蜀嫌い、孔明嫌いは“自然の流行”…? 三国志ランキングでわかる実態

蜀嫌い、孔明嫌いは“自然の流行”…? 三国志ランキングでわかる実態

Togetterまとめにて、さっそくいただいたコメントのなかで「曹操人気(蜀嫌い、孔明嫌い)は自然に起こった流行だ」という書き込みがあったのですが、本当なのでしょうか?

現実に行われたアンケートやランキングの結果を見ると、どうも「孔明は日本人に不人気」という話も嘘。

つまり曹操人気や孔明不人気は、自然発生の流行ではなかったどころか現実を反映してさえいないようです。

 

goo三国志武将ランキング

たとえば、2007年に行われたランキングの結果がこちら。

goo 好きな「三国志」の武将ランキング

4位には曹操が37.3で入ったものの、上位から6位までを蜀が占めるという蜀人気ぶり。

特に孔明は値100ということで……え、100!? (今改めて見て驚く)

複数回答可のアンケートで全員100%が投票したということになるのでしょうか。その辺りはっきり表記されていないので不明ですが、とにかく圧倒人気だったようで嬉しく思います。

2007年の調査。と言うことは『蒼天航路』の連載後で「日本では曹操様がぶっちぎり人気!」と叫ばれていた時期なのに、実態は違っていたのですね。

 

三国志Three Kingdoms人気投票

次に、華流ドラマ『三国志Three Kingdoms』が日本で放送されたときにオフィシャルブログで行われた人気投票です。

フィナーレ~人気投票結果~ (人物編)

第1位・・・諸葛亮 94票
これまでいろいろな諸葛亮を見ましたが、今後私の中ではこのドラマの諸葛亮像で固定されます。  万人が想う諸葛亮像を足して足しっぱなしにしたよう。  しかし、キラキラと余裕の笑顔だったのは最初の頃だけ。  いつの頃からか…荊州を争う頃からですかね…眉間にシワがより難しい表情ばかりになりました。  なにより神がかり的な存在としては描かれず、苦悩し、ときに感情を露わにする人間臭さが新鮮でした。  その分、長い北伐の苦闘と苦悩は見ているこちらも眉間にシワが寄り青息吐息でした。(きらつぶさん)
みなさんが投票するだろうから私はあえて投票しなくてもいいかなぁ、などと思っていましたが、ドラマ終盤を見ていたらやっぱりこの人をはずすことはできなくなりました。「万能の人」のイメージには魅かれなくとも「悲運の人」の側面を知るとやはり……。(Kaorindさん)
上方谷のシーンは圧巻でした。結末が分かっていても「よし!勝てるぞ!!」と思ってしまいました。(太刀一筋さん)
哲舟より・・・やっぱり、ダントツ。この人は三国志の中でも別格な感じがします。きらつぶさんが書いておられるように、本作では超人的な活躍ではなく、「人間」孔明の部分がクローズアップされました。個人的には、漢中以降は笑顔があまり見られず物憂げな表情ばかりになってしまったのは、気苦労を表すためとはいえ、ちょっと残念だったように思います。

と、いうことで、“ダントツ”だったそうです。

壮絶な孔明貶めキャンペーンが行われている最中だというのに、ブレない皆さんの気持ちに感動。まだこういう人間の心を持つ人たちが日本にいたと知っただけでも嬉しく、ありがたいことだと思います。

このTKランキングでは意外にも魯粛が2位、劉備7位、関羽らは振るわずという変わった結果だったようです。

このように特殊な状況だったにも関わらず孔明が不動の人気を獲得した。しかもかなり史実寄りの人間的な表現で1位になった、ということを大変嬉しく思います。(孔明を演じた陸毅さんのおかげもある。私が思うに、陸毅孔明はこれまでのフィクションキャラのなかで最も現実の諸葛亮に近いです)

Kaorindさん>「万能の人」のイメージには魅かれなくとも「悲運の人」の側面を知るとやはり……。

この言葉に、不覚にも涙……。

※インテリ呼ばわりされた経験を持つ人間の弱点でして、能力ではなく人間性を語る優しい言葉に弱い

途中まで趙雲と1位を争ったみたいですね。せっかくですから、趙雲と劉備の評価も引用しておきます。

 


文句なしでかっこよすぎる!!  元々好きだったけどこの作品の趙雲の凛々しい眼差しに射抜かれて、ますます好きになってしまいました。  まさに白馬騎士!!守ってもらいたいww (ゆつき りょうさん)
特に阿斗を救出したシーンは感涙ものでした。演じられたニエ・ユエンさんが、生真面目な性格の趙雲のイメージにピッタリでした。(kimuchi さん)
哲舟より・・・途中までは1位を突っ走っていたのですが、終盤でやや失速。それでも「武人」としては堂々の1位を獲得。私は個人的に、関羽や張飛のように欠点を持った人物のほうが好きなのですが、だからといって趙雲は嫌いになれません。嫌味な所がまったくないのが強みですよね。あ、みなさん意外に目立つのが「超」雲という入力ミスです。馬超の「ちょう」ではなくて、「趙」雲ですよ!(笑)


第7位・・・劉備  36票
魅力的な方です。特別、関羽のように武芸に長けている訳でもない、孔明のように知略に長けている訳でもない。なのに、どこかに惹かれてしまう。関羽、張飛、趙雲、そして孔明などの名だたる人物達が最期のその時まで、慕い続けた理由が分かる気がします。 亀の甲羅で占いするなんて、かわいすぎる。三兄弟で仲良く手をつないで退場するなんてかわいすぎる!!反して、いつもは物腰柔らかなのに、いざ兄弟や趙雲、孔明が危ういとなってくると態度が一変するところも大好きです。 夷陵の戦いでは、趙雲や孔明の進言も聞かずに暴走気味でしたが、それも兄弟を思っての仁徳の深さ故。 その場にいるだけで、こんなにも人々を惹きつけてしまう君主ってそうそういるものじゃないです!! わが君、劉備殿万歳!!(翔さん)
哲舟より・・・どんなに我儘でも頑固でも、不思議とついていきたくなる劉備という人の魅力。初期の頃は無口で無表情で、「次は何をやるんだろう?」という不気味さや物珍しさ、自ら剣をとって闘うところも良かった。これまでに見てきた中で最高の劉備像が見られたように思います。数多の勇将、知将を抑えての7位。

このドラマは中国共産党制作。だから私は生理的に無理で冒頭しか観ませんでした。しかし冒頭だけでも、あの言論統制されている国で「史実を描いてやろう」という監督の意気込みが感じられ、日本の三国志創作より遥かに誠実で感動しました。

個人的には冒頭で呟かれる陳宮の台詞に痺れましたね、監督の本音という気がして。おそらく最後まで陳宮は現代中国国民の本音・良心を表していたのではないかと思います。(そんなTK陳宮が10位以内に入っているのが嬉しかった)

 

歴史街道 あなたが好きな三国志人物ランキング

こちらは比較的に最近のアンケート結果です。

2019年『歴史街道』で行われた三国志人気ランキング。

Web歴史街道 あなたが好きな「三国志」の人物は? ランキング

1位、諸葛亮(孔明) 29.2%
2位、関羽 12.3%
3位、曹操 趙雲 劉備 8.4%

6位、呂布 4.1%
7位、張飛 3.7%
8位、姜維 2.1%
9位、張遼 1.6%
10位、徐庶 1.1%

蜀の「智」と「武」が揃った1位2位

「三国志」の人物ランキングで第1位に輝いたのは、演義の中盤から終盤の主人公ともいえる、蜀の軍師・諸葛亮(孔明)でした。やはり、「三国志」と聞けば真っ先に思い浮かべる人物という、知名度の高さが大きく影響しました。そのほか「現代に名が残るほどの優れた軍師だから」(40代、男性)や、「劉備に対する真の忠節は天晴れで、劉備を超えて好きになりました」(30代、女性)など、優れた軍略や忠義に厚い姿も、多くの方の心を掴んだようです。また、赤壁の戦いを描いた、映画「レッドクリフ」から好きになったという方も。

第2位には、劉備や曹操など人気の人物を追い越し、劉備の義弟の一人、関羽が見事ランクイン! 「武に優れ、文にも長け、忠義を重んじる性格の持ち主で、人として大変魅力的なので」(60代、女性)といった意見が、非常に多く見受けられました。たしかに、曹操に厚く遇されながらも、5つの関所を突破し劉備のもとへ駆け付ける、関羽の千里行のエピソードを知ると、好きになる気持ちもわかるような……。

中国共産党が『三国志展』を開催するなどして、曹操上げの一大キャンペーンを行った2019年。

ネットにおける大量の誹謗中傷書き込み、渡邉義浩など学者を使ってまでの全方位「孔明貶めプロパガンダ」が行われているというのに、諸葛亮が30%近くもの人気を獲得し1位……。泣けてしまいます。

これは、あれほど大々的であっても孔明貶めプロパガンダはほとんど功を奏していない、と思って良さそうです。

(それでも虐殺王である曹操の人気が劉備と並ぶなど、昔の民度高い日本なら考えられないこと。曹操上げプロパガンダは成功したのか、それとも民度が下がって虐殺を喜ぶようになったのか?)

 

結論 「孔明人気ない」もプロパガンダ、嘘だった

ここに挙げたランキングアンケートは一般の方を対象としたもので、バイアスがかかっていないと思われるので参考になりました。

結論です。

書き込みと現実の人気がかけ離れている

どうやら、ネットで声高に叫ばれていることと、現実を反映した人気ランキング結果はかけ離れているらしい

ということは、「曹操人気」や「蜀の不人気」は自然発生の流れではなくプロパガンダです。

「日本で蜀の人気は地に落ちた。諸葛亮・孔明は圧倒で不人気!!」という各方面での書き込みもそれ自体が嘘。プロパガンダだったようです。

なんだかこれに似たものを感じました:

選挙では不自然な8500万という歴代最高得票で当選したことになっているB氏だが、現実では国民人気を全く獲得していないらしい。このことはたとえば、彼らがコントロールできないらしいYouTubeのGoodとBadの圧倒差などで分かる。

それなのに、現実は無視して口先だけで「B様には人気がある!」と彼らは空しく叫び続ける。

本場・中国では蜀が不人気?

ちなみによく見かける、「中国本土で諸葛亮はとても嫌われている。ランキングでは最下位、知名度もそれほどない」という書き込みも嘘でした。酷いですね、本当に。私もずっとその話を信じていましたよ。

確かに1990年代初め頃までの中国人は、『三国志』が史実をもとにした物語だということを知らない人が多かった。また、文革の影響で蜀人物が嫌われていたのも事実です。しかし現在の大陸事情をご存知の方に伺ったところ、今の中国人たちに諸葛亮はほぼ100%の知名度であり、人気も高いそうです。

参考:

諸葛亮は現代中国人(若い世代)にはどう思われているか?

先日私が息抜きに観ていたフィクションドラマ『晩媚と影』でも、諸葛亮の名がなんと3回も出てきました。エンタメと思って気を抜いて観ていたので不意打ちでした。考えてみれば“若様”はフィクション孔明っぽいし、“晩媚”は女性ですが史実の諸葛亮っぽいです(泣いてばかりいるのに正義正論を貫こうとするところが史実孔明。ラストでは晩媚が団扇を持つことになったので、私の推測通り監督さんは彼女に史実の諸葛亮を投影していたようです。姹蘿は曹操にそっくり)。

最も著名な華流ドラマ『琅琊榜』も、そのタイトルで既に分かる通り主人公のキャラクター設定は孔明がモデルでしょう。

中華では逃れられないほど孔明のイメージは文化として浸透しているようです。眩暈がするほどに。

日本でも中国でも蜀貶めプロパガンダや「嫌われている」という噂を流してファンを孤独にする、という作戦は失敗し続けているようです。

庶民をなめるな、と思います。

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