意地でも恥ずかしい格言めいた言葉をキメ顔で語って自己満足してるのって何か宗教みたいで気持ち悪いじゃないですか。演義の被害者意識なのか無理矢理にでも曹操礼賛したいという気持ちが先走った自慰漫画だと思います。
さらっと英雄視してる、って感じでもないですよね。北朝鮮の将軍様みたいに粉飾が行き過ぎるとかえって否定してやりたくなりますよね。
元のページに戻って。次の分析、
日本人は「強者を崇拝する」習慣があると主張。曹操については悪い面もあるものの、成功者であることには違いないため、日本人から好かれるのも理解できると論じた。それで最後に、「日本人からすると、政治家としての劉備は理想を追い求める理想主義者で、曹操は実際の状況を把握するのが得意な現実主義者なのだ」と結んだ。
などと書かれています。日本人としてつくづく恥ずかしいですね……。
「強者を崇拝する」「虐殺しても独裁した者が正義」という思想は共産国の考え方ですが、まさか逆に共産国の人たちから日本人がこんなイメージを持たれることになるとは。情けない。
確かに現代日本人には「悪いことをしてのし上がった成功者を崇拝する」傾向があることは否めません。
ひろゆきや、ホリエモンなどを崇拝する若者。小山田圭吾の虐めをカルチャーと呼んで称賛する鬼畜たち。日本にはこんな人たちが増えた。「何をやっても言ってもとにかく金稼いだ者が正義、他者から奪って踏みにじった者が正義」という卑しい考え方、いったいどこで身に付けたのでしょうか? 自分のなかに義の心を一切持たないのですね。
かつては判官(ほうがん)びいきで同情心に富んでいた日本人。ここまで民度が落ちました。日教組やメディアによる左翼教育が蔓延した結果、暴力愛好家が増えたらしい。
――と、これも傾向であって日本人全員ではありません。
実は対外的に見えている「日本人の曹操ファン」は90%以上が左翼・反日団体の人たちです。ネットで大声で曹操崇拝を叫んでいる者たちは左翼の活動家ですし、「曹操は善良な正義の人だった」と評価書き替えのための書籍を出しているのも孔子学院の学者たち。(孔子学院は中国共産党のプロパガンダ機関ですが、日本では古典的な左翼学者が毛沢東思想を教えている様子)
劉備や孔明が好きだという日本人ファンは今も多いと思うのですが、ネットでは暴言を浴び脅迫を受けるので発言できなくなってしまいました。下の関連記事参照。
ただ、曹操=織田信長のような美形というイメージを『蒼天航路』で刷り込まれた結果、鵜呑みにして曹操ファンになっている愚かな日本人も一部にいるのは確かです。曹操が民衆虐殺したという史実さえも正当化して萌え萌え叫ぶのは異常。このような暴力愛好家の声が大きいのは、日本の恥と言えます。
【関連記事】
中華圏で日本の曹操崇拝は蔑みの的
もう一つ、カルチャー誌からマニアックな意見を引用。
ここには「中華圏」と書かれているのでたぶん大陸~台湾も含めた華人の一般意見だと思います。
『中華娯楽週報 第23回:『三国志』のここがヘンだよ日本人! 曹操や呂布が愛されて関帝が凌辱される!? 本場の人の疑問をぶつけていくぞ!』より引用。
冒頭から:
本場の人と日本人との理解の違いを客観的に把握した上で、中華の考え方を日本の読者に伝えるために、それらの相違点をちょっとコミカルに表現したいと思う。決して日本人をバカにするわけではないので、勘違いしないようにね!
その通り、あくまでも中華圏で語られている意見を引用しただけであって日本人をバカにする目的で書かれたわけではないと思います。
それなのにコメントには「日本人に喧嘩売ってるのか!」という冷静ではない意見が殺到しています。そのようにネトウヨぶって攻撃している書き込み者は、おそらく日本人ではないのですが。
(以下、軽く雑談です)
文献名、人物名の勘違いは外国だから仕方ないと思って
まず文献の呼び方や名については、小さなことですね。一応引用しておきます。
日本人が小説物語の『三国』を語るときに『三国志』という名を使うことに、私は激しい拒否反応を覚えてしまう。
そのことを知っているマニアも、『三国』と言っても通用しないからあえて『三国志』と言うだけのこと。私もそうです。
あるいは『演義』か『正史』ですね。他の作品を指すときは、『吉川三国志』など作者の名前付け。
だって日本語で「三国」って言うと何か第三帝国みたいで嫌じゃないですか。…と思うのは私だけかもしれないが、とにかく「第三国」など他の一般用語で使われる言葉だから、『三国志』を指す名称としては使えない。日本語圏では仕方ないと思います。
ちなみに正史の『三国志』は基本的に、陳寿というひとりの歴史家が著した書物だ。陳寿は魏を簒奪した晋に仕えたので、魏・晋――蜀漢ではなく――を正統としており、自分の父親が諸葛亮によって処罰されたので諸葛亮のことを悪く書いたとも言われている。『演義』のストーリーに慣れた人からすると、まさに違和感満点!
そう仰ってくれるのは、蜀の視点から見るとありがたいな。
陳寿が蜀寄りの人ではなく、むしろ晋を称えるために『三国志』を書いたのだという真実の情報を広めてくださって助かる。
「劉備玄徳」「関羽雲長」「諸葛亮孔明」「曹操孟徳」……嗚呼、眩暈がするわ。中国人のフルネームは、姓+名(例:趙雲)あるいは姓+字(例:趙子龍)であり、名と字を重ねて呼ぶのはぜっっったいにあり得ない。もし、タイムトラベルをして英雄たちを「姓+名+字」と呼んでしまったら、「なんて失礼なヤツじゃ」とぶん殴られるだろう。
>「なんて失礼なヤツじゃ」
そんなこと思いませんよ。笑
(少なくとも諸葛亮だったら怒りません。日本人は未来人だし外国人なんだし、呼び方を間違えても当然と思う。むしろ未来の外国人が名を知っている状況だけで、とてつもない奇跡ですよ)
それに、他にもっと失礼どころか極悪非道な歴史書き替えが行われているから、そんな小さな間違いはどうでもいいと思います。人物名の呼び方が本当は違うことは、マニアが知っていて初学者に教えているし。
どうかもっと本質的な犯罪に怒ってください。「劉備と諸葛亮はいがみ合っていた」などと、人間性を踏みにじる大嘘のほうが圧倒で許せません。先祖に少しでも想いがあるなら中華圏の人たち全力で怒るべき犯罪だ。
…あと名前に関して余計なこと、
諸葛亮の孔明はどんな孔(あな)も明るく照らすという意味が込められている
これはちょっと本人の意図とは違う解釈と思いますけどね、笑。誰かの学説かな? 「はなはだ明るい」よりはマシですが。
三国志BL、萌え女性化、エロゲーのこと
『一騎当千』や『恋姫†無双』、『恋姫†演武』、『鋼鉄三国志』……我々が尊敬する英雄たちが露出度の高い美少女にされたり、BL大好き腐女子の餌食になったりと、まさに面目丸つぶれ。しかも、18禁のエロゲーまで含まれているんじゃないか! 中国人でも色々な人や物、概念を萌えキャラ化しているが、『三国』の英雄たちに対しては畏敬の念があり、彼らを“侮辱”するような真似はしない――いや、恐ろしいことに最近は日本に“逆影響”されて中華産の『三国』擬人化もあるが、日本のようにメジャーにはなっていないし、エロゲーも作られていない。
うーん…
そうですよねえ、中国が普通の国だったら国際問題になっているほど酷い“侮辱”と感じられるでしょう。自国の歴史人物が、他国でエロ商売の道具になっている状況は。
ただ、私はさほどエロに怒りを覚えません。はじめ諸葛亮がBLの壮絶な餌食となっていることを知ったときはショックでしたが、腐女子たちに歴史を書き換える意図はないみたいだし、それこそカルチャーとして許容できるかなと考えています。見なければ済むという感じ。
ちなみに中国の腐女子が三国人物でBLを描かないのは、単に「子供の頃からオッサン出演の三国ドラマを観て育ったので生理的に無理」というだけだそうです、笑。別に尊敬心があるから控えているのではない。
女性化も同じ。むしろ愛が行き過ぎた感がありますね。オッサンを女性化して楽しむという文化は、現実を想像してしまう私は辛いのですが、BLよりは閲覧に耐えられる※かな。
※私には現実の同性愛者や女装癖のある人を差別する気持ちは毛頭ありません。それとこれとは別。現実なら他人の性的志向にとやかく言うべきではない。しかし三国志人物は史実で同性愛者だったわけではないですから(なかにはいたかもしれんが知らん)、想像するのに抵抗あるということです
たぶん、男のオタクの考えは「オッサンを眺めていても退屈。可愛い女の子なら支持に熱が入る」ということだと思います。その気持ちは分からないでもない。男は女を応援していたほうが楽しい、これ当たり前。アイドルを応援するような気分で楽しみたいのでしょう。だから戦艦でも馬でも女性化してしまうのだよね。
いずれにしても、史実を書き換えるつもりがないのなら罪はありません。それこそサブカルというもので許容されると思います。
でも本人が知ったら怒るだろうなー、特に関将軍(関羽)とか怖いな。苦笑
個人的には孔明=朱里のキャラクター設定はあまり抵抗ありませんでした。「劉備たちより遥かに年下の幼稚園児キャラ」は史実通り、「はわわ」も当たらずも遠からずで、渡邉義浩などの歴史捏造家の嘘よりも遥かに愛ある上級オタクの心意気を感じます。
作品は見ないけどね、実際。笑
演義が原作?はちょっと違う気も…
周瑜の悪いイメージが後世の創作によって植え付けられたということを、多くの中華圏の人は知っている。しかも、諸葛亮など三国時代の多くの軍師がただの文官であるのに対し、周瑜は武将としての才能もあり、まさに文武両道の逸材だ。彼の早死には嫉妬ではなく病によるものだった。周瑜をバカにする人こそ、真のバカと言えるだろう。
これは同意です。
中華圏の人も『演義』だけではなく史実をよく勉強していること、感心だなと思いました。
上から目線で申し訳ない。30年前に比べたら本当に史実教育が進んだものだと感動したのです。
ただ、日本には周瑜ファンが多いので、周瑜が「バカではない」ことはむしろ日本人のほうがよく知っていると思うけどな…? 何故か周瑜を貶めたのが諸葛亮だ※、と思い込んで憎む日本人が多いことは、愚かだなと思いますが。
※周瑜を貶めたのはフィクション『演義』。史実で、諸葛亮は周瑜と何のトラブルも起こしていない
(あと、豆知識ですが古代漢において「文武」の定義は違います。インテリが「文」・肉体派が「武」なのではなくて、政治教養が「文」・軍事が「武」です。なので、諸葛亮も漢代定義では「文武両道」と呼ばれます)
私は、多くの中華圏の『三国』ファンと同じように、10代の頃に『三国演義』を読破し、孔明の死に涙して放心状態になった。『三国演義』自体は史実ではないが、“本物”の(フィクションの)『三国』を知るためには、まず一次創作である原作を読まなくてはいけない。
『演義』を原作と呼ぶのはどうかと思いました。
オーソドックスな設定を学べ、と言うのは分からないでもないですが… 原作と呼ぶべきは『正史(三国書)』ですね。
それにしてもあの『演義』で放心状態になれるとは凄い感性だなと思います。『演義』のトンデモ設定や、現代人から見れば変な価値観に耐えて物語へ入り込むのは至難の業かと。私にはムリです。
「曹操ファンは人間として不完全」「曹操を忌み嫌うのは正常な道徳観の証」
さてやっと本題。これが、中華圏の一般意見です。
曹操が嫌われないのってどういうことよ!?
これも原作を読まないのが原因であると思われる。小説『三国演義』では、曹操は才能にあふれ、誰とも違う独特な魅力を放っているが、同時に残忍な悪漢であり、死ぬ前は彼に殺された無数の人々が続々とその脳裏に浮かんでくるほどの殺人魔である。心がけが極めて悪いよこしまな逆賊であり、漢の忠臣である劉備と鮮明な対比を成している。「乱世の奸雄」という呼称は格好良く聞こえるかもしれないが、多くの見下げ果てた悪事を働いて、今日に至るまで中華圏の人々に罵られている悪者だ。
曹操に魅力を感じるのは奇妙なことではないが、かと言って彼が嫌われない理由にはならない。健全な倫理観を持った人ならば、曹操に憎しみの感情を覚えるのはごく普通のことである。『蒼天航路』の影響もあるだろうが、曹操に対して正義感に基づいたネガティブな感情を持たない者は、何か人間として不完全な気がする。
あるエピソードを紹介しよう。京劇で曹操を演じた役者があまりにも上手すぎた(=邪悪すぎた)ため、義憤に駆られた観客が刀を持って舞台に上がり、曹操の役者を殺したという惨劇が実際に発生したのだ。それくらい、歴史の巨悪である曹操は嫌われているキャラクターである。もちろん、この事件は極端だし、現実と演劇を混同して人を殺傷するのは言語道断だが、曹操を忌み嫌うのはある意味、正常な道徳観の証とも言える。
完全に同感ですね。太字の箇所、拍手です。
『蒼天航路』を史実だと教えられて鵜呑みにしている曹操ファンは、曹操が何をしたか本当のことを知らないで好きになっているのでしょう。織田信長と似た頭の切れる美形だと思い込んでいる。愚かだなと思いますが、無知による思い違いは本当の知識を与えれば治る見込みがあります。
史実の曹操は「美形」でも「正義の人」でもない。正反対:
しかしそうではなく、上記事に攻撃コメントを書き込んでいる者たちのように、史実を知ってもなお「我が曹操様は偉大な人格者だった」と呼ぶ者たちは明らかに人間として不完全。倫理観・道徳観が崩壊した鬼畜だと思います。
女子供・胎児・犬まで含め、無抵抗の弱者を好き放題に虐殺した者を「仁義の人」と呼ぶ異常さ。むしろその凶行ゆえに曹操を称え崇めていることが丸分かりで、おぞましく吐き気を覚えます。
前にも書いた通り、この曹操崇拝の信者たちは虐殺を無かったこととして歴史修正した話をばらまいているのですが、史実を突きつけられ言い逃れできなくなると
「当時は民衆虐殺も一般的に許されて称賛されていたことなんだ、だから曹操様のやったことは正義だ」
との異常な理屈で民衆ジェノサイドを擁護します。(人類史で民衆ジェノサイドが称賛されたことは一度もありません。三国時代でも曹操の凶行は激しく非難されました)
まるで中国共産党の鬼畜な主張を眺めているようだと思うのは、私だけではないでしょう。
おそらくこの「崩壊した倫理観」によって曹操のジェノサイドを擁護している者たちは、左翼に染まった暴力愛好家。ネットに曹操崇拝の書き込みを大量に投下している、左翼団体の構成員(またはアルバイト)だと思われます。
こんな公安警察にマークされた団体の人たちによる虐殺礼賛が、「日本人一般の考え」と見なされてしまう現状を心から悲しく思います。
いっぽうで今回、中華圏の人のまともな道徳観には安心しました。この人たちが存在していれば東アジアの未来にはまだ希望があると感じます。
まとめ 人間の道徳観は民族性ではなく思想による
以上の引用から、人間が道徳観を持つかどうかは、民族(血統)ではなく思想によって決まるのだと分かるのではないでしょうか?
左翼でもない日本人なのに曹操信者になっている人は、いい加減に歴史捏造の詐欺から目覚めて暴力愛好の癖を捨ててほしいです。
この国に人間らしい道徳心が戻ることを願っています。
-
前の記事
「テキストをざっと読むだけ」孔明の勉強法は適当? ギフテッドの学習法を解説 2021.07.30
-
次の記事
ヤフー知恵袋で曹操に関する批判的質問が大量削除されている 2021.08.15