三国志って何? 基礎から学ぶ『三国志』おススメ3選

三国志って何? 基礎から学ぶ『三国志』おススメ3選

〔2023年9月26日 修正〕

『三国志(さんごくし)』は中国古典で最も有名な物語です。

タイトルだけは誰でも一度は耳にしたことがあるでしょう。中華圏の人々の心に深く根付いている物語なので、現代中国をウォッチするにも必須の知識と言えます。

でも、日本では学校で『三国志』のことを教えません。このため

「サンゴクシってよく聞くけど、今いち何のことかわからない」

という日本人が大半だと思います。

あるいはゲームで知ったつもりになっている方が多いかもしれません。ところがファンタジーゲームで少し触れたくらいでは理解できないのが、このジャンル。

いざ『三国志』について学習し始めようと思っても、世の中に『三国志』というタイトルを掲げたコンテンツは腐るほど溢れているので、何から手をつければ良いかわからない… と悩んでしまう。

この記事では、そんな悩める初心者の方向けにおススメの『三国志』本をガイドしていきます!

さらに少し怖い話で、現代には歴史捏造の悪質フィクションも溢れているというお話もします。初心者のうちに落とし穴にはまらないよう、一歩ずつ道順をガイドさせていただきます。当記事を現代『三国志』ジャンルを歩くための足元灯として役立ててもらえたら嬉しいです。

★今のところ長いフィクションを読んでいる時間はない!という方はこちらをどうぞ:

超簡単!さくっとわかる三国志あらすじ【現代日本人向け】

 

Contents

まずは「三国志って何?」の質問にお答え

基礎中の基礎から。よく耳にする「サンゴクシ」とは何か、というお話。

『三国志』とは

中国・後漢末~三国時代(西暦184年~260年前後)をモデルとしたフィクションストーリーのことです。

実は、『三国志』には二種類ある

上で「フィクションストーリー」と書いたから気になった方もいるでしょうか?

そう、一般に知られている『三国志』の話はフィクションなのです!

このことは意外と「三国志ファン」を名乗る人でも知らない場合が多く、小説やマンガの話を史実と思い込んで得意げに語っている人々がネットに溢れています。

どうしてフィクションを史実と誤解する知ったかさんが大量に生まれてしまうのか。

少し話がややこしくなりますが説明しますと……

実は『三国志』には二種類あるのです。

難しければ読み飛ばしても構いませんので、太字や赤マーカーの箇所だけでもつまみ読んでざっくり理解してください。

 

1.フィクションとしての『三国志』

桃園の誓いを描いた磁器『颐和园长廊上的彩绘:刘关张桃园三结义

日本で一般に『三国志』と呼ばれているのは明代に編まれたフィクション物語、『三國演義(さんごく・えんぎ)』のことです。

『演義』とはフィクションという意味。

日本で広まった『三国志』コンテンツは様々なバリエーションがあっても、すべてこの『演義』をもとに創られています

中華圏の人々は史実とフィクションを区別するため、フィクションを『三國演義』または『三國通俗演義』と呼んでいます。『三国志』とは史書を意味する呼び方なので、日本人以外に対してはなるべく使わないように。
日本人の感覚で『三国志』と言いたいときは、『三國演義』と言い換えたほうが話が通じやすくなると思います。

日本国内でも、マニアが集まる場では同様に言い換えなければ怒られることがあります。マニアの方々と話をするときは意識して言い換えるようにしましょう。

 

もっと詳しく。『演義』が創られた経緯:

三国時代の英雄たちは、西暦200年前後に実在した人物です。

しかし、史実としてよりも民間の人々が創作した演劇などで盛り上がり、語り継がれました。

特に、蜀の人物が民間でとても人気だったので、蜀人物について数多くのファンタジーが創作されます

一騎当千(いっきとうせん。一人で千人倒すほどの強さ)の関羽や張飛や趙雲、魔法使いのごとき作戦家・諸葛孔明など、実在人物がファンタジーキャラクターに創り変えられて大衆人気が爆発。中華圏の人々の心に根付く思想を養いました。

しかし大陸全土で語り継がれたそれらの演劇物語はトンデモな設定が多く、バラバラで支離滅裂、一つの物語として眺めるには非常にわかりづらいものでした。

そんな民間伝説を一つの物語として読めるようにまとめたのが、明代の劇作家、羅貫中(ら・かんちゅう)という人物です。

この羅貫中が編んだとする話は一説に過ぎず、他に『水滸伝』の作者である施耐庵がまとめたという説や、“羅貫中”は屋号であって一人の人物名ではないとする説など様々あります。

誰がまとめたにしても、広い大陸全土に散らばっていた伝説を集め、史実とからめた一大叙事詩として世に出したのは偉業と言えます。現代に至るまで三国時代の話が語られ続けているのも、『演義』を編纂した人々のおかげ。フィクションと史実とを混同させるような描き方をした結果、たくさんの誤解を人々に植え付け現実に弊害も生じさせたことは罪深いと思いますが……。

 

2.史書としての『三国志』

後漢書Gisling – 投稿者自身による作品, CC 表示 3.0

 

日本では、三国時代について記した歴史書も『三国志』と呼ばれています

正統な史実を記録したとされる歴史書、『魏志(ぎし)』『呉志(ごし)』『蜀志(しょくし)』の三冊をまとめて『三国志』と通称します。

日本人なら小学校のときに習うはず、卑弥呼が登場する『魏志倭人伝(ぎし・わじんでん)』もこの史書の一部です。

※『魏書』『呉書』『蜀書』という呼び方もあり、この場合は通称で『三国書』とします。

 

編纂の経緯:

こちら史書としての『三国志』は西暦280年頃、三国時代が過ぎ去って晋となった後、皇帝の命令を受けた陳寿(ちん・じゅ)という歴史家がまとめました。さらに西暦400年頃、やはり時の皇帝から「簡素な『三国志』を補うよう」命じられた歴史家、裴松之(はい・しょうし)が大陸全土に残っていた記録から詳しいエピソードをかき集め「注」として書き加え、今の『三国志』が完成しました。

日本以外の中華圏で『三国志』と言ったときは、この歴史書のことを表しています。

 

はじめての人は、どの『三国志』から読めばいい?

日本には大量の『三国志』コンテンツがあり、どこから手をつければいいのか迷うと思います。

そこでこの項目ではズバリ!「初心者にお奨め三国志本」をご紹介します。

おススメ1位:横山光輝の『三国志』は和流三国志のスタンダード

コミックトムより

日本の『三国志』ファンで最も愛読者が多いのは、横山光輝という昭和の漫画家による超大作『三国志』です。

かつては日本の『三国志』ファンの90%以上が横山光輝の漫画から入っていたと思われます。※

※これは少し前の話。現在ではコーエーやスマホアプリなどの三国志ゲームから入る子がほとんどのようです。その後ネットや中共学者(後述)の解説本で史実を学ぶ。このため多くの自称“三国志ファン”が修正された歴史を「史実」と教えられ信じ込んでいます。

子供の頃に『三国志』を読んではまり、感情移入するあまり英雄が死ぬたびショックで熱を出して学校を休んだ… という猛者たちの話を筆者は聞いています。

2019年に日本で『三国志展』が開催されたときも、入場者のほとんどが歴史的な出土品にはたいして興味を持たず、横山光輝の原画やキャラクターグッズに殺到していたという現実があります。

「日本人の心に刻まれた『三国志』とは、横山光輝の漫画作品のことである」

と言っても過言ではないでしょう。

このためオーソドックスなフィクションの設定を知るには最良の書と言えます。

これぞ文化共有のための必読書と言えるでしょうか。横山『三国志』さえ読めば、たいていの三国志ファンと会話ができることと思います。

 

ネックとなるのは長さと価格

そんなわけで横山光輝『三国志』は、内容的には初心者の方へ絶大おススメなのですが、やはりネックとなるのは作品としての長さと価格でしょう。

かつての漫画文庫で全60巻。値段もなかなかのもの。

「三国志を、さくっと学びたいんだけど」

と思っている方にお勧めするのは心苦しいです。

ただ、最近は漫画を置いている図書館も増えています。

もしかしたらお近くの図書館に蔵書があるかもしれません。調べてみてください。

 

おススメ2位:NHK人形劇『三国志』もファンが多い

Amazonより

 

日本で横山に次いでファンが多いのは、かつてNHKで放送された人形劇『三国志』です。

NHKと言うと保守の方々は眉を顰めると思うのですが、あの局は制作者によって内容も思想もまちまち、昔は良い番組もあったと思います。

なかでも人形劇の『三国志』は、日本人の心を養った良い作品だったと言えるでしょう。(ファンの方々の話によれば。筆者は観ていませんでした…ごめんなさい)

先の『三国志展』でも、横山氏の原稿の次に来場者を惹きつけていたのはこの劇の人形たちでした。川本喜八郎氏の美しい人形たちは今も支持を集めています。

しかしこれも鑑賞するにはDVD等で購入するしか術がありません。割高なのでお奨めするには心苦しい。

お金に余裕がある大人の方のみ、ご興味があればどうぞ。

 

アマゾンより秀逸レビュー引用しておきます:

西遊記ファン
5つ星のうち5.0

ボロ泣き。

2007年12月29日に日本でレビュー済み

全集十七巻。劉備玄徳没後、丞相諸葛亮孔明が文字通り、命尽きるまで蜀の国を支える。
玄徳没直後の第六十五回「孔明の愛の鞭」で、森本レオ氏の『ほんの少し、しかし確実に』孔明に年を取らせている第一声の演技に、思わず号泣してしまいました。状況的には全然泣くとこじゃないんだけど、孔明の孤独で過酷な戦いがこれから11年も続くと思うと、勝手に涙が出てきました。
人形劇としては、玄徳が死んでから最終回まで、わずか4回1カ月という放送期間ですが、実際には11年。その11年を4エピソードにまとめたこの最終巻は、まさに名シーン・名文のオンパレード。小学生で本放送を見た当時よりも、大人の今の方がみっともないくらいに、4エピソードともボロ泣きしてしまいました。一つだけ言わせてもらうと、劉禅には『孔明』ではなく、『相父』と呼んで欲しかった…。臣下だけど、皇帝から呼び捨てにされなかったってのが、諸葛亮伝説の華のひとつではありませんか。
孔明が皇帝劉禅に送った「出師の表」や、親心と臣下としてのお詫びに満ちた遺言、ちょっとさかのぼったとこでは周瑜への弔辞など、名文の朗読CDを森本レオさんでお願いできないかな〜。『孔明で』だなんて、そんなぜいたくは申しません。普通に、森本さんで漢文朗読を聞ければ十分です。

 

華麗なるストライカー
5つ星のうち5.0

英雄達のたそがれ

2011年11月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入

玄徳の死後11年、次第に衰運に向かう蜀の国を孤軍奮闘で支えた丞相・孔明も、遂に五丈原に斃れます。時に54才。そうか、玄徳は20才以上も年下の孔明を 三顧の礼で軍師に迎えたのか、とはたと気づきます。
曹操と比較され、君主としての器量云々と云われることもある玄徳ですが、この事実だけをもってしても、英雄たるにふさわしい人物であった、と言えるでしょう。だからこぞ孔明も、死ぬまで蜀の国を守ったのでしょう。
孔明の死後も、蜀は30年以上生き長らえて三国時代は続きます。しかし、英雄達の割拠した「中国史上、最も生き生きとした時代」は孔明の死をもって、事実上終わりを告げるのです。
この物語が『三国史』ではなく、あくまで『三国志』となっているのは、この時代を駆け抜けた幾多の英雄、豪傑たちの「志」を映した物語であるから、と理解しておきたいと思います。

『レッドクリフ』は微妙ですが、無害です

もう一つ。初心者の方が触れやすいフィクション、『レッドクリフ』について言及しておきます。

2008年ジョン・ウー監督による映画作品『レッドクリフ』は、三国志のなかの赤壁戦を描いた大作です。

イケメンのアジア俳優、金城武やトニー・レオンの共演で話題を呼びました。火薬を大量に使った映像も評価されています。

東洋古典『三国志』が史上初めて、ハリウッド仕込みのリアリティある映像で表現されて欧米人の目に触れたことは、東洋史における意義深い出来事だったと言えるでしょう。その歴史的意義に、私も感動しました。

ただしストーリーとしては、『三国志』とは呼びづらいものがあります。

おそらく欧米人にわかりやすいようにトロイア戦争を描いた『イリアス』をモデルにしたのでしょう。しかし、『三国志』という壮大な戦記を「曹操と周瑜の“女の取り合い合戦”」に堕してしまったことは東洋人の不興を買いました。

また、アルキメデス戦法・船の上を飛ぶ白い鳩・虹の契約…等々、全てが欧米向けのモチーフ(ただし虹は現実に出たと思われますが)。クリスチャンである香港人ウー氏らしい演出でした。でも東洋人の心に寄り添っていたとは言えません。

これでは日本の三国志ファンは見向きもしないでしょう。周瑜×孔明カップルが好きなBLファンの興味は惹いていましたが、笑。大陸本土の人々はなおさら、強いキリスト教臭に失望感を抱いたかもしれません。

2019年以降のTwitterで筆者も初めて知ったことは、香港人は驚くほど中国史を知らないということです。日本人のように義務教育で中国史をざっとでも習うということはないのかもしれません。だからあの表現となっても仕方がなかったのだとも言えます。あれでも香港の方にしてはよく勉強されていたほう。

ともあれ、単体では素晴らしい映画作品ですし、思想的に有害なところもありません。純粋に愉しんで良い作品と思います。その後に日本の作品でスタンダードな『三国志』を学んでいただければと思います。

なお、日本国籍で台湾人混血の俳優・金城武くんには東洋史を世界へ伝えるお役目を勤められたこと、深く感謝したいです。獅童くんも日本人らしい渋い演技お疲れ様でした。

 

おススメ3位:史書としての『三国志』陳寿著(裴松之注)

当ブログ記事を書いている私keiは、実は完全なる史実派。

最初に読んだ『三国志』は史書であり今もほとんど史実の知識しかありません

フィクションは生理的に受けつけないため今でもほとんど読めず、『演義』について知ることは解説書で学んだことばかりです。

(2023年追記:現在やっと勉強のために吉川『三国志』を読んでいます。苦しみながら)

私のような史実から入るコースは特殊ですからおススメできません。

やはり『三国志』というジャンルを愉しむには、皆が知っているオーソドックスな設定にワクワクしたり感動したり悲しんで泣いたりする体験が最初に必要なのだと思います。

“物語の共有体験”こそが文化を創ります。

日本以外の中華圏の人々の思想を理解するためにも、はじめての方はまず物語としての『三国志』を愉しんでください。そのうえで小説やマンガはフィクションであることを頭の片隅に置いておき、鵜呑みにすることがなければ良いと思います(特に戦争の設定を現実と思うのは危険なので鵜呑みにしてはなりません)。

ただ最終的には必ず史書を読んでいただきたいと思います。

世の中の『三国志』フィクションは史実を反転した驚くべき嘘ばかり。学者の解説書も歴史修正を目的として書かれたイデオロギー本がほとんどで、現代の歴史ジャンルは嘘八百で溢れています。そのようなフィクションや解説本だけを読み信じているとこちら曹操信者のように“狂気のカルト”となってしまいます。

ゴールは陳寿著(裴松之注)『三国志』だと考え、いずれ読んでください。

興味を持たれた方はこちら:

正史 三国志 全8巻セット (ちくま学芸文庫)  Amazon

番外:日本人三国迷の『勘違い三国志』、バイブルは吉川作品

昭和の文豪、吉川英治(よしかわ・えいじ)による大河長編『三国志』も有名ですから日本の三国志ファンの多くが読んでいます。

しかしこれは私が読んだところかなり問題作でした。

(以前はまともな作品なのだと信じて奨めていました。申し訳ありませんでした)

作者いわく「中国の『三國演義』を原作として日本人にもわかりやすく現代風に描いた」とのことですが、実際は史実はおろか中国古典『三國演義』とも大きくかけ離れた吉川オリジナル小説となっています。

中国大陸や台湾などで、“三國迷”――史実とも演義とも違うナンチャッテ三国志を愛するファンのこと――と呼ばれてバカにされている「勘違い三国志」のベースを作ったのは吉川英治と言えます。

言ってみれば吉川三国志こそが「三国迷」のバイブルだったようです。

無料で読むことができるため初心者の方にお奨めしたかったのですが、誤ったイメージを植え付けられることになってしまうため最初に読むのは避けたほうがいいでしょう。

しかし日本人が何を信じて勘違いしてしまったのか知るために、「日本人三国迷」の一級資料としては必読だと思います。

 

吉川『三国志』の問題点

この作品の根本的な問題は、『三国志』の物語を 曹操 VS 諸葛亮(孔明) という二極の対立軸で単純化してしまったことだろうと思います。

このほうが日本人にはわかりやすく、また確かに歴史の本質も突いていたと言えますが、フィクション孔明の人気と釣り合いを取るために(または大日本帝国による臣民教育への反抗として? あるいは共産思想の影響で?)曹操を美化してしまったことには弊害があったと思います。※

たとえば曹操を無理やり織田信長に模して、「美しい容姿」と表現したり正義心があったかのように描いたため日本人に根強い曹操ファンを生むことになりました。この勘違いは、上で書いたように日本の三国志マニアが「三国迷」と呼ばれて中華圏の人々から嘲笑され蔑まれる要因となっています。

史実の曹操は信長とはかけ離れた虐殺王。醜い容姿でコンプレックスが強く、我がままにより大量虐殺したという、心が貧しいだけの人物であったことを念頭に置きながら吉川『三国志』を読む必要があります。

【参考】曹操のリアル:

曹操ってどんな人?〔後編〕 曹操による虐殺・拷問処刑リスト。全て史実です

※曹操崇拝の教義はどこから生まれたのか

虐殺魔であった曹操を美化して劉備を貶める「善悪反転」の教義は、中国大陸の共産主義者によって20世紀初頭頃から掲げられていました。

これは「天地反転」を唱えるヨーロッパの悪魔崇拝思想(共産主義の根本思想)にならい、善とされたものは悪へ、悪とされたものは善へ変えようとするイデオロギーの要請に基づく無理やりな評価替えです。

さらに彼らは中国社会をつくってきたベース思想である“儒教”を破壊しなければなりませんでしたが(社会体制を破壊して共産主義革命を果たすために)、その目的から古代で儒教弾圧を行った曹操や始皇帝などを正義のヒーローとして崇めました。

この共産主義の教義に基づく「善悪反転」の歴史書き変えを最も大規模に行ったのが毛沢東の文化大革命でしたが、戦前で魯迅(ろ・じん)ら中国大陸の共産主義活動家によって提唱されたのが始まりとされます。

吉川英治自身は共産主義者ではなかったようなのですが、吉川自身のエッセイによれば彼の周りにも共産主義者が多くいたために一部思想的な影響を受けていた可能性は高いと思います。

 

初心者が絶対に読んではいけない! 避けるべき三国志

最後に、初心者の方へ絶対にお奨めできないコンテンツについてお話ししておきます。

とても悲しいことですが、昨今、中華圏に関するジャンルでは政治的な理由から嘘の歴史話が大量にばらまかれています。

下記事を参照。

「曹操様マンセー!」と叫び蜀と諸葛亮を貶めているのは、某国プロパガンダ工作です:

「三国志ジャンルの犯罪」Togetterまとめました

 

これは陰謀論でも何でもなく、相手方が堂々と世界に公表して行っている現実の戦争戦略です。

歴史マニアさんたちは「そんなの馬鹿馬鹿しい」と笑い、否定するでしょう。でも、歴史マニアの方は現代現実オンチ(現実の戦略オンチ)が多いのできっとご存知ないのです。

『三国志』など史実に基づくフィクションは今の現実を変える絶大な力を持っています。相手方はもちろんそれを熟知し、戦略的に悪用しています。アメリカの軍事トップは当然ながら把握しているでしょう(東洋史の細部を理解できているかは疑問ですが)。欧米では一般人ですらフィクションの現実影響力を認識している人が多い。このことに気付かないボンヤリさんは、日本人だけ。

初心者のうちは難しいことなど分からなくてもけっこうです。

とにかく日本国籍である私の言うことを信じて、以下に挙げる書籍や作品を避けるようにしてください。

もちろん私は思想弾圧をしようとしているわけではないので念のため。上級者となってから以下の本などを読むぶんにはいっこうに構いません。上級者となり史実知識を得た後なら、彼らがいかに愚かで稚拙で悪質な嘘を書いているかわかるだろうからです。

 

とりあえず、「渡邉義浩」という名前を避けること

今、アマゾンでも楽天でも『三国志』と検索すると「渡邉義浩(わたなべ・よしひろ)」という人が書いた三国志本が出てきます。

初心者のために易しく書かれたかのように装われたガイド本が多いのですが、騙されて手を出してはいけません。

それらの全てが創作話で、政治的な誘導に満ちています。

「史書に基づかない妄想話の語り手」として上級者にはバカにされることが多い渡邉氏ですが、悪質なのは初心者を騙して取り込もうとしていることです。

どうか騙されないでください。

と言っても知識が無ければ難しいので、初心者~中級者のうちは著者や監修者に「渡邉義浩」の名があるコンテンツを避けるべきです。

上級者となってから彼の書籍を読み、いかに愚かな嘘が書かれているか知ったなら、ぜひレビュー等で真実を語ってくださるように願います。

 

何故、初心者が渡邉氏の本を避けるべきなのか

渡邉義浩氏は現在、三国志の重鎮と自称し、三国志学会のトップに居座っている人です。いかにも「自分だけが真実の歴史を知る偉大な歴史家である」という態度で他人を威圧していますが、彼の論拠のほとんどが「史書の裏付けがない・自分一人の妄想」であることから上級三国志マニアの間では嘲笑の的となっています。

【参考】上級マニアたちの意見:

「渡邉義浩氏の名士史観に違和感」知恵民の質問と回答

(この他にもニコ百などで渡邉義浩氏の主張に疑問を抱く意見が投稿されていたのですが、本人または協力者からの要望で削除されてしまったようです。彼らは自分たちにとって不利な言論を弾圧することが得意)

渡邉氏を擁護しておきますと、彼は決して自分の意志で嘘をばらまいているわけではないのです。

長年にわたり三国志を研究している彼なら、自分が嘘をついていることくらい明確に自覚しているでしょう。

彼はただ外国政権の命令を受け、台本通りに歴史捏造の戦略文を語っているだけに過ぎないのです。

このことを裏付けるのは彼の立場です。渡邉義浩氏は、中国共産党の出先機関、孔子学院の筆頭を勤めている人です。日本人をイデオロギー洗脳する最前線の兵隊と呼んで良いでしょう。

渡邉義浩とNHKが行った非人間の所業:

ヒストリア『三国志英雄たちの秘密』人形劇ファンの心を踏みにじった精神暴力

 

渡邉氏の書籍へ寄せられた一般人のレビュー(アマゾンより):

 

日本人を洗脳する歴史反転マンガの先駆け、『蒼天航路』

日本人洗脳のために先駆けとなったコンテンツは、なんといっても『蒼天航路』でしょう。この漫画はよほど上級者となってからでなければ、読んではいけません。

これはコリア籍で在日二世である李學仁(イ・ハギン)と、台湾人(親中共派?)の王欣太による作品です。

曹操を美化して崇拝している中国共産党の思想へ忠実に従った、曹操崇拝のためのバイブルと言えます。

曹操による民衆虐殺正当化、容姿を八頭身の美形に改変(ブサイクだったという史実は堂々と封印)、曹操の拷問や処刑の全てを「正義だった」と捻じ曲げて曹操信者を増やすことに貢献しています。

さらに、それまで東アジア圏全体で「正義」とされていた蜀人物、劉備や諸葛亮を不当に貶めることに尽力しました。

★イ氏や王氏がどうしてこのような歴史捏造に勤しんでいるのか、背景については「在日」の活動に関わる複雑な話となりますのでまた別記事とします

残念なことに…初心者~半端な中級者のうちにこの漫画を読んでしまった方は、これが史実だと強く教え込まれるので鵜呑みにしてしまうようです。そして日々蜀人物への誹謗中傷と「曹操様マンセー」の崇拝文をネットに書き込む布教活動に励むようになります。また、彼らはアンチである蜀ファンに対する暴言・暴力活動も行います。『蒼天航路』ファンは、ほぼカルトの狂信者と同じ危険集団と言えます。

このような信者たちによる書き込み活動により、現在日本のネット上には蜀人物、特に諸葛亮への目も当てられない醜い罵詈雑言で溢れる事態となっています。

(実はただの信者だけではなく、お給料をもらって悪口を書き込んでいる本職の方も多いのが実情です)

曹操ファンの一例:

何故か関羽像まで愛しの曹操様に見えてしまっている強度の曹操ファンの方です。

お分かりでしょうか? 「五四運動」とは反日・社会主義運動のこと。つまりこの人は共産主義者であって、なおかつ日本国籍ではないことをご自分で誇らしげに明示されています。

なかには史実も知ったうえで曹操ファンになっている一般人もいるようですが、曹操による言い訳の立たない民衆虐殺や拷問処刑の癖などに「萌え萌え」叫んでしまう気持ちが、私にはどうしても理解できません。快楽殺人者に萌え萌えするのは、人間ではない趣味と言えます。

申し訳ないけど、現実ではこのような暴力愛好家の方々と距離を置くのが賢明と思います。

その他、避けるべき作品・書籍・サイト

他に、初心者の方が避けるべき作家や歴史学者の書籍を挙げておきます。

酒見賢一『泣き虫弱虫 諸葛孔明』

酒見賢一氏は、『墨攻』などの作品を描いていることからもわかる通り※一昔前の共産主義者と思われます。

共産思想および反日活動の一環として、彼らにとっての“反日・儒教シンボル”である諸葛孔明を貶めるために書いた小説が『泣き虫弱虫 諸葛孔明』という作品です。

三国志マニアの間ではすこぶる評判が悪く、小説としても稚拙で一般読者からも相手にされていない小説なのですが、何故かAmazonなどには高評価が殺到しています。さらにメディアの力で「人気」ということにされ、漫画化までされています。

この流れに反抗する僅かな一般マニアが

「どうしてこんな低レベルな小説に高評価が殺到しているのかわからない、工作員が書いているとしか思えない」

とレビューしていますが、鋭い指摘だと思います。

現実の人気が無いのに何かの団体が人気を造り上げる。『キングダム』などとよく似た背景、経緯を持つ作品と言えます。

 

参考レビュー(アマゾンより):

※東洋思想を共産主義者たちはどう扱うか:共産主義者が東洋思想のなかで崇めるのは『墨子』です。さらに儒教『孔子』を激しく憎み、道教・仏教などの宗教は嘲笑して弾圧するのが共産主義者の目印。現代中国政府は孔子を再評価し、儒教弾圧の主張を変えていますが、これは利用しているだけの欺瞞です。詳細は別記事

 

柿沼陽平『劉備と諸葛亮 カネ勘定の「三国志」』

歴史学者による素晴らしい新説!との宣伝文句で大量のGoogle広告が出されましたが、ただの捏造・誹謗中傷本です。

稚拙で非常にレベルの低い論理展開なので、逆に彼らの狙いが読めてしまいます。

悪質なので別記事で書きましたが、とりあえず「こんな初心者騙しの洗脳本を最初に読んではいけない」とだけ言っておきます。

一級マニアさんのレビューを参照してください。

アマゾンより:

20%の人が★一つ評価! 柿沼陽平『劉備と諸葛亮』レビュー

 

はじめての三国志

これは書籍ではなく、サイトです。

“初心者向け”を装って嘘の歴史を教える悪質なサイト。

パクり事件を起こしたことで一躍有名となりました。この件について訴えたネット上の記事は弁護士を使い、軒並み削除されています。金の力だけではなく、何らかの団体の力を感じさせる迅速な言論弾圧です。とうてい一般の歴史マニアサイトとは思えません。

【参考】

「はじめての三国志」が被害者? パクられたはずが加害者に!身を守る対処をしてください

剽窃という不正不当な行為をしただけではなく、故意に歴史を歪曲したり捏造している記事が多いため、クレーム殺到していますが完全無視。

この厚顔無恥の態度により、マニアの間では通称「恥三」と呼ばれて憎まれています。

しかし団体ネットワークの力を駆使したSEOは強い。今、Google等で三国志のワードを検索すると常に「恥三」記事がトップに出てくるようになっています。

初心者の方はクリックしないよう注意していただきたいです。

(誤ってクリックしても記事に書かれた内容を信じてはいけません)

「恥三」記事の内容は、曹操を崇拝・賛美して虐殺を正当化、劉備と諸葛亮に対しては口汚い作り話で貶め工作をしていることから、渡邉氏に忠実な団体運営なのだろうと思われます。

サイト運営者の活動拠点も沖縄であることから、お里が知れますね。

他に、偏向歴史捏造を書いている学者やサイト

・出口治明氏(下記事参照)

孔明リコール!? 始皇帝こそ、リコール制度があれば半日もたなかった虐殺王

・宇山卓栄氏(保守ふうだが実は左? 蜀貶めキャンペーンに参加している)

・茂木誠氏(保守の動画にも出ている人だが、似非か。始皇帝/曹操崇拝で墨子押し、反日の酒見賢一を熱烈に支持している)

・パヨパーヨ速報(小学生向けに修正歴史を教え込む悪質YouTuber)

「小学生でもわかる三国志」というヤバい動画【嘘八百】

 

以上…

「初心者が触れるべきではないコンテンツ」については、とりあえず筆者が気付いているものだけ挙げてみました。また気付いたものがあれば当ブログへ掲げていきます。

現実にはもっとたくさん捏造本が存在しますし、『三国志』をネット検索してトップに出るのもたいてい左翼活動家のサイトとなっています。初心者の方にとっては悲惨な環境と言えます。

マニアの方へお願い。

このまま歴史捏造を黙って見過ごすおつもりですか? 一般人である私一人の力では限界があります。他にも歴史捏造目的と思われる書籍・サイトがあれば、アマゾンレビューなどで真実を書き込んでください。または当ブログ管理者へぜひお知らせください

※純粋な楽しみを目的としたフィクション設定に過ぎないものは「歴史捏造」に含みません

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