認知戦とは? メディアが上から「民意」を強制、あなたが兵器となる時代
ロシアによるウクライナ侵攻から21日、フェイク動画などを用いたプロパガンダは醜悪さを増してきました。
全てのメディアが足並みを揃えて同じ視点からの物語を叫び続ける、言わば“全方位プロパガンダ”の絨毯爆撃です。
これは民間人に対して行われるハイブリッド戦としてのプロパガンダです。
このように民すなわち一般大衆をターゲットした洗脳戦術を、最近では「認知戦」「認知戦争」と呼ぶそうです。
相手国を攪乱する目的で偽情報を流す「情報戦」とは定義が異なり、プロパガンダでマインドコントロールした民(大衆)を兵器化して使役するための戦略だと言われます。
つまり先日引用した苫米地氏の言葉を借りれば、「認知戦のターゲットはあなた!」ということです。
自身が殺戮マシーンとして消費されることを防ぐため、「認知戦」の手法を学び“精神の防衛”をする必要があると思います。
★この記事後半では中国思想『孫子』などと認知戦の違いを説明します。現在ネットで「認知戦は中華思想!起源は中国!」と嘘を吹聴している人たちがいるので(これも認知戦の一種)、騙されて誘導されないよう基礎知識を身に付けましょう。
Contents
認知戦争とは何か? 定義
この概念が提唱され始めたのは2010年代後半から。
デビッド・ゴールドファインというアメリカ空軍の将軍が最初の提唱者だそうで、NATOの戦略定義に加わり研究されることになりました。
言葉の定義を簡単にご説明します。
「認知戦」または「認知戦争」とは、英語では“Cognitive Warfare”といい、Cognitive(認知)領域でのWarfare(兵器、戦闘)のことです。
どういうことか?
現代の軍事では戦闘が行われる戦場領域として、
・陸
・海
・空
・宇宙
・サイバー空間
の5つに分かれると定義されています。
ここへ新たな領域として加わったのが、
・認知(脳)領域
です。
これは「人間の脳が戦場である」という定義なのですが、もっと正確に言えば国家トップの脳はターゲットではなく、“世論”を担うとされる一般大衆(民)の脳が主な戦場ということになります。
民主主義において「権力の主」となるのは一般大衆すなわち民。このため、相手国の情勢を握る“民の脳”を自在にコントロールするための調教こそが肝要となる、だからこれからは脳が戦場の最前線だ――というわけです。
具体的に!
実際どのような作戦が行われるかというと、
大手メディアや工作員を用い、一般大衆(民)へ特定の情報を浴びせて思考を乗っ取り(脳をハッキング)、大衆を兵器として自在にコントロールし、敵国を内部から崩壊させ敵政権・社会・文化を破壊する
となります。
共食いのジェノサイドへ誘う悪魔の戦法
「思考を乗っ取る」「脳をハッキングする」とは恐ろしい表現ですね。
カタツムリに寄生して自殺へ誘導する虫を思い出しました。
この寄生虫は鳥の体内で卵を増やし、フンによって拡散することで繁殖します。そのために卵を食べたカタツムリの脳を乗っ取り、行動をコントロールして鳥が食べやすい葉先などへ誘導します。つまりカタツムリの自殺を誘導する。
「認知戦」で行われるプロパガンダ工作はまさにこの寄生虫に似て、本人の意志を奪いコントロールし自滅へ誘導するものです。
ただし人類が生んだ脳ハッキングプログラムはカタツムリの寄生虫よりも遥かに質が悪く、敵国の社会を根底から崩壊させ文化も消滅させる目的を持ちます。最終的に共食いのジェノサイドへ誘う悪魔の戦法と言えます。
【良動画】基本についてもう少し詳しい話。苫米地氏の解説動画を引用した記事
「ロシア人がネオナチに虐殺されている」はデマ? 正反対テンプレの解(https://antic.fc2.net/blog-entry-94.html)
認知戦、近年の具体例
この認知戦が実行されたと思われる近年のプロパガンダを挙げてみます。
・2020年初頭頃。新型コロナウィルス発生初期から生物兵器だとの声が専門家たちの間で上がっていたが、この声は全メディアによる一斉の「デマデマ」大合唱によって検証されることもなく潰された。WHOも生物兵器の疑いを大声で否定し、SNSでは生物兵器説を唱えるアカウントは削除されるか低浮上となった。
・2020年アメリカ大統領選挙直前、警察官によって黒人が殺害されるという事件が(民主党にとって何故か非常に都合の良いタイミングで)起きる。その後「トランプのせいで黒人が殺された」と主張する左翼メディアの一斉プロパガンダが行われた。同時進行で、アメリカ全土において極左集団ANTIFAが誘導したBlack Lives Matterのデモ隊が蜂起した。その後アメリカ各所で左翼暴動が頻発し、歴史的建造物が破壊されたほか、傷害や殺人も多発。一部地域では共産主義による国家独立が宣言され無法地帯と化した。この事実を大手メディアが報道することはない。
・「ファイザーの新型コロナワクチンは重篤な副作用ゼロ。死者ゼロ。安心安全」というリスク情報を握り潰す非科学的な報道が横行。反論者には「頭のおかしい反ワクチン陰謀論者!」とのレッテルを貼って言論狩り。さらにインターネット検索、SNS等における広範な言論統制が行われた。
・2020年アメリカ大統領選では明らかな不正投票の証拠があったにも関わらず、全メディアを使い「デマデマ」大合唱にて反論を全力で潰した。ワクチン同様に反論者へは「頭のおかしいQアノン信者」とのレッテル貼りをして口を塞ぎ、SNSでも反論者のアカウントを抹消するなど現実に共産国同様の言論弾圧が行われた。
・米国議事堂襲撃はトランプが誘導したとの反転報道、ナチスと同じ自作自演の報道で政敵トランプを全力で潰した。
・2022年現在、ロシア侵攻後のウクライナ戦におけるメディア報道、SNS全方位の「プーチン悪!」「ウクライナは善、ゼレンスキーは正義の味方!」という大規模プロパガンダが行われている。ウクライナ側のフェイク動画は検証なしにテレビで毎日流され、ロシア側の動画は「嘘」と断言されて吊るし上げられる。
等々です。
大手メディアが真顔で稚拙な断言をする(嘘をつく)
今もウクライナ戦に関して行われている通り、どちらが真実か分からない時点で大手メディアが「Aが嘘を流しています」「Aが完全に悪い」と断言。自分たちに世界の真実を創作する権利があると思っているらしく、客観的な調査もなしに幼稚な“判定”を降して強制してくる。
この客観性ゼロの一方的な判定の押し付けがおぞましく、筆者は吐き気を覚えます。共産国そっくり。まるでソヴィエトや共産中国、北朝鮮に住んでいるかのようです。
プロパガンダは「民意」もどきである
これらのプロパガンダに共通するのはメディアが強制する「民意」もどきだいうことです。上から大声で考え方を押し付けているだけのことで、決して一般から沸き上がった本物の「民意」ではないということ。
どこが「認知戦」で思考ハッキングなのでしょうか? 共感を得るための努力も工夫もない。丸分かりの単純な嘘をメディアという圧倒権力を用いて叫んでいるだけ、反論者を言論弾圧の実力行使で黙らせているだけという頭の悪い力わざ。
つまり、彼らが言うところの「認知戦」とはあくまでも「脳をハッキングしたつもり(笑)、民意の強制戦」だと言えます。
古臭いプロパガンダ手法「嘘を百回唱えれば真実になる」を相変わらず信じている。「民は家畜の羊だから我々が支配してコントロールしてやらねばならない」と考える、少数1%のトップによる傲慢な意見の押し付けです。
認知戦は失敗している
そんな稚拙なプロパガンダで民意が得られるわけがありません。
実際に今のところ一つも「民意」を焚きつけることに成功していないと思います。
左翼メディアが「民意」と呼んで映し出すデモの映像も、よく見れば現実にデモをしているのは極左活動家だけ。
ロシアについて言えば、一般大衆をプロパガンダで焚きつけ革命を起こし、プーチンの帝国主義を打倒してソヴィエトを再興させる計画があるようです。しかしいくら左翼が騒いでもいっこうに大衆への火はつかず革命計画は難航しているようです。当たり前ですがね。
武力侵攻した点については明らかにプーチンが悪いにも関わらず、メディアがあまりにもチープな勧善懲悪を叫ぶせいで次第にプーチンの支持者を増やしているように思います。西側左翼の「認知戦」は完全に逆効果です。
ウクライナについても同様。ロシアのプーチン大統領を悪者にするため罵倒すればするほど、ゼレンスキー側の闇にスポットが当たり多くの人が知るところになっています。左翼あるある、「雉も鳴かずば撃たれまい」です。
【以下ウクライナの闇についての動画を埋め込みしていましたが、下記の通りYouTubeが言論統制し削除しています】
(ニコ動などで探しましょう:
緊急配信!『本当は何が起こっているのか!?ウクライナ危機 現地”生”情報から分析する!』ゲスト:危機管理コンサルタント 丸谷元人氏)
2020年アメリカ大統領選の「認知戦」でも同様の結果となりました。
新型コロナウイルス流行、黒人の死亡事件という民主党のために有利な事件ばかりが何故か起きたうえ、全面的に大手メディアが支援したプロパガンダ戦が遂行されたのですが、「民意」を動かすことは僅かもできませんでした。蓋を開けてみれば当時のトランプ大統領が史上最高得票数を獲得。このため対立候補は不自然な“バイデンジャンプ”をする他なかったわけです。スマートな「認知戦」の要素など欠片もありませんね。
その後も全メディアが「バイデン様の不正選挙はデマデマ」、「トランプは極悪非道な犯罪者」「我がバイデン様は完全正義の人格者!」と大絶叫したのですが、本当の民意は下の通りお粗末な結果となっています。
【真の民意】
以上の通り、ここ数年のNATO・左メディアによる「認知戦」は完全に失敗だと私は思います。
しかし大衆が誘導されないからといって引き下がる者たちではありません。
上からのプロパガンダに効き目がないとなれば、今度は金や権力を使って実力行使するしかないでしょう。そのうち反論者の肉体を拘束して拷問、言論封じのための大量処刑が始まるはずです。
古代中華思想と認知戦は同じではない!
さて、ではこの認知戦という定義はいったいどこから生まれたのでしょうか?
「中華思想こそ認知戦の起源だ!」と吹聴している人たちがいるので、誤りを指摘しておきます。
「認知戦」は中華思想だと誤解している人が多い
『超限戦』で記されたハイブリッド戦、現代の中国共産党が行う謀略戦にも共通項があるため
「認知戦は古代中国が起源だ」
「中華思想こそ諸悪の根源だ」
と勘違いしている保守の方が多いようです。
例によって“人類の悪い行いの起源はすべて中華思想”というアクロバットな謎の理論によって全ての罪を古代中国人へなすりつけるつもりらしい。
実は、この中華思想ヘイトも「認知戦」の一種で、東アジアに血で血を洗う民族紛争を起こすためのジェノサイド誘導だということをご存知ない? 「モンゴル帝国は漢民族による中華思想帝国」などという矛盾そのもののお馬鹿な説を主張される前に、一度中学生程度の世界史を復習してください。
【復習】元(モンゴル帝国)はモンゴル民族の国。それと古代中華は中央集権ではなく封建制です… 要、基本歴史知識:
たしかに古代中国にも『孫子』があり、「兵は詭道(軍事は騙し合い)」「戦わずして勝つ」との有名な言葉は現代ハイブリッド戦に近い考え方です。(ただし現代ハイブリッド戦は『孫子』の劣化版です)
諸葛亮が言ったとされる「心を攻める」も、現代人には「民を洗脳してコントロールするマキャベリズム」と解釈されてしまうようです。
【詳細】「心を攻める」の意味をどうか正しく理解してください。そもそも諸葛亮は異民族洗脳・独裁・弾圧の意味で言っていない、史実の行動を見て:
こちらも『正議』や天道について詳しい話。中華ジャンルに興味のある方はお読みください。
認知戦の起源は? 古代中華の「民意戦」との違い
もう少し根本的な話をしましょう。
現代「認知戦」論の構造を眺めていると、そもそも古代の素朴な「民意戦」とは根本から異なることが分かります。
その違いとは、
✔認知戦 … 人口比1%に満たないごくわずかな支配層(または革命の旗手)が、民へ嘘を教え込み洗脳して殺人兵器として利用する。民は家畜であり道具でしかないのだから、前線に送り込み殺戮マシーンとして消費して良いと考える。自分たちの意に沿わない民は「アウトレット」の欠陥品だから殺処分(虐殺)すべきとする。
✔古代民意戦 … 国政を担う者は「天命」を受けて政治を代行しているだけに過ぎない。「天命」とは事実上、道義で判断している民の意志である。「民意=天意=道義」であるから、為政者は道義に従って行動すべきとされる。為政者の権利の源でもあり親にも等しい民は、献身的に従い保護すべきという考えが自然に生まれる。
です。
お分かりのように、コントロールする者・される者、権力の方向が正反対ですね。
これは思想の起源が異なるからです。
現代「認知戦」の根本にあるのは、民を支配し消費する家畜と見たマキャベリの思想でしょう。
後にマルクス・レーニンによって家畜たる民を焚きつけ、革命のための暴動を実行させる殺戮マシーンとして利用する手法が具体化されています。これは一神教を起源とし、支配者が権力を独占するための不自然な統治手法です。不自然であるから恐怖による支配が必要となります。人類史においては比較的に最近の2千年ほど前に生まれた考え方です。
いっぽう古代の「民意」に重点を置いた統治法は、古代人類の本能に基づくもので多神教に属します。かなり古くから洋の東西を問わず存在した真なる「民主」の考え方ですが、西洋ではキリスト一神教が支配した時代以降、弾圧されて地下へ潜りました。
なおギリシャのアテナイには後者の民主主義を極端にした投票制度がありました。しかしアテナイの民主主義はまだ未熟で、システムに脆弱性がありポピュリズムという別のものに変化してしまったようです。また中華であっても、始皇帝が独裁支配したときに作られた「性悪説」に基づく恐怖政治は一神教とほぼイコールになります。
悪魔の洗脳プロパガンダを許してはならない
最後に重要なことを繰り返しますと、認知戦という現代軍事の定義は西洋に由来する悪魔手法です。
発祥と実行者の流れは
一神教 → マキャベリ → 悪魔崇拝 → マルクス → ソヴィエト・コミンテルン → アメリカ左翼(ネオコン≒マルクス主義トロツキスト) → NATO(下層の実行部隊はネオナチ。ウクライナにネオナチの拠点あり) ⇔現NATOトップ(アメリカ大統領)の協力者として、中国共産党
となります。
この流れを見れば一目瞭然でしょうが、中国の「中華思想」が諸悪の根源なのではありませんし、まして「プーチンただ一人が悪人」なのでもありません。
私は権威主義のプーチンのことが個人的には嫌いですが、上の囲みで挙げた悪魔たちに比べたらごく普通の古代的な為政者と思えます。むしろ、プーチンはロシア皇帝になりたかっただけの人。皇帝を気取ったために、共産主義者たちが憎悪する「帝国主義者」と見られたので潰されようとしているのです。いっぽうの習近平は皇帝ではなく共産主義の体現者となろうとしているため欧米左翼にも認められ、盛り立てられています。いずれ内ゲバで潰されるのでしょうが。
なお、最近では「DS」などと呼ばれ首謀者であるかのように誹謗中傷されているユダヤ金融界の人々ですが、ユダヤ人だけが悪なのではありません。彼らが悪魔崇拝に関わっていることは事実であり極左活動へ資金提供していることは事実でも、極左がユダヤ人だけということは全く有り得ないでしょう。「ユダヤ民族を抹殺すれば世界は平和になる」などと主張する民族差別陰謀論も、上の赤い囲みに挙げた者たちによる目くらましの認知戦なのです。
このような人類の精神を乗っ取り蹂躙する、奴隷支配の犯罪を受け入れてはなりません。
「民の思考をハッキングして殺戮兵器として使う」など人権侵害と呼ぶには足りない。極悪非道、非人道、許しがたい地獄の行いです。
マルクスは「この世に地獄を実現してやる!」と言って『共産党宣言』を書きましたが、今本当に彼の夢が叶おうとしています。
地上が「地獄の楽園」となるディストピアはもう、今ここ。
メディアも最高権力も世界最大の軍事力も奪われてしまいました。この世界支配者となった地獄の虫たちに抗えば殺されます。
私を含め一般人には反抗は難しいと言えますが、せめてメディアのプロパガンダを鵜呑みにして自ら殺戮マシーンの兵器となることはやめましょう。
どうか騙され続けることをやめてください。
天地をひっくり返す「デモ」を装った地獄革命に加担しないことです。
【続き】ウクライナ「認知戦」、フェイクのまとめと今後の予測
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