祝サッカーW杯、スペイン勝利。森保監督は韓信か?【背水の陣】
たまには軽めな世間話を。(劉備の伝記続きは近日中にUPします。お待ちくださっている方にはすみません)
遅い話題となりますが…
サッカーW杯日本代表、ドイツ勝利に続き再び“まさか”の奇跡が起き、なんとスペインに勝利しましたね。
勇気をもらえる二度の奇跡に心震えています。
森保監督と日本代表選手の皆さん、「諦めなければ強敵にも勝てる」と証明してくださってありがとうございました。
誹謗中傷に負けず、日本代表を信じて応援を続けたサッカーファンの皆様方にも感謝したいです。おめでとうございます。
この記事では一般人なりに、今大会の日本代表予選試合を眺めて抱いた雑感を書いています。筆者はサッカーにはさほど詳しくないので専門的な話を控え、“戦術”の観点から言える全般的な話をしました。なおサッカーと戦場を重ねて見てしまうのは昔からの筆者の癖です。サッカーはスポーツの中で最も戦場に近いと感じられ、世界大会では国民性が如実が現れるため興味深いのです。
日本人の特性を活かし、強豪相手に奇跡的勝利
今回あの強豪スペインに日本が勝利したことは世界を驚かせました。
思うに、スペインが少々日本をなめていたことが勝因の一つではあるでしょう。決勝行きがほぼ決まっていたスペイン(とは言え試合中に危うい場面あり)はスター選手を温存し、最強の布陣というわけではありませんでした。 →訂正。サッカー解説者の前園氏によればスペインは「一軍で試合に臨んでいた」とのことです。
また前半、コスタリカ戦を彷彿とさせる日本チームの鈍い動きで安心しきっていたところ、後半のスピード転換に不意を突かれ点を奪われたという感じですかね。
しかし「なめる」ことも戦場においては致命的となり、歴史を変えるに十分な敗因となります。
このためわざと「なめさせる」、つまり油断させるように仕向ける作戦もあります。
もしかしたら森保氏はドイツ戦とスペイン戦で、この油断作戦を採ったのではないかと思いました。
だとすればこれは日本人が得意な奇襲作戦と言えます。
弱く鈍く見せて敵を油断させておき、裏をかく急展開で一気呵成に勝利を奪う。
素晴らしい。
源義経から脈々と続く日本のお家芸、その最も完璧なお手本を見せられた想いで感嘆しました。
もしコスタリカ戦での敗北から、スペインを油断させるための作戦として計算されていたのだとすれば森保監督は相当に優秀な将ですよ。韓信※など伝説の戦術家にも近い才を持つ人だと思います。
まあ……それはないでしょうが。笑(ごめんなさい)
あまり褒められたものではないコスタリカ戦での怠慢が偶然にも「背水の陣」を生み、それがたまたま日本人の特性を遺憾なく発揮させた気がしますね。
ただ、ドイツ戦・スペイン戦における前後半のスピードの差を眺めていると、この二試合に限っては油断作戦を採った可能性が高いと思います。さらに日本代表の選手たちには退路を断ってやる気を引き出したと考えられます。
森保監督曰く「前半でできるだけ失点を抑えた」とのことでした。しかし、もしかしたらあえて1点だけ先に相手へ与えて日本選手のやる気を引き出す作戦だったのかもしれないとも考えてしまいます。さすがにコスタリカ戦でわざと敗北させるということは無かったでしょうが、前半の1失点までは計算していた気もします。
実は、このような作戦は戦場で実際にあります。
それが史実としての【背水の陣】です。
先に得点するとつい気が抜けてしまいがちな日本選手の特性から考えて、これこそ強豪相手に唯一勝てる作戦だったのでしょう。
兵士の心理を操るハイリスクな作戦を強行するなど、あの手この手の誰も思いつかない戦法で劉邦を天下人へ導きました。神算鬼謀とは韓信のためにある言葉と言えます。
おそらくフィクション孔明は韓信をモデルにキャラ設定されたのだと思います。しかし史実孔明の戦場での軍略は彼に遠く及ばず。と言うより性格タイプが韓信と正反対です。
諸葛亮はまず、兵士を背水の陣に追い込むなど残酷な手が採れない(HSP)。故にローリスク・ローリターンとなってしまう…。マニアさんたちご指摘の通りと言えます。
戦場でもサッカーでも、日本人はあの小回りが利くスピード感が最大の武器。
ただしスピードは長続きしないので、短期決戦のみで効果を発揮します。
また奇襲作戦は何度も使えるものではありません。当然ながら敵は手を読み、対応してきます。
ドイツ戦スペイン戦での森保采配に私は拍手喝采を送りますが、少しワンパターンな気もします。決勝で同じ手は使えないでしょう。
本来、奇策・奇襲は戦いの始めのほうで採るべきではない作戦なのですね。もし先に奇策を使ったなら、次の手は必ず変えなければなりません。これは当たり前のことなのですが、手を変えるのはなかなか難しい。
特に日本人は始めから奇策を何度も使ってしまう癖があるようです。源義経や三国志フィクションのせいか、「奇策神話」のような無意識の信仰心がある気がします。
そこだけは日本人にとって良くない癖です。もっと基本の要のところ――サッカーで言えば個々の実力とチームワーク(若手を前に出す等)ですか、その部分を大事にしていって欲しいなと願いますね。応援する側も基本に着目して、褒めるべきところを褒めていくべきかと。
采配だけで勝てる試合はない、奇策だけで勝てる戦争はない。
ついつい監督の采配ばかりに注目が行きがちなのですが、今回の日本代表は若手選手の成長、実力がアップしたことこそが最大の勝因だと思います。
たとえば三苫薫選手・田中碧選手の幼馴染コンビを中心とした若手の活躍が目覚ましいですね。彼ら若手を抑え込まず、サポートに回り活かした年長者の意識も成長していると思います。これぞチームプレイ。
全体に、「勝利」という共通の目標へ向かうことができている。W杯しか観ない筆者のようなニワカであっても、日本選手の成長が確信できました。
決勝および次回大会へ向けて成長を続けていって欲しいです。
(果ては日本人全体にこの気運が広まるといいなと期待)
批判はいいが、個人攻撃の誹謗中傷はアウト
今回の大会では良い話ばかりではなく、悪い話も報道されていました。
日本人の「手のひら返し」についてです。
大会が始まる前は森保監督を「無能」と呼び、ドイツ戦で勝利したら手のひら返しで「ごめんなさい」「感動した」と言い、次のコスタリカ戦で敗北すると再び手のひら返しで誹謗中傷……。
特にコスタリカ戦後の誹謗中傷は醜いものでした。選手への個人攻撃だけではなく、選手の家族にまで突撃して暴言を吐く人もいたとか。最低過ぎる。心の底から軽蔑、人間性を疑います。
批判を非難する人や、この状況も冷笑している人も多くて
日本人、手のひら返しが激し過ぎて手首骨折多そう
との投稿には笑いましたが。(同様の投稿が多数あり)
コスタリカ戦での批判は妥当
ファンたちがコスタリカ戦で批判するのは仕方ないと思いました。
敗けたこと自体ではなく、敗け方が悪かったですね。
劣勢だというのに「余裕かましてバックパスで怠慢」。その怠慢ゆえにボールを奪われ点を獲られてしまう展開は、不可解としか言いようがない。おそらく点が入らないので疲れてしまったのだと思われますが……それにしてもゴール前でパス回しの時間稼ぎは意味不明です。7点くらい優勢だったっけ? と目を疑う行為。
日本代表の試合でよく見かける光景。「またやってるのか」と、必死で応援しているファンの方々が激怒するのは当然です。それほど真剣に観ていなかった私も怒りが湧いたくらいですから。
2018年のポーランド戦ほどではありませんが、悪にも見える怠慢だったと思います。
手のひら返しが酷すぎるのはファンではなく選手たちでは。バックパスしながらズルズル自陣に下がっていく姿を見て、敗戦を覚悟した。先祖返りというか、日本のお家芸といえる。
— 花酵母 (@hanakobo21) November 27, 2022
そのような、誰が見ても悪いところは指摘し的確に批判していくべきでしょう。
適切な批判すらできない空気をつくって甘やかしてはいけません。
信じて応援を続けるのは大事なことですが、甘やかしてダメにするならファンとは言えないと思いますよ。
ただ、選手の個人攻撃をして吊るし上げるのは明らかに間違っています。まして家族まで誹謗中傷するとは。これらは人間性を疑われるだけではなく刑法違反です。逮捕され処罰されるべき。
個人攻撃はイデオロギーによる歴史修正に近い犯罪
現在、三国志では政治的イデオロギーに基づいて史実を歪め、蜀人物を貶める犯罪が公然と行われています。サッカーでも選手への感情的な個人攻撃はこれに匹敵する犯罪だと言えます。
個人攻撃はその人の人格・名誉を傷付ける。まずこの精神殺人が犯罪であることは言うまでもありません。
さらに著名人に対する攻撃では、「事実(史実)を正しく考察し、未来へ活かす機会を人類から奪う」→「考える機会を奪い、思考停止させる」という大規模な罪へ繋がります。
サッカーはサッカー界だけの狭い話になりますが、選手への個人攻撃で事実を歪めることが、大勢のファンおよび未来の選手から考察の機会を奪っているのだと言えます。
正しい批判をしてファンがチームを成長させていく。
そんな土壌を作るためにも選手への歪んだ個人攻撃や誹謗中傷を抑え込んでいく必要があります。
現実を分析しての的確な批判なら必ず本人たちにとって役に立つでしょう。
「素人の分析なんか役に立たない」と言われますし、ニワカの意見が役に立たないのは確かなのですが、なかには圧倒的に知識の高いマニアさんもいますね。そのようなマニアの声はきっと監督・選手たちも参考にしているはずです。
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